2010.8拍手:謙光





「あっちー」

「っすね」

今日も今日とて、暑い日が続いていた。
期末テストも終わって、久しぶりの部活。
今は部活も終わって光と帰っている。
光は、スーパーで貰ったであろう小さなうちわをパタパタさせている。

「謙也さん、ほんまに白石部長と帰らんくてよかったんすか?」

「ん? ああ、ええよ」

実は今日の部活帰りは白石と帰る予定だった。
しかし、光がどうしても一緒に帰ろうと言うので一緒に帰っている。
まぁ白石と帰っても、わけのわからない毒草の話を一方的にされて終わるだけだ。

「んで、なんで俺と帰りたかったん?寂しかったん?」

「ち、ちゃいますよ!」

そう言うと、光は視線を右斜め下に落とし、鞄をかけ直した。
俺だけが知っている、光が嘘をつくときのクセ。

「…光、嘘ついとるやろ」

「は、何を言うとるんですか。あんたアホちゃいます?」

「なんや、急にムキになって」

「ム、ムキになんかなっとらんっすわ!」

「ふーん…」

じっと光を見ると、光はまた鞄をかけ直した。
明らかにムキになっている。
バレバレなのに気づいていないところが可愛い。

「な、寂しかったんやろ?」

俺が改めて聞くと、光は顔を真っ赤にして、うつむいた。
そして、小さく頷いた。
可愛い。
どうしようもないくらい可愛い。

「素直に言うたらええのに」

「うるさいっすわ!」

頭を撫でてやると、あっさり手をはねられた。
でも顔が赤いのが治っていなくて恐くもなんともない。

「謙也さんのアホ。嫌いや」

光はそう言いながら、そっぽを向いて鞄をかけ直した。
久しぶりに会えたからだろうか、余計に可愛く見える。
光も、久しぶりに会えて嬉しいとか思ってくれているのだろうか。
そうだったらいいな。





――――――

拍手くらいはラブラブに書きたいです。
謙光は見てて恥ずかしくらい甘いのが理想ですv