斎樹「オムライスを作るぞ!」 | ナノ

斎樹「オムライスを作るぞ!」

〜ここまでのあらすじ〜
 疲れ切ったよこしまな指揮官のためにラ・クロワレギュラーの3人がオムライスを作ってくれるそうです


斎樹
オムライスと言ったらまずあの卵と、下の米だな。

霧谷
お米……味が付いてるやつ。

斎樹
あれは何で味が付いてるんだ?

頼城
参考に冷蔵庫の中を見てみるか。

霧谷
味が付きそうなものは……めんつゆ?

頼城
めんつゆは名前からして麺料理に使うのではないか?

斎樹
あとはしょうゆと……ケチャップがある。

霧谷
ケチャップは上にかけるから、違うかも。

頼城
となると消去法でしょうゆか。

斎樹
じゃあ、味付けはそうするとして、先に米を炊きたいが……やり方分かるか?

頼城
炊飯器を使えばいいのだろう。米と水を入れてスイッチを押せばいいのではないか?

霧谷
待って、その前に……研ぐ? のが、必要……だと思う。

斎樹
確かに、聞いたことがあるな。

頼城
さすがだ、柊!

霧谷
別に、すごくない……。

頼城
では、賢明な柊が提案してくれた通りに米を研がねばならないが……研ぐとは何をすればいいのだろうか?

斎樹
普通に考えれば、刀を研ぐ、の研ぐだろうな。

頼城
なるほど、つまり砥石で磨くということか。

霧谷
砥石、下の棚に入ってる。

頼城
これか。では米を計ろう。

斎樹
一人前だから、一合じゃないか? カップ一杯分だ。

霧谷
分かりやすい。じゃ、これくらいだ。

頼城
……ふむ、砕けないようにするのはなかなか慎重さが要るな……。これだけの手間がかかっていると思うと食事を作っている皆さまには一層感謝せねばな。

斎樹
これ、どうなったら終わりなんだ?

霧谷
紫暮にずっとやらせてよう。巡くんは俺と上にかかってる卵作ろう。

斎樹
卵か。あれは一体どうやって作るのか、見当も付かないな。

霧谷
料理と言ったら、焼く、煮る、揚げる……。

斎樹
揚げてある感じはしないよな。

霧谷
じゃあ、焼くか煮るかだ。

斎樹
煮たら煮卵になるんじゃないか?

霧谷
巡くんの言う通りだ。焼こう。

頼城
炊飯器をセットしてきた。共に卵を焼こうではないか。共同作業というわけだ!

霧谷
もう戻ってきた……。

頼城
俺がいなくて寂しかったか? もう心配いらない。

霧谷
全然。

斎樹
焼くならフライパンだよな。卵は一人前だから一個でいいか。

頼城
卵を割って、フライパンに落とす。

霧谷
……これ、目玉焼きだ。

斎樹
目玉焼きだな……。

頼城
ふむ、参ったな。他の手を考えるか?

斎樹
今よりマシになるとは思えないな……。

霧谷
……あ、お米炊けた音だ。

頼城
炊きたてだな。これに色が付くくらいしょうゆを混ぜる。

霧谷
目玉焼き焦げてきた……もう決めないと。

斎樹
ああもう、分かった、これで行く! 米に乗せるぞ!

頼城
完成だ! 我々の力を結集した……オムライスが!

霧谷
そうかな……。

斎樹
オムライスではないな。


MISSION REPORT
指揮官さんにオムライスを作った。開始から二時間かかったが……「学生時代の一人暮らしを思い出す」とおおむね好評だったようだ。はは、料理は向いてないが、喜んでもらえて何よりだ。
20210726


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