※宮山をデバガメする黒崎視点



俺は宮村君が大好きだ。
かっこよくて仕事もできて人気者で、生徒会長じゃなくてもきっと惚れていただろう。
宮村君の為ならなんだってできるし、宮村君になら抱かれたっていい。いや、むしろ抱いてくれ。
それくらい俺は宮村くんが大好きで、そんな宮村君と一緒にいられる秘書の山田は邪魔者以外の何者でもなく嫌いだった。



愛しの会長は秘書がお好き



今日はたまたま生徒会の仕事が早く終わって、本屋に行こうと思ってた。
けど忘れ物をして生徒会室に戻ってみたら、ドアの外から宮村君と山田の声がしたんだ。
最初、二人も生徒会室に忘れ物かと思った。
宮村君と山田は仲が良い。バカのくせに宮村君を独り占めするなんて良い度胸だ。盗み聞きしてやろう。
と、物置部屋に隠れてしまったのがそもそもの間違いだった。
どんな会話するんだろうと思ってドアの小さな窓から覗くと、机に、山田が宮村君に追い詰められてた。

「宮村っ、おい、こんなとこでやめろよ…っ」

「こんなところだからいいんだろ?」

「誰か来たらどうすんだよ…ッ」

「鍵はかけたし、帰らせたんだからわざわざ誰も来ねえって」

すんません、めっちゃいます。
しかしなんだ、この雰囲気。物凄く怪しいぞ。
これから一体何が始まるんだ。
宮村君は抵抗する山田の顎を持ち上げた。

「あ、ぅ…」

「ほーらいい子だから口開けて」

「歯医者かお前は…っ、う、んん…っ」

え、宮村君、山田にキスって、能力の実験か?
いやでも、舌を絡ませてるのが時折見えるんだけど、実験で舌入れるか?
しかも宮村君は何回も山田にキスしてるし。
こんな何回もしたら能力とかってどうなるんだ?
能力にかけるのと解除を繰り返して訳分かんなくなりそうだ。

「はぁ…はぁ…」

「あーあ、とろっとろじゃん」

「うるせえ…」

「さてさて、」

あの山田がすっかり大人しくなっちまう程、宮村くんのキス上手いのかな。
う、うらやましい。
俺も宮村君とキスしたい。
しかも宮村君は同じ男だけど、こうムラッとくるような、いい匂いするんだよな。
フェロモン駄々漏れなんだよ。
それを間近で嗅げるとは、山田が憎い。しかし羨ましい。

「おい…マジでここですんのかよ…」

「この前、俺ん家でしたらレオナのやつ聞き耳たててたろ?お前の家は嫌だって言うんだし、我慢しろ」

「う…わかったよ…」

宮村君は山田を言いくるめると、ベルトに手をかけた。
おいおいマジかよ。実験ってレベルじゃねえぞ。
これって冗談抜きでマジでやらしいことでもおっ始める気か。
え、なに二人って付き合ってんのか?
いや、山田には白石先輩いるだろ。つか白石先輩はこのこと知ってんのか?
これもしかして浮気現場なんじゃ。

「…なんだよ、人の顔じっと見て」

「いや?山田マジかわいーなーと思って」

「な、なんだよいきなり…可愛いとか、嬉しくねえし…」

「いやあ、可愛いよ。今日は白石さんに俺といていいって許可もらえたから来てくれたんだろ?」

「ま…まあ…」

「ほら、ちゃんと俺んとこ来てくれるとこ、かわいいよ」

「…んだよ…」

まさかの白石先輩公認かよ!
そりゃ能力の実験でキスしまくってたらしいから目覚めてもおかしくないとは思うけど。
けど!いいのかよ!
先輩ら、ただれすぎだろ。
白石先輩もなんでこんな男がいいのかさっぱりわからん。

「そんなわけで今日は山田とイチャつきまくりたいんだ俺は」

「やらしいことしたいの間違いだろ…」

「そうともいう」

って悪い顔しながら笑う宮村君マジかっこいいんだけど。
あんな顔、初めて見た。
くそ、山田そこ代われ。

(ずりいぞ…っておいおい!)

宮村君は山田のちんこ取り出して手で軽く触り始めた。
そんな汚いもんよく触れるな。
うわあ、見ちゃいけないもん見てる気がする。
でも見たい。宮村君が山田にどうするのか気になる。
ほら、いつか宮村君に抱かれる日が来るかもしれないからな、予習だこれは。
と肯定しつつドア窓から二人の様子を見守ることにした。

「あ、みやむら…っ、」

「きもちい…?」

「ふあ、う…い、い…みやむら、も…」

「ん、」

宮村君も自分の取り出して山田のと一緒に扱き始めた。
男同士でこんなことして気持ち悪くねえのかよ。
そりゃ宮村君のなら俺はいつでもオッケーだけど。
あ、そうか。俺にとっての宮村君は、宮村君にとっての山田なのかな。
だからあんなこともできるんだ。
なんか、告白してもないのに失恋した気分だ。
宮村君はきっと山田のことが好きなんだ。

「あー…いれたい…」

「…ここ…、どこだか…わかってるよな…?」

「わかってるけどさあ…あー…山田、後ろ向いて?」

「は!?」

「素股ならいいだろ?山田のもちゃんとするから」

「…ったく…しょうがねえな…」

宮村君には逆らえないらしく、山田はしぶしぶ後ろを向いた。
机にうつ伏せになると、宮村君のが山田の股の間に差し込まれたのがみえた。

「み…ッ、みやむら…」

「はいはい、わかってるよ」

「ん…は、あッ、っんん…、」

腰を動かしながら、後ろから宮村君の手が山田のちんこを触り始めた。
うわ、えっろい。
マジでヤッてるみたいだ。
しかし山田のやつ、女みたいに喘ぎやがって恥ずかしくねえのかよ。
慣れてんのかちょっと色っぽいし、宮村くんも山田の声に反応して興奮してるみたいだ。

「…なー、やっぱ先っちょだけいれてい?」

「いやだ!絶対突っ込んでくるだろ」

「しないってーこんなとこでしないよー」

「おいその棒読みやめろ…って宮村!う、あ…ッ」

突っ込むってどこに何をだと思ったときには宮村君は問答無用で山田のケツにちんこ入れ始めてた。
後ろ向きにさせられてる時点で山田はもう抵抗できない。完全に主導権は宮村君にある。
力が入らなくなったらしい山田は机に身体を預けていた。
しかしあんなの入るとか山田、どんだけ宮村君とヤりまくってんだよ。

(くそ、いいなぁ……ん?)

ずっと観察していると、ふと宮村君の視線がおかしいことに気づいた。
さっきからずっとこっち見てるような。
あれ、もしかして、宮村君…!

(ッやば!今、宮村君と目合った?)

ビビッて一旦窓から離れるも、もう一回覗くとやっぱり宮村君はこっちをガン見してた。

(ヤバい!気付かれた!)

動揺して足震えてきた。
どっか隠れなきゃいけないのに、目が離せない。
困って動けずにいると、宮村君は呆れた顔でため息をつくと、口パクで何か言ってきた。
なんだ?え、ん、あ、い…

(へ、ん、た、い…?)

宮村君はさっきの悪い笑顔で、人差し指を口に当てた。
その瞬間、心臓破裂しそうなくらいバクバクいって顔が熱くなった。
なんだよそれ、他のみんなには内緒にしろよってことかよ。
それとも今いいとこだから大人しく見てろってことか。
どっちにしたって宮村君がかっこよすぎてもう釘付けだ。
宮村君は俺の反応を見ると、見せつけるみたいに山田の腰を掴んだ。

「ごめん、ちょっと加減できねえかも」

「…?…みやむ…あッうああっ!」

「はぁ、すご…っ、奥まで入っちまう」

「まッ、みや…っ、ふかいって…ッ!あ、あ、ぁああ!」

ぐいぐいと奥に入っていくのがみえて、あっという間に山田と宮村君が隙間なくピッタリくっついてしまった。

「おま…っ、おもいっきり、はいってんじゃねえか…っ!」

「いやーははは」

「あ、うあ、くっそ…!あ、あ!」

宮村君が腰を動かし始めると、山田は半泣きになりながらも気持ちよさそうに喘いだ。
足の力が入らないのか、山田の膝が折れ始めているところを見ると、相当感じているらしい。
慣れたらそんなに気持ちいいのかな。
い、いかん見入ってたら涎出てきた。

「あ、んあ、ぅあ、は、ああ、あ…」

「やっぱ生は気持ちいーなー」

「はぁ、あ、う、はあ、あ、あぁあ…」

「山田も、こっちのがいいだろ?」

「は、あ、う、…ん…ふあっ、あっあっ、」

返答する余裕もないほどいいらしい。
しかしあの山田が宮村君の良い様に犯られてるのが、物凄く違和感というか珍しいもん見たというか。
山田もあんないやらしい顔するんだな。
山田のくせに、ちょっと、いやかなりエロい。

「やば…っ、出そう…」

「んあ、あ、う、そと、だせよ…っ」

「外?この状況で外出したら床汚れるけど?」

「お、れだって…っ、でそう、だし…っ、けっきょく、…よごれるだろ…」

「山田のは俺が手で受け止めるって」

「そういう、もんだいじゃ、ッあ、やめ、みやむらぁ…ッ」

古い机が今にも壊れそうな程ガタガタと揺れ始めた。
いつもみんなで会議してる机で生徒会長と秘書がこんなことしていいのかよ。
宮村君も余裕なさそうに夢中になってるし。
もう俺がいること忘れてるんじゃないかってくらい宮村君は激しく山田を突いた。

「あ、う、で、でる…っ、みやむら…ッ、も、でそう…っ」

「ああ…俺も…」

「ふあッ、あっ、あっ、みやむらぁ…」

「ッ、やまだ…っ、すきだ…っ」

「あ…ッ、あっ、ふ、ぅあ、ふああ…ッ!!」

宮村君と山田は一緒に達して、山田のは宮村君が手で受け止めた。
宮村君は結局山田の中に出したらしく、二、三回動かして出し切ると引き抜いた。
息を整える僅かな時間が生々しい。

「うええ…中気持ち悪い…」

「俺の愛だぞ。そんなこと言うなよ」

「…何言ってんだよ…頭大丈夫か?」

山田こそ宮村君に抱かれといて何言ってんだ。
俺だけじゃなくて宮村君に抱かれたいヤツはいっぱいいるんだぞ。
ちょっと宮村君を満足させられるからって調子に乗るなよ。
いやそんな会話はいいから早く出ていってくれ。

「まあとりあえずトイレ行って掻き出すか。俺も手洗いたいし」

「だな…」

二人はドアの方に向かった。
やっとここから出られる。二人が出ていったらすぐに出て帰ろう。
ホッとして二人が出るのを待っていると、山田が出た後、宮村君はドアを閉める前にこっちを見た。

「どした?」

「いや?気のせいだった。ネズミが一匹入り込んでんのかと思ったけど」

「ネズミ?いるわけねえだろ。早く行こうぜ」

「ああ」

宮村君はもう一回見てきて俺に手を振って、ドアを閉めた。
完全に出ていったのを確認して、俺は物置部屋から出た。

「あー…マジかよ…ウソだろ…」

二人がさっきまでしてた机を見ながら、一人言が漏れた。
あんなもん見せ付けられて、明日どんな顔して会えばいいんだ。
山田のくせに宮村君とあんなエロいことしやがって。
俺の下半身がいつの間にか勃起してるのも、きっと山田があんなエロい顔しながら喘ぐからだ。
このままじゃ帰れないし、トイレは二人が使ってるし、山田のせいで本屋には行きそびれるし。
宮村君もだけど、山田のエロい顔が頭から離れん。
どうすればいいのか、混乱して頭痛くなってきた。
全部山田のせいだぞ。

「…やっぱり山田なんか大嫌いだ!」



――――――
2015.7.26
黒崎そこ代われと思いながら書きました。
秘書って響きがもうなんかえろいよね。
原作の何気ない一コマで宮村がさりげなくほもほもしいこと言うから妄想が止まらないよまったくもう!

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