double





今日は部活中の練習で調子がでなかったせいもあって、部活が終わった後も少し残って個人練習をしていた。

「っしゃ、もう終わろ」

練習を切り上げて部室に入ると、光と蔵はまだいて、着替えている最中だった。
よりによってこの二人は気まずい。
さっさと着替えて帰ろう。

「謙也さん、今日もしよ」

着替えようとした瞬間、光はいきなり俺にそう言った。
せめて蔵がいる前で言うのは止めてほしかったのに、光は遠慮という言葉を知らない。
けれど、そう言う光の眼差しは普段のやる気のなさそうなものではなくて、あきらかに俺に欲情した目付きをしていた。
こうなったら、断る選択肢はない。
俺はゆっくり頷いた。

「ちょお光、今日は俺の番やで」

隣で着替えていた蔵が口を挟んだ。
この二人と俺が同じ部屋にいるとこうなることはわかっていた。
だから早く帰ろうとしたのに。

「光はこの間したんやからええやろ?今日は俺の番やで」

「はあ?この間その前、2回もしたのはどこの誰でしたっけ?」

なぜ二人が俺を取り合っているかというと、二人とも俺と付き合っているからだ。
二人から同時に告白されて、どうしたらいいのかわからなくて「どっちも好きや」と適当に言ったら、両方と付き合うことになってしまったのだ。
これは俺の優柔不断が招いた結果だけれど、こんな関係でいいという2人もおかしいと思う。
いや、それを言わない俺も大概おかしいと思うけれど。

「回数でいうたら白石部長のが多いっすわ」

「日数でいうたら光のが多いわ」

まだ言い争っている。
今のうちにこっそり抜けてやろう。
そう思って扉の方へ向かった瞬間、光に腕を掴まれて引き寄せられてしまった。
思いっきり壁に叩きつけられ、逃げる隙も与えないかのように鋭い眼光が俺を追い詰める。
だめだ、動けない。
蛇に睨まれた蛙というのは、今の俺のことをいうんじゃないだろうか。

「謙也さん、逃げるなんて許さへんっすわ」

「逃げれるわけあらへんのに、ほんまアホやな」

「ほな、お仕置きも兼ねて、久しぶりに3人でしたらええんちゃいます?」

「え!?」

「ああ、せやなぁ」

ちょ、ちょっと待って。
二人いっぺんにとなれば話は別だ。
だって、ずっと前されたときひどいめにあって、もうしないと決めたのに。

「いやや!どっちかにしてや」

「謙也さんは黙って犯されとったらええんですわ」

「そうやで。おとなしくしとき」

光に掴まれた両手をそのまま頭上に上げられると、それを蔵が片手でがっちり押さえつけた。
強い力で押さえつけられた両手は動かすことができない。

「な、なにするんや!」

「こうせんと、謙也暴れるやん」

「ひゃっ…!」

蔵は空いた手で素早くシャツを捲り、乳首を弄った。
慣れた手つきで、摘まんだり引っ掻いたりされると、俺の下半身はすぐ反応を返した。

「んんぅ…っ」

「もう乳首立っとるで?」

「あ、あ…ん…くら…」

「んー?ああ、こっちも勃ってきたなぁ。光、触ったって」

「そうですね」

光にハーフパンツを下ろされて、すぐに性器を咥えられた。
いきなりの強い刺激に、身体がいうことをきいてくれない。

「あ、や…!いきなり…っ」

「…あれ、もうイくんすか?めっちゃ震えてますけど」

「やあ!しゃべ、らんといて…ぇ!ひああ!あっあああ!!」

乳首の刺激とともに、性器を吸われながら手も使って上下に扱かれて、俺はあっというまに絶頂を迎えた。
光は、出された精液を綺麗に飲み干した。

「さて、今からが本番やで?」

息つく暇もなく、今度は四つん這いにさせられる。
ハーフパンツが足首まで下ろされているせいで、両足は拘束されている。
光は俺の前にくると、性器を差し出し、口元にあてた。

「な、に…」

「何て、今謙也さんの精液飲んだんやから、お礼くらいしてくれへんの?」

「おれい…?」

「そ、はよしゃぶって」

目の前に性器は、すでに先走り垂らしていた。
光の突き刺さるような視線を感じて、俺はそれを素直に咥えた。

「はふ…は、ぅう…」

「ん、上手」

舐めれば舐めるほど、どんどん大きくなって舐めにくくなっていく。

「謙也、こっちも忘れんといてな」

「う!?や、ゆび…!」

舐めるのに必死になっていたら、今度は蔵の指が後ろの口を弄りだした。
二本の指が中でバラバラに動き、前立腺の手前を執拗に攻めてくる。
それがもどかしくて気持ちよくて、気づけば自ら腰を振っていた。

「ふあ!あぁ…ッ」

「えっろいなぁ…」

「んああ!はあ、あァ!」

それでも前立腺には届かなくて、焦れったさだけがどんどん重なっていく。
苦しい、辛い。
もっと長いものでそこを擦ってほしい。
なんて、また流されてしまった。
けれどその気にさせられてしまったら最後、性器を入れられるまで止められない。

「謙也さん、よがっとらんと俺のもして」

「ふぅう!ううう、ん!」

フェラなんてしている暇がなかったから、口に入れているだけだった光の性器を無理やり奥に咥えさせられた。
息ができなくて苦しいけれど、それでも舐めなければ更に喉の奥に押し込まれてしまうことをわかっているから、俺はひたすら舐め続けた。

「光ー、もう入れてええ?」

「はぁ?俺まだ出しとらんのですけど。謙也さんアホやから2つのこといっぺんにでけへんやん」

「せやけど、俺の指きゅうきゅう締めてきてもう限界なんやけど」

「はぁ…まぁしゃあないっすわ」

先程とは明らかに大きさの違うものが後ろの口にあてられた。
もう挿れられると思って見上げて光に訴えたけれど、光は嫌な笑みを浮かべるだけだった。

「噛んだらお仕置きですからね」

だったら抜けばいいのにと思ったけれど、光は俺が必死な姿を見るのが好きだから、きっと優しくはしてくれない。
噛まないように、歯を立てずに咥え、蔵が入ってくる衝撃を待った。

「ん、あ、はぁ…ッあああ!」

対して慣らしもしていないのに、蔵のが押し入ってくる。
衝撃に耐えられず、結局光のを噛んでしまった。

「いって!」

「どしたん?」

「噛まれましたわ」

「ああ、そんならお仕置きせんとな」

「ふあ!?あッあ!あぅう!」

蔵のが突然奥まで入れられたと思ったら、気持ちいいところばかり擦られて、俺はまた精液を吐き出した。

「なんや早いなぁ」

「は、ん…はぁ、は、あ…」

「休んどる暇なんかあらへんっすわ」

「ぅぐ…ッうう、う…!」

前髪を掴まれて、また光の性器が無理やり口にねじ込まれた。

「こっちもちゃんと締めなあかんやろ?」

「うぅ―ッ!」

光のを舐めたいのに、また蔵のが気持ちいいところを擦りだして、もうどっちに集中したらいいのかわからなくなる。
おまけに俺の性器を扱かれてしまい、快感が波打ちながら昇り詰めていく。

「ひああん!また、イ、っく…イってまうぅ!」

「ん、部長、俺ももうイくかも」

「俺もそろそろやから、ええよ」

「ああ!ふぁあ!は、ひ、ッあああああ!!」

蔵と光が目で合図すると、両方の口の中に熱い精液が放たれた。





それから光にも突っ込まれて、蔵の精液も飲まされて、気づいたら辺りは真っ暗だった。
もう精液が出ないほど果ててしまったせいで、足元がフラフラしてしまう。
それで別れ際までは、光が肩を借してくれることになった。

「ほんま謙也さん、早漏っすね」

「うっさいわ!」

「後処理大変やったで?」

「う…」

俺がところ構わず吐き出した精液は、蔵がしっかり処理してくれたようだった。
臭いだけが少し心配だけれど、蔵のことだから、上手いこと言って誤魔化してくれるだろう。

「謙也さん、もう1人で大丈夫っすか?」

「ん、おおきに」

三人が別れる道まで来たけれど、やっぱり足元は多少震えていた。

「久しぶりに三人ですると謙也が可哀想やなぁ」

「なら、白石部長が手を引いてくれはったらええんですわ」

「光こそ引いたらええんとちゃう?」

また喧嘩し出した。
全部俺が原因なのだと思うと、少し胸が苦しい。
こんな関係、いつまでも続けていてはいけない。
俺がどちらかを選ぶか、どちらとも選ばないかの選択をしなければいけない。

「あんな、」

俺は思いきって口を開いた。
けれど、二人は

「謙也さん、また明日。好きっすわ」

「また明日な、謙也。好きやで」

そう笑いながら言った。
その幸せそうな顔がなんだか嬉しくて、ついドキッとしてしまった。
二人から同時に言われると、まぁいいか、と思わざるを得ない。
俺は出かかった言葉を、喉の奥にしまい込んだ。
そうして、またずるずると二股状態は続いていくのだった。















――――――
2010.10.8
この3人絡ませると百合にしか見えないよ!
途中で書いてて、いっそ3人とも千歳に食べられたらいいとか思ったw

↓ちなみに3人とも千歳に食べられちゃうっていうかもはや乱交な続き。
triple


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