(1/2) ※渡る世間はクズばかり@の続き 今日あったこと話すけどさ。 俺、いつもの路地裏に行って猫に餌やろうとしてたんだけど、途中で金なくて猫缶買えないことに気づいて家に戻ろうとしたんだよね。 そう、家にいるお前に金借りようと思ってさ。 そしたらさ、知らないおじさんに声かけられたんだ。 渡る世間はクズばかりA 「あれ?トド松くん」 「あ?」 誰だこのおっさん。 人違いかよ。うぜえ。 てか、いくら同じ顔ったって俺とトド松ってどうみても似てないし、雰囲気も服も違うだろ。 しかもトド松とよく遊んでる女とか同い年くらいの男ならまだしも、中年のおっさんに間違われるってどういうことだよ。 ああ、囲碁クラブとかジムのヤツか? なんにしてもあいつ交流広いからわかんね。 「人違いです、さよなら」 「ちょっと待ってよ」 引き返そうとしたら、おじさんは僕の前にきて道を塞いだ。 はあ、面倒くさいことになった。 早く家に帰って猫たちに会いたいのに、しつこいなコイツ。 帰ったらトド松に文句言ってやる。 「トド松くんじゃないの?どうみても同じ顔だよ」 「はあ…おじさん知らないの?俺達、六ツ子なんだよね」 「六ツ子?」 「そ。同じ顔が六人いるんだよね」 「そうだったのかあ。じゃあ君は、トド松くんとお付き合いしているお兄ちゃんなのかい?」 なんだコイツ、なんでトド松とおそ松兄さんのこと知ってんだよ。 トド松が話したってことか? それともカマかけてるのか? どっちにしても余計なことは言わない方がいいな。 「…付き合ってるってなに。確かにトド松は一番上の兄貴と…仲は良いけど…」 「あれ?そうなんだ。えっちしてるって言ってたけど、セフレなのかな」 おいおいトド松、何言っちゃってんだよ。 口軽すぎんだろ。 つーかそんなことまで話すとか、マジこのおっさんとどんな関係だよ。 「ねえねえ、君、今からどこへ行くの?」 「ど、どこだっていいでしょ…」 「でも今、来た道引き返したよね?」 そんなとこまで見てたのか。 くそ、暫く後つけられてたってことだよな。 もしかして、こいつトド松のストーカーか? マジこのおっさん怖えよ。 これ逃げないとヤバいやつじゃね? トド松もなんてやつと関わってんだよ。 「金…忘れたから、家に取りに行くんだよ…」 「そうなの?あ、じゃあさ、おじさんとえっちしない?」 「は!?」 「もちろん、お金はあげるよ」 「金…」 急に何を言い出したかと驚いたけど、金という単語にはどうしても敏感になってしまうのは、悲しいかなニートの性だ。 いや、いくら金ないからって援助交際するのはどうなんだよ。 男に体売るとか笑えなさすぎるわ。 でも家帰ってカラ松に金借りたって猫缶一個ギリギリ買えるくらいしか借りられないよな。 「気持ちよくなって、お金も手に入るなんて最高じゃない」 「いや…俺は…」 「トド松くんだって、お股開いてくれたんだよ」 →→→ |