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「という具合でして」
「大体こんな感じの経緯でできました☆」
「リリスちゃんノリが軽いなぁ」
「……どうやって記号を発音することができるんだ」
「エレムルスさんズレてます。ということで、諸事情により端折った部分もありますがこのように僕ら全員が納得して医療班・治療組設立の流れとなりました」
「納得していることを掘り返すなんて面倒なことは私たち嫌いです。あと代表さんとリーダーさんにとってはつらい思い出かつ黒歴史の一端ということで、口を開きづらかったんですよね」
「なので今回の噂の内容は僕たちに深く関係があっても、誰も流した本人ではないんです」
ここで双子の兄、アマリーが改めて会場を見渡した。
他の三人も彼に続いて向き直る。
「このように、僕らは今まで怠慢と躊躇によりWar Gameを支えてくれている重要な役職である医療班・治療組の設立に至るまでを皆様にお話ししてきませんでした。ゆえに皆様は何も知りませんでした。だから噂に振り回されたんです」
「私たちは考えました。誰が噂の種を蒔いたのかを」
「事の発端はただの雑談だったって聞いてるんだけどさ〜、普通何も知らない人たちが集まってあれこれ話しても推測の域を出ないよねハイ終わり!ってなりそうな気がするんだよね」
「火のないところに煙は立たないと言うからな……というか、誰が話を始めたのか誰か覚えているか?」
エレムルスの言葉に会場が一瞬静まりかえって、どよめいた。
そのどよめきに双子が満足そうな笑みを浮かべる。
「「皆様、これで確信が持てました」」
「ここから見る限り全員が驚いているように見受けられます」
「生温い発言ですが、私たちは皆様の中には噂を流した『犯人』はいないと信じます」
「「つまり、噂を流した『犯人』は第三者」」
「今後僕らは、ゲームの通常運営に加えて『犯人』探しにも焦点を当てて活動していきたいと思います」
「もしも何らかの情報を得た方は、Umpireまでお越しください。私たちがお伺いします」
「「それでは、本日は誠にありがとうございました」」