2011.1拍手:謙光






『けんやさんっ!あっ、や、あっ』

『光、むっちゃかわええ…』

『ふあ、あ、あかんです…っ、そこは…あああっ!』

『ここがええんやろ?』

『あっ、ああ!きもちええ、です…っもう、イク…っあ、あ、イク…!あっ、』

ジリリリリリリ!!!!

「あ…?」

あれ、謙也さんに押し倒されてえっちなことされとったのに、これはどういうこっちゃ。
謙也さんはおらへんし、部屋は明るいし。

「ああ、夢か…」

あんまりリアルな夢やったから、夢やって気づくのに時間かかってしもた。
目覚まし時計がずっとやかましく鳴っとるせいで、これが現実やってようやっとわかったわ。

「ちゅーか、初夢やんな…」

そういえばそうやった。
正月から何日かたっとるけど、年明けてから初めて夢見た気がする。
初夢とは言わんけど、今年初めての夢が淫夢とか、最悪や。
それ以前に、淫夢見ること自体ありえんのやけど。

ピリリリリ!

今度はケータイが鳴った。
謙也さんや。

「はい」

『あ、もしもし光!?』

「なんすか?」

『すごい夢みたから報告!初夢や!』

「すごい夢?」

朝っぱらから元気な人やな。
それもう初夢ちゃうって言ってやろうとしたけど、ツッコミするほどの元気はなかったからスルーや。
ちゅーか、謙也さんもまだ夢見てへんかったんや。
同じ日に今年初の夢見るとか偶然やな。

『せや!聞いたらびっくりするで!』

「へー…」

『なっ、興味なさそうやな』

「やってほんまに興味ないんで」

『ひどっ!せやけどほんまにすごい夢やったんやで』

「はいはい…どんな夢やったんすか?」

『あんな、光とえっちしとる夢やった!』

ブツッ!ツーツー…

びっくりして思わず電話切ってしもた。
また謙也さんから電話かかってきたけど無視や。
あああ、なんちゅーこっちゃ。
まさか、二人しておんなじような夢見とったなんて。
これはただの偶然やないかもしれへん。
誰か嘘やと言うてくれ。

「最悪のスタートや…」

きっと今年も謙也さんに掘られる毎日なんや。
どないしよう、なんとかして正夢にならんようにせなあかん。

(今年は極力エロいことはせえへん、いやさせへんようにする…!)

俺は心に強くそう誓った。

この時、まさかさっそくその日のうちに初夢淫夢が正夢になるとは、まだ思っとらんかった。



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1月なので初夢ネタ。
謙也さんも光も新年早々えっちやな!