novel46 | ナノ

※レイプ
※あんまり幸せじゃない

 テレビの中では若い男とそれなりに年のいった女性が今にもベッドシーンに突入しようとしている。奥さん、なんて呼びかけながら男の手が女の胸を撫でまわす。こんなものを大人の恋愛とかなんとか持て囃すのはどうかしている、と翔太はため息をついて、冬馬のベッドの上で寝返りをうつ。本格的に寝に入ろうとしたのにそこで目にしてしまった。ローテーブルの前で冬馬が真っ赤になって不自然に顔を背けているのを。
 嘘でしょ。あまりに驚きすぎて眠気も吹っ飛んだ。画面の中のシーンはもう切り替わってまた知らない人々がドラマを繰り広げている。その程度の出来事でしかないのに。
 冬馬君冬馬君、と呼んでみる。膝をついた四つん這いで彼が近寄ってきたところを思い切り引っ張り上げてベッドに押し倒した。痛え、と文句を言う顔には単純な不満の色しかない。例えば危機感とかあるいは期待とかそんなもの欠片も見えない。そりゃそう。そういう関係じゃないから。男同士で友人同士でそんなこと考える方がきっとどうかしている。
 分かっていても苛立った。許せなかった。憎いとさえ思った。自分だけ綺麗でいて、だったら僕はなんなんだよ。そんなのは、ずるい。
 怒りに任せて彼のズボンをずり下ろす。下着まで一緒くたに下げた辺りでようやく冬馬も何か違うと気付いたのか足をばたつかせる。おい、なんだよ、ふざけんなよ、と喚く彼の胸を片腕で押さえてもう片方の手で剥き出しの睾丸を掴む。少し力を加えて握る意志を見せたら暴れていた足は一瞬固まってそれからそろそろと降りた。怒りを浮かべていた顔は今は僅かに不安を滲ませてこっちを窺っている。鬱陶しい。
 そのまま性器を掴んで上下に擦ってやったら簡単に反応した。中途半端に脱がせた服と勃ち上がった性器とにちゃにちゃした音と荒い息と、色んなものがめちゃくちゃに散らばって粗野で品がなくて意味が分からないくらい興奮した。無垢で純真で美しいものが、実際ただの人であると思い知るのはぞっとするくらい気持ちが良かった。
 少しの間そうしていたら背中を丸めて彼はあっけなく達した。吐き出されたものを集めて穴に塗り付ける。予想に反して抵抗されなかったから様子を窺う。
 なんで、と思った。なんでそんな顔ができるの。どうして。ねえ。
 冬馬は穏やかに翔太を見ていた。諦めなんてものじゃない、あるのはただの肯定だった。
 かつての言葉を思い出す。お母さんみたい。そんなの今じゃなくたっていいのに。下腹部をどろどろに汚して今にも犯されようとしているのに彼はあまりに綺麗なままだった。ずるいとまた思った。悲しくて嬉しくて悔しくて愛しくて顔が歪んだ。
 点けっぱなしのテレビは今まさに修羅場を迎えてヒステリックな女の声を響かせる。性的なるものを否定して。否定されたかったのにしてもらえなかった少年は一人で泣きそうになっていた。


以下ストーリーも何も無くやってるだけ
ファンタジー
習作

 精子を塗り込めるようにして指を一本突き入れる。くぐもった呻き声を漏らす冬馬の顔は枕の下にあるから見えない。顔の前で枕を抱きしめて膝が胸につくくらい体を丸めて、苦しい姿勢で彼はただ苦痛に耐えている。健気でむかついた。だから遠慮せず指を動かして無理やりに広げようとする。少し余裕ができる毎に指を増やしていく。
 ねえ、いれていいよね。返事はなかったから許可だと解釈して下半身の服を脱ぎ捨てる。ゴムなんて持っていなかったしきっとそれは冬馬も同じなので構わずそのままあてがう。ゆっくり体を沈めると引きつった悲鳴が微かに聞こえた。
 雑に慣らしただけの中は狭くて熱くて恐ろしく気持ち良かった。動きにくいからゆっくり抜き差しを繰り返す。枕を抱きしめる腕が緩んで、苦しげだった呻き声に別の色が混じりだす。泣きたいのを堪える。綺麗なままでいてほしかったしいてほしくなかった。怒ってほしくて許してほしかった。何もかもめちゃくちゃだった。
「ね、冬馬君、……いい?」
 何をとも何がとも言わなかった。枕の向こうで彼は頷いた。そのまま一人で勝手に中に出した。死ぬほど気持ち良くてきっと死ぬんじゃないかと思ったしそれでも構わなかった。結果として死ねなかったが。
 彼の中から引き抜く。指先からじわじわ虚脱感とか疲労感とか罪悪感とか良くないものが広がっていく。目の奥が痛んでまばたきをしたら彼はぎこちなく体を起こしてなだめるように頭を撫でてきた。何もかも最悪だった。
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