2011.10拍手:千謙 千歳の家に遊びにきた俺は、今日も今日とて腕に抱かれてベッドでごろごろしていた。 こうされるのは別に嫌いやないけど、ただ、いつも千歳は腕ん中から離してくれん。 まるでぬいぐるみを抱くように、ぎゅうぎゅう抱きしめられる。 そんで、いつの間にか寝てまうのはよくあること。 居心地は悪くないけど、でもずっとこうされとるのはさすがに息苦しい。 「謙也はお日様みたいなにおいするとね」 「ワックスのにおいやろ」 「そげんこつなかと。これは晴れた日に干したお布団のにおいばい」 「ふとん…」 布団のにおいって初めて言われたけどあんま嬉しくないわ。 いや、財前に青汁臭いって言われたときよりはマシな気もするけど。 ちゅーか、お日様のにおいはどっちやねん。 どーせ俺が来るまで猫と戯れとったんやろ、こいつのがそんなにおいする。 「お前のが布団くさいわ。さっきまで外におったんやろ?猫と一緒に」 「え、おらんとよ?今日は謙也がくるまで部屋片付けとったばい」 「は?でもお日様のにおい?がするんやけど」 「ああ、謙也のにおいがうつってしまったとね?」 謙也とおそろいばい。ってニコッと嬉しそうに笑う千歳。 そんなまさかと思いながら、俺はくすぐったいような気持ちになって顔を伏せた。 「ん?なに照れとると?」 「…うるさいわ」 「いっつもこげん近くにおったらにおいもうつるとねー」 それやったら千歳のにおいはなんで俺にうつらんのって考えて止めた。 もしかしたら、今このにおいは俺と千歳のが混じったのかもしれへんやんか。 恥ずかしくてもう息を止めてやろうかと思ったけど、そんなことしたら死んでまうから、仕方なくそのままお日様のにおいとやらのする腕の中にいることにした。 ―――――― お日様のにおいな千謙って可愛い!!と思って突発的に書きました。 謙也はきっと千歳限定でツンデレだと思うの。 |