商工業が著しく発展しているが経済的には少し貧しいとある国。
その中心の街に、一人の大工の棟梁が住んでいました。棟梁はとても世話焼きで、行き場のない子供たちを引き取って手に職を付けてやるのが大好きなちょっと変わった人でした。

子供たちが自宅に収まりきらなくなったある日、棟梁は思い立ちます。「そうだ、子供たちの住まいとしてだけじゃなく、働く場所のない奴らの職場にもなるような建物を造ろう」。
そうして建てられた長屋状の建造物は「万能座」と名付けられ、次々と入居者が増えていきます。住む人が増える度に増築を重ね、長屋はたくさんの職人たちが集まる国内屈指の、その名の通り何でもござれの万能職人連合になりました。

棟梁が亡くなった今では彼の娘が後を継ぎ、万能座には毎日のように人々から仕事の依頼がやってくるのです。









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