問題の答え



そうしてやってきた来週の日曜日こと、今日。
家族が出払っているらしい及川さんの家に泊まりに来て、ゲームして、ご飯食べて、トランプして、夜になって、21時を回った頃。
大富豪に飽きた及川さんはベッドに寝転がって枕に八つ当たりしていた。

「もー!悔しー!」

「いや、でも大富豪は現実だと貧乏になるとか言いますし…」

「…じゃあ俺、金持ちになるってこと?」

「た、たぶん」

「なにそれ、それでフォローしたつもり?」

「う…」

及川さんは不機嫌そうに唇を尖らせながらも、床に座る俺の方に手を広げた。

「まあいいや、おいで」

少し躊躇いながらも、ベッドによじ上る。
いつもだったら、命令口調で強く言われてやっとベッドにいくのに、なぜか今日はすんなりとその腕に抱かれることができた。
髪がくすぐったいのに、あったかくて離れたくないのと、変な安心感と、男同士でなにしてるんだという恥ずかしさと、及川さんのにおいで頭が沸騰しそうだ。

「ふふ、かーわいー。やけに素直じゃん」

「からかわないで下さい…」

「からかってないよー可愛がってるの」

顎を捕まれて、及川さんの顔が近づいてくる。
不意打ちだ。こんなの避けられないしブロックもできやしない。
なすがまま、唇同士が触れた。

「ん…ッ」

「ほら、口開けて」

「…ッ、ん…、んぅ…」

少し開けただけなのに、僅かな隙から舌が無理矢理入ってきた。
及川さんとこれをするのは苦手だ。
妙に慣れているように感じる及川さんの舌が好き勝手に口の中を動き回って、どうすればいいのかわからない。
いつも口を開けるだけで精一杯で、気づいたら終わってしまって、力が抜けてしまう。

「…は、ぁ…」

「…もー、トビオちゃんってばマグロすぎー」

「すいません…」

「いーよー。今日はトビオちゃんにいっぱいしてもらうから」

一体、何をさせる気なのだろう。
よからぬことを考えているのはすぐに察することができたけれど、今は考えている暇はない。

「ひとりえっちしてない?」

「はい…」

「ここも使ってない?」

「ッ!あ、は、い…」

ジャージの上から入り口付近を撫でられた。
及川さんにしてもらわないと、こんなところを弄るなんてひとりで出来る訳ない。
だから、少し触られただけで意識がそこにいってしまって、もう触ってほしくてたまらなくなる。

「ん、いい子」

「え…あっ!ふぁ…ッ」

及川さんの温かい手がジャージの中に入ってきた。
すぐさま割れ目を辿って、指がそこに入ってきた。
解すように、ぐりぐりと少しずつ指が埋め込まれてくる感覚に背中がゾクゾク震えてしまう。
初めてのときは異物が入ってくるのが気持ち悪くて変な感じしかしなかったのに、今ではいいところにあたるように腰が勝手に揺れるようになってしまった。
はやく、気持ちよくなりたい。

「ほんとだーキツキツだねー」

「あッ!あ、ぁ、あ…ッ」

「なに?イイとこ探してんの?」

「ん…ッぅ!」

「ふふ、どこだっけなぁー?久々だから忘れちゃったなー」

「ふあッ!や、あ、おい、かわさ…っああ…っ」

忘れたなんて絶対に嘘だ。
、痒いところに僅かに手が届かないような微妙な快感がもどかしくて仕方がない。
もっと奥の方なのに、そんなところじゃなくて、もっと。

「おいかわさん…っ、そこ、もっと、おく…ッ、おくの、ほう、です…おくに、ください…」

気づいた時には口に出してしまっていた。
無理矢理、言うように促された時以外でこんな風に言ったことなかったのに、もう我慢できなかった。
及川さんも、まさかこんな風に言われると思っていなかったのか、目を丸くしていた。

「…どこでそんな可愛いおねだり覚えたの」

「へ…?、あ…ッ!?や、まっ、て、おいかわさん…っ」

「ほら、ここがいいんでしょ?」

「ぅ、あ、あぁ…う、は、あっ、あ…ッ!」

やっと欲しかったところに届いて、電流が走ったように身体が反応を返す。
久しぶりに前立腺を弄られたことで、今にもはち切れそうに膨らんだところから先走りが溢れだしたようで、ジャージに染みをつくってしまった。
いつもより多い、というよりもう出てしまいそうだ。

「あ、ああっ、あ、あッ、あぁ…」

「めっちゃ声出てんじゃん。気持ちよさそーだねー」

「ん、あッ、んん…ッ、あぅ…、あ、あ…ッあ」

下のジャージは脱がされ、組み敷かれたところで、中を弄る指が増やされた。
きつかったのが苦しくなくなっていき、次第に解されていくのがわかる。

「んじゃ、もういいかな?」

十分解れた穴から指が抜かれ、ローションを絡ませた及川さんのモノがあてられる。
今日はゴムはないのかと不安になりつつも、及川さんを全部感じられることが少しだけ嬉しい。
先だけ入ったところで、もう腰は及川さんのモノを迎えに行くように下へと動いてしまう。

「ん…、あ…ッ!」

「もー、えっちなんだからー」

「ふ、あっ、あ、あ…っ」

「ん…きっついね…全部一気にいくよ?」

「…ッんん!あ…ああああッ!ふあッ、ああ…ッ!あ、あああッ!」

グッと強く押し込まれて、及川さんのが一番奥にきた。
痛いけど久しぶりに繋がったソコは、及川さんの形を思い出したかのように吸い付いていくのがわかる。
中に入ってきた及川さんのは、内側から溶かされてしまうのではないかと思うほど熱かった。
一息ついて落ち着いたところで、及川さんは腰を揺らし始めた。

「あああ…ッ!や、あっぁ…おいかわ、さん…っ」

「んー?ああ、ここね」

またさっきの気持ちいいところを擦ってほしくて、名前を呼ぶ。
今度は焦らされずに奥の方を擦り付けられた。
たまらずに声が大きくなってしまって抑えようとしたけれど、執拗に前立腺を攻められては抑えることができず、ただ喘ぐしかない。

「あッあ!うあ、ああっ、」

「ふふ、きもちいー?」

「あ、あ、は、い…っきもち、い、あ、きもちい…ッ」

「んじゃ、そろそろかな」

せっかく気持ちよくなっていたのに、突然腕を捕まれたかと思えば、及川さんは後ろに倒れこみ、その反動で今度はこっちが上になってしまった。
重力に従って更に奥まで入ってきて、思わず背中が仰け反る。

「な、あっ、おいかわさん…ッ」

「ほら、動いてよ」

「…え…っ」

「今日はトビオちゃんにいっぱいしてもらうって言ったでしょ?」

これのことか、と心臓が脈打つ。
動くといっても何をしたらいいのか理解できない。
自分が及川さんをよくしてあげたことなんか当然したことがない訳で、いきなりこれは難易度が高すぎる。

「わかん、ないです…」

「えー?こんな風にさぁ」

「あぁ!や、あッ、」

見本とばかりに下から突き上げられ、前後に揺すられた。
これをしろということなのだろう。

「ほら早くー」

「う…、ん…、」

急かされて恐る恐る前後にスライドするように動いてみたが、これであっているのだろうか。
こんなので、及川さんは気持ちいいのだろうか。
反応がいまいち良くないようにみえる。

「んあ、あ、あ…、」

「そうそう。気持ちいいとこにあたるようにしていいから」

「ふ、ん…、んん、」

違う、気持ちいいところがわからない。
自分じゃうまくできない。
やっぱり及川さんにしてもらわないと気持ちよくなれないし、及川さんだってよくないに決まってる。
それにこんなの、ひとりでしているのを見られているみたいで、恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
なんだってこんなことしなくちゃいけないのか。
とうとう目頭から涙が溢れてしまった。

「おい、かわさ…っ、も、むり…」

「泣かないのー。」

「だっ、て、わかん、な…」

「…あーもー、焦れったいなあ」

「んぁあッ!?や、あ、あん、やあ、あッあッああッ!」

痺れを切らしたのか、結局さっきされたみたいに下から突かれ、及川さんの上にいるのに何もできなくなってしまった。
ちゃんと奥まで突かれて、自分がするよりよっぽど気持ちよくて、あっという間に限界まで上り詰めていく。

「おい、かわ、さ、ん…っ」

「なあに?」

「で、そう、です…っ」

「ん、じゃあ俺も中に出しちゃうね」

「えっ!?あッ!や、あッ!なか、は、あ…っ」

「えー、中だめ?」

「だ、だめです…っ」

「なんで?後でお風呂でキレイにしてあげるよ?」

「う、でも、あ、あ…ッ」

「嫌がる理由なくなったなら、いいよね?」

「あ、あ、ッ、や、ああ!」

文句を言えないほど突き上げられ、もう何もなす術がない。
なんて自分勝手なのだろう。
傘の時もそうだったけど、自分中心すぎる。
せっかく久しぶりに会えたのに、もっとゆっくりしたかったのに、この扱いはあんまりだ。
そう思うのに、憎たらしいのに、なのに。

「ん…っ、出すよ…」

「ひ、ぁ、ああ…あッ!や、や、なか、でて…ッあ、あぁあああ…ッ!」

中に及川さんのが出された反動で、一緒にイッた。
量が多くて奥の奥まで注ぎ込まれた熱さで、蕩けてしまいそうだ。
引き抜こうと身体を浮かせたら、中から及川さんの精液が逆流して、コポコポと音をたてながら溢れ始めた。

「あーあ…すごいことになってるよ…」

「お…おふろ…」

「ん、だめ。まだおあずけ」

「えっ!あ!?や、な、あッ!あぁあッ!」

終わったと思ったのに、抜かずに再び押し倒されて、押し込められた。
し慣れないことしたせいでいつもより疲労してもう眠ってしまいそうなほど身体は限界だというのに、まだするつもりなのか。

「なんで…ッ」

「この間さ、ホントは及川さんと、こういうことしたくてたまらなかったんでしょ?」

ああ、あの時機嫌が悪かった答えは、これだったのだろうか。
単にしばらく及川さんに会えてなかったからだと思ってた。
こんなの認めたくない。
認めてしまったら欲求不満だったことになってしまう。

「ッちが、なに言って…」

「はいはい、反論は後で聞くよ。とりあえずハーフタイムなしだから」

「〜〜〜ッ!」

反論させる気なんてないくせに、よく言う。
だけどこの人に敵うはずがないとわかっている。それが悔しい。
これじゃ、自分ばっかり及川さんのこと…くそ、今にみてろ。
いつか絶対仕返ししてやる!










―――――
2015.3.22
一応これの続き。
ああもう及影かわいい。
しかし仕返しできる日はくるのでしょうか?^^

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