*バッドエンドバージョンの最終話になりますので、ハッピーエンド志向の方は読まないことをおすすめします
*複数プレイ+無理やりなので苦手な方は注意して下さい





act-6(Bad End)





謙也に捨てられてから十日たった。
自分の精液を飲んで誤魔化してはいるものの、もう謙也のが飲みたくて仕方ない。
とにかく喉が渇いて、身体が火照ったように熱い。足取りは重く、頭が回らない、そんな日々が続いていた。
正直、限界なのかもしれない。
けれど謙也に捨てられてしまった俺はどうすることもできない。
自分の精液を飲み続けるか、それとも。

「千歳、何の用や」

部活後、部室に残るよう千歳に言われ、俺たちは人が出払うのを待っていた。
ようやく誰もいなくなった頃、俺は千歳に問いかける。

「何の用って、謙也に捨てられた可哀想な白石を慰めてあげようとしちょるのにそげん言い方なか」

謙也に捨てられた。
他人にそう言われると、まだ現実を受け止められない自分に気づかされて、胸が痛む。

「…そんなん頼んどらへんわ。はよ帰れ…ちょ…!」

俺がそう言った直後、いきなりロッカーに叩きつけられた。
背中をぶつけたショックで、ずるずると床に落ちていく。

「った!何すんねん…!」

「何って、セックスに決まっとるばい」

「セックスって…俺は慰めろなんて言うてへんやろ」

意味がわからない。
そんなの、当然頼んだ覚えはなかった。
睨めば、すでに雄の目つきをしている千歳と目が合う。
ただでさえ身長の大きい千歳に見下ろされて、座り込んだ俺は恐怖感に肩が震えてしまった。

「うん、ばってん白石のことは好きにしてよかって謙也が言うとったし、」

瞬時に千歳は俺の包帯をシュルシュルとほどいて後ろで縛った。
抵抗しようと思っても、千歳の言葉が突き刺さって動けなかった。
俺のことは好きにしていい、そう謙也が言った。
千歳にそう言ったということは、本格的に俺は謙也にとって用なしということなのか。
当たり前といえば当たり前なのかもしれない。
要するに、不可抗力とはいえ他の相手に抱かれたのだから、浮気相手に処理してもらえと、きっとそういうことだ。

「それに、白石もそろそろ欲しいんじゃなかと?」

「や…っ」

首筋を撫でられ、反射的に千歳の手から逃げる。
それでも壁に追い詰められていては、しつこく追ってくる手からは逃げ切れず、簡単に触られてしまう。

「いやや…!やめろや!」

「そげんこつ言って、嫌がっとるようには見えんばい」

「いや、けんや…たすけて…っ」

自然と謙也に助けを求める声が出る。
捨てられても、俺に触れていいのは謙也だけだ。
謙也、謙也。

「はは、謙也は助けに来なか。謙也、今日は一番に帰ったとね」

「……っ」

そうだ、部活が終わってすぐに謙也は帰ってしまったのだ。
俺のことなどどうでもよくなってしまったのか。
それでも、まだ可能性がないわけではない。
忘れ物をして取りにくるかもしれない。

「けんや…っ、けんやぁ…」

「ほらはよ咥えなっせ」

「けんやのしか…いやや…っ」

謙也、助けて。
一生謙也の言うことをきくと誓うから、お願いだから助けにきて。
そう思った瞬間、ドアが開いた。
もしかして、謙也かもしれない。
千歳がドアの方を振り向いたのと同時に、俺も視線をドアに向ける。
しかし、

「何やっとるんすか」

そこに現れたのは、財前だった。
ああ、残された僅かな希望も今絶たれてしまった。
ひどい落胆に打ちのめされて、魂が抜けたようにガックリと肩を落とした。

「あれ、どげんしたと?」

「忘れ物したんで…っちゅーか千歳先輩がこないなことしとる予感がしたんで」

「はは、大当たりばい」

頭上で交される二人の会話を聞きながら、俺はもう何も考えられなくなっていた。
謙也はもう来てくれないのだ。
二度と、俺を抱きにきてはくれない。
謙也、謙也、最後に一回でいいから謙也と繋がりたかった。

「俺も混ざってええですよね?」

「よかよ。白石の頭もってくれんね?」

「はーい」

財前は返事をしてすぐに俺の前髪をきつく掴んで思いっきり上を向かせた。
ぶちぶちと髪が抜ける音がする。

「いた、ぁ…っ」

「部長、今から俺らの性欲処理してくださいよ」

「や、あ…」

「いやとか言う割りにはここ膨らんでますけど?」

ここ、というのは恐らく股間のことだろう。
無理やり痛いことをされているのに、どうして身体は興奮しているのだろう。
しかも身体が熱くなって、喉が渇いてきた。
飲みたい、今すぐ精液を取り込みたい。
ああ、よりによってこんなときに発作が。

「ちゃっかり興奮してはるんですねー」

「ちが…っ」

「淫乱すぎて笑えるわー」

蔑むような視線で見られ、恥ずかしさと恐怖に思わず目を瞑る。
しかし、目を瞑ると脳内に精液の味がフラッシュバックしてくる。
消し去ろうとしても、飲みたい欲求ばかりが積もっていく。
もうだめなのかもしれない。
身体が、本能的に精液を欲している。
これはもう、人間が水分を欲しがるのと同じことなのだ。
俺にとって、これは本能。

「お、いい子ちゃんばい」

気づけば俺は、自然と口を半開きにして千歳のを求めていた。
千歳は面白そうに俺の口の近くに性器をもってきた。
欲しい、舐めたい、飲みたい。
前犯されたときのように盛られたわけではないのに、目の前の性器がほしくて仕方ない。

「これが欲しか?」

ニヤニヤ笑いながら千歳が性器を鼻にあててきた。
先端からわずかに精液の臭いがして舐めたい衝動にかられる。
いや、だめだ。
これを受け入れたらそれで終わりだ。
そこまで堕ちたくない。
微かに残った理性で、欲求を振り払うように息を止めて唇を噛み締めた。

「いや、や…」

「部長、強情っすねー。ほんまは欲しくてしゃあないくせに」

「ッちゃう……ッ」

本能と理性が葛藤し続ける。
だめだ、だめだ、だめだ。
ひたすらそう思っても、噛み締めていたはずの唇が次第に緩んで、口が開いてしまう。

「千歳先輩、これじゃ埒あかんですわ。もうさっさとやっちゃいましょか」

「んー、しょんなかねぇ…」

「なっ、なにす…ッん、ぐ…!」

財前に鼻を摘ままれ、無理やり口を開けさせられたところに、千歳の性器が一気に入ってきた。
苦しくて息ができない。

「ん、ぅぅ…」

「ちゃんと全部咥えんといかんばい」

「んぐ、ぅう!」

「うわ、千歳先輩鬼畜っすね…」

「財前にいわれたくなかと」

喉の奥まで入ってきて、顎が外れてしまいそうだ。
それでも口に入ってしまえばもう理性など保っていられず、本能に従って精液を求めるしかない。
精液が欲しい、飲みたい。もう、だめだ。
勝手に性器の形をなぞるように這う舌が、本心からそう思ってしまっている何よりの証拠だ。

「はぁ、はふ、ん…ふぁ…」

「ほなごつ美味しそうに咥えるばい」

「部長は淫乱やからしゃあないっすよ」

淫乱と言われて下半身が疼く。
両方の口に性器を入れられる感覚が欲しくて、アナルが挿入感を求めてひくひくする。
二つも欲しいなんて本当にどうかしている。

「はぁ、あ、あ…」

内股をすりよせて勃ち始めた自分の性器を擦ったが、両手が使えないせいでもどかしい快感しか得られない。
硬さは増していくのに、出すことも擦ることもできないなんて。

「部長、突っ込んでほしいんすか?」

「う、う…」

「欲しかったらちゃあんとお願いせんといかんばい」

「……く、ください…」

「それじゃだめばい、ね?」

「そうっすね…誰のがどこに欲しいのか、ちゃんとやらしく言わなあかんですわ」

恥ずかしいなどと思っている場合ではない。
とにかく身体が熱くて鼓動は早くなっていくばかりだ。
はやく、中をぐちゃぐちゃに犯してほしい。
千歳の太い肉棒で、壊れるくらい突いてほしい。

「お、俺の…やらしい、淫乱アナルに…千歳のおっきい…おちんちん…ぶち込んで、ください…」

もう完全に理性など残っていない。
もはや精液を求めるだけの動物だ。
そう言った俺をみた二人は、お互い目を合わせて悪い笑みを浮かべた。

「しょんなかねぇ…」

千歳はくつくつ笑いながら俺を四つん這いにさせ、腕を掴むと、まだ慣らしていないアナルを押し広げて一気に貫いた。

「あっ!あああああんッ!」

謙也のそれより大きくて長くて太い。
奥まで届いて、きっと、たくさんの精液が出るだろう。
はやく欲しい。
溢れるくらい大量に中に精液を注がれたい。
その一心で腰を動かす。

「ああんッ!おくっひゃめ…ッ!おっきいよぉ…っ、あぁあ…すごい、きもちぃ…っ!」

「相変わらず白石は最高ばい」

「あんっあんっ!あぁ…きもちいぃ…っ、なか、すご、い…せーし、ほしがってるぅ…」

大きいのに犯されて、俺の尻も悦んでいるみたいに締めあげる。
壊れてしまうんじゃないかというくらい中を広げられ、さらに激しいピストンも加わって、気持ちよすぎて意識が飛びそうだ。

「白石、ちんこ貰えて嬉しか?」

「う、ん!うれ、しぃ…っ、おっきいおちんちんしゅき…っあ、ぁあん!」

「それはよかったばい」

「もっとぉ…あ、あん、たりひんよぉ…」

中がヒクヒク勝手に痙攣しているのがわかる。
先端ごと吸いとるように、内壁をすぼめると、千歳の性器も一層硬さを増した。

「部長、俺のも食べてくださいよ」

「ん…っ、ざいぜんの、ちんちんも食べたい…っ」

財前はズボンを下ろして性器を取り出した。
おいしそうな肉棒を目の前にしては、もう我慢などできない。
すぐさま、飛びつくように首を伸ばして財前の性器に舌を這わす。

「はむ、ふぅ、あ、んん…」

部活後の汗が滲んだ蒸れた臭いと味が、俺の脳を興奮させる。
お預けを食らっていたせいで、一刻も早く精液が欲しくて無我夢中に舐めた。

「部長、おいしい…?」

「んく…っ、ん」

こくこく頷けば、まるでペットを撫でるような手つきで財前に頭を撫でられた。
嬉しくてじゅるじゅるやらしく音をたてながら吸い付けば、さっそく我慢汁が出てきて、それを舐めとっていく。
おいしい。
思わず笑みが溢れてしまうなんて、自分はなんて淫乱なのだろう。

「ほら、こっちもちゃんと締めなっせ」

「あああ!!しゅご、ひぃ…ッ!ああ、あ…こわれちゃうぅ…」

舐めるのに夢中になっていると、千歳が激しく動かしてきた。
財前も先ほどより奥に突っ込んできて、咽そうになる。
凄い、後ろも前も一緒に犯されるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
謙也とだけならこんなに気持ちいいこと、一生知らないままだった。
よかった、二人のおかげでどちらの口も満たされていく。

「ひ、ふあんッ!うぐぅ…!」

「ちゃんと咥えてくださいよ」

「う、ううぅ…っふ、う…ッ」

「財前、もう出してよかね?」

「ん、俺もイキます」

「んんんん!!う、あ、んん――!!!!」

上からも下からも精液が体内に注ぎ込まれて、俺も床にびちゃびちゃと射精した。
久しぶりにその感覚を味わえたのが嬉しくて、絶頂の余韻に浸る間もなく最後の一滴まで搾り取るため締め付け、財前の性器を吸った。

「あは、あぁあ…すご、いっ、どくどく…でとるっ」

「部長、まだ射精してますよ」

「ふぇ…?」

財前に言われて股間に目をやれば、俺の性器は精液をだらだら流し続けていた。

「あ、あ…ちんちん…こわれてしもた…」

「どろどろやないですか…自分の飲まんくてええんですか?」

「ん…飲む…」

床にぶちまけた自分の精液をためらいなく舐めとる。
三人分の精液を体内に取り込んでしまえば、本当に欲しいただ一人の精液など些細なものにしか感じられない。

「もっと、して…せーしちょうだい…」

まだ、足りない。
もっとたくさんの精液が欲しい。
ぐちゃぐちゃになるまで、もっと犯してほしい。
お腹いっぱいになるくらい飲みたい。
もっと、お願いだから、頂戴。
俺は自ら財前に跨って挿入した。





それから数日後。

「ざいぜんっ、あ、ああんッ!」

「財前、もう出したったらよかと」

「まだ嫌っすわ」

「あんっ、ほしいよぉ…せーし、なかにっあ、千歳のも…っ、しゃぶらせてぇ…」

毎日二人に犯されて、中出しされて、飲んで、今まで両方の口でどれくらい飲んだだろう。
けれど俺はたくさん飲むことができればそれでいいのだ。
二人のおかげで、毎日たくさんの精液を飲ませてもらえる。
それが俺にとっての幸せだから。

「あああんっ!おいひいよぉ…っ」

前よりもたくさん飲ませてもらって、俺は今、とても幸せな日々を送っている。





*end*















――――――
2011.2.11
というわけで、もう一つの最終話です。
謙也が助けにこなくて光が来ちゃった場合って感じで、冒頭はリンクしてます。
リクエストくださった方々、こちらも読んでくださった方々、ありがとうございました!


表紙