無限的行為





『謙也さんの早漏』

謙也さんとセックスすると、俺はいつも決まってそう言う。
俺がイッてへんのに先に出されることがほとんどやし、満足してへんとまでは言わんけどもうちょっと頑張ってほしいとは思う。

「なんすか、それ?」

「早漏防止リング」

今日はこれ使て光をいっぱい気持ちよおさせたる、って言いながら謙也さんはそれを俺にみせた。
いつもみたいに謙也さんの家にきて、上着脱がされて押し倒されたと思ったら、今日はこんな小道具を持ち出した。
これをちんこの根元に装着したら、射精しにくくなるんやって。
ほんまやろか、むっちゃ痛そうやけど。

「俺に早漏て言われたの、よっぽど悔しかったんすね」

「そりゃ、男としてなぁ…」

「謙也さんにもプライドっちゅーもんがあるんですね」

「ひどっ!」

そんな小道具使うてまで早漏直したいなんて、必死すぎてちょっと笑える。
ちゅーか自分のこと早漏て認めとるようなもんや。
なんやこの人面白すぎや。

「まぁまぁ、物は試しや。さっそく実戦するで」

なんてはりきっとる謙也さんはほんま最高で笑いをこらえるのが精一杯。
どうせそんなん使たって変わらへんって。





「あか、ん、けんやさ、あ、もう、出えへん、からぁ!ああああッ!」

「うわ、また出た」

また身体が震えて、たぶん六回目くらいの射精をした。
射精っちゅーても、もう我慢汁みたいにしか出えへんくなっとるけど。

「あーあ、6回目ぐらいとちゃう?」

「あぅ、あ…っ、はぁ、ぁ…」

「俺のこと早漏てバカにしよったくせに、自分のが早漏やん」

「うっさい…っ」

俺はさっきから何回もイッとるけど、謙也さんは今のところ一回もイッてへん。
いつもなら三分も我慢でけへんのに、早漏防止リングをつけて調子のった謙也さんはいつもの仕返しとばかりに容赦なく突いてくる。
そのせいでさっきから謙也さんのを咥えこんどる尻はいい加減痛なってきとる。
しかも、最初の方に自分の腹に出した精液はもう乾いてカピカピやし。
もう疲れすぎて限界やった。

「も、抜いてください…っ」

「えー、俺まだイッてへんし」

「や、も、いやや!」

「いややて…せやけど嫌がっとる割にここは俺の離さへんけど?」

「いや、あっ、あっん!ふあ、あ!」

嫌やて言うとっても身体は正直や。
前立腺をぐりぐり攻められたら、反射的にきゅうきゅう締めてまう。
イッたばっかの身体は余計に敏感になっとるし、ちょっと動かされただけでもヤバい。

「なぁ光、後ろ向こか」

「な、んで…?」

「ええから」

入ったままの状態で、身体を反転させられる。
それから腰を持ち上げられて、四つん這いにさせられて気づく。
バックでするつもりや。

「バック…するんすか…?」

「んー…」

「いやや!もう無理です…っあ!や、ああっあ―ッッ!」

いややて言うたのに、謙也さんは無理やり奥まで突っ込んできた。
やらしい音をたてながら、ずっと勃起しっぱなしの謙也さんのちんこが俺の中に埋め込まれてく。
苦しい、痛い。
謙也さんのちんこ、さっきより固くなっとる気がする。

「あっ、はあ、あ…」

「全部入ったで」

「は、ぁ…やっ!あっ、」

「すご…イけへん…」

ああもう、射精せえへんて感動しとる場合とちゃうやろ。
バックなんか、いつもやったら一分もたへんくせに調子のって。
こっちはすごい圧迫感に腹がキリキリしとってしんどいのに。

「う、動くで」

「あ、ひ、ぅ…んぁ…っ、あ」

「はぁ、むっちゃええ…」

何回も一番奥を抉るみたいに動いてくる。
最初は痛みしかなかったのに、不思議なことにじわじわ気持ちよくなってきて、萎えかけとった俺のちんこはまた固くなってった。

「も、あか…ふあ、ああ…あああ…」

「前もちゃんとしたるな…」

「ひあああ!あっ、ぁう、ああ!」

あっちもこっちも触られて、どこに意識をもってったらええんかわからへん。
よだれもむっちゃ垂れとるけど、もう頭ん中も身体もぐちゃぐちゃでそないなことに構っとる余裕がない。

「光、興奮しとるん?」

「んあっ、あ、ひ、ぅ…、ふああ…っ!」

「ここ、こんなやで」

「ッあ!や、いや、ああっ!!」

俺の出した精液をローションみたいに先っぽに塗りたくってぐりぐりされる。
こんなん、卑怯や。
そんなことされながら前立腺を擦られたら、もう気持ちええばっかになるやんか。
またイきそう。
中はひくひくするし、ちんこは勃起しとるし、快感の波が何回も押し寄せとる。

「っひ、ぅ、あ…ッ、あっ」

「光、またイクん?ちんこぷるぷるしとるで」

「は、あ…っ、んあぁあ…っ」

爪を尿道に突き刺されて、急な刺激に身体がびくびくした。
またイッたかも。
もはやイッたかどうかもよおわからへん。
イッたとしてもきっとほぼ空イキやな、出る精液なんて残ってへんし。

「7回目?」

「…うっさい」

謙也さんはくすくす笑いながらちんこを引き抜いた。
なんやろ、ずっと謙也さんのが入っとったせいか俺の中を埋め尽くしとったもんがなくなって変な違和感を感じる。
この数時間で、俺の尻の穴は謙也さん専用に開発されてしもたみたいや。
ああ、ついに俺の尻の穴が壊れてしもたんやろか、なんかひくひくしとる気がする。
身体もなんか知らんけどびくびくしとっていうこときかへん。

「光、こっち向いて」

「なんですか…?」

「もう俺もイクから」

やっと終わりや、そう安心できたのも束の間、疲労とイッた余韻でくたくたな俺の身体を仰向けにしてきた。
まだやれるとか、どんだけや。
俺のはもうさすがに萎えてきたけど、謙也さんのちんこは勃起しっぱなしでビンビン。
ほんま体力余りすぎやろ。
普段もっと走りまくっとけっちゅーの。

「もう無理っすわ…疲れた…」

「ラストやから付き合うて」

「……ほんまにラストですか?」

「おん、ラストやから」

「しゃーないっすね…」

別に謙也さんのためやない、尻に何も入っとらんっちゅー違和感から開放されたいだけや。
謙也さんはリングを取って、俺の尻の穴に栓するみたいにちんこをずるずると挿入した。
尻に違和感がなくなったて思う自分は、ほんまにおかしい。
固くて太いのに尻を犯され続けて、おかしくなってしもたんやろか。

「っあ、ひか…っ、ヤバい…」

「あぅ…っああ、あか、ふああ!け、やさ…っはげし…あッひ!うあ!」

「っ、中に出すで…っ」

「ひうぅッ、あっ、ああ…!ぁああああ…」

まだ入れてちょっとしかたっとらへんのに、謙也さんは息荒くしながらラストスパートかけるみたいにむっちゃ激しくしてきた。
瞬間、腹の中に何かどろっとした感触がして、中に出されたんやてわかった。
リングで我慢しとったせいでいつもよりいっぱい出とるんか、穴から精液が溢れとる。
なんや、結局早漏やんか。
入れてすぐとか早すぎやろ。
そう言うたろて思ったけど、俺もまたイッたっぽくて言われへん。





「謙也さんの早漏」

「なっ、なんやて!」

「それなかったらいつもと変わらへんやないですか」

「そ、そうやけど…っ」

後処理も終わって、俺は毛布にくるまって寝ながら吐き捨てた。
謙也さんもさすがに疲れたんか、ベッドで横になっとる。

「…な、なぁ、今日どうやった?」

ポツリ、謙也さんは聞いてきた。
どうやったって、そんなこといちいち聞くなや、恥ずかしい。

「…まぁまぁっすわ」

「何回もイッといてよお言うわ…」

「うるさい、早漏」

俺の言葉にまたヘコみ出した謙也さんは、しょんぼりと一人反省会を開いとる。
俺を気持ちよくさせたいっちゅー努力は認めたるけど、今日のはなんぼなんでもやりすぎや。
尻は痛いし、喉はカラカラやし、疲れすぎてもう眠い。

「俺、もっと頑張って光のこと気持ちよおさせたるな」

「はいはい」

けどまあ、今日は満足やったから許したるか。















――――――
2011.1.21
小道具ネタが舞い降りたので書きました^^
もうちょっと光をいじめたかった…。
それにしても謙也さん絶倫すぎる(笑)

ちなみに今度は尿道バイブ買ってきちゃった続き
無限的行為2


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