爆発できません 氷帝と青学、四天宝寺との合同合宿。 これから午後いっぱいは自由時間である。 テニスするのもよし、休憩するのもよし、遊びに行くのもよし、なにをしてもいいですよ。 と言う訳でリョーマと、財前と白石が撫子に向かって突進してくる。 「「「撫子さぁん!」」」 「何かな!?」 「午後から俺と付き合ってくれへんか!?妄想語ろうやないか!!」 「これから俺とどっか遊びに行きましょうっす!」 「撫子さん、新曲のネタを一緒に考えて欲しいっすわ!」 三者三様。 内容は一緒、撫子と午後共に過ごしたいだけだ。 そして撫子の答えは…? 「ごめん、これから手塚君とデ、…。」 後一文字言えばいいものを撫子は口を噤んだ。 「「「デ?」」」 「撫子はこれから手塚君とデートなんやろ?」 忍足が撫子の代わりに答えた。 なんという迷惑な行為だ。 「「「デート!?」」」 「黙れ忍足!!口に出して言うな!バカ!!恥ずかしいにもほどがあるわ!!」 「黙れ裏切り者!!一人抜け駆けしてリア充なんぞ成りおってから!!」 「黙れ!!お前は黙ってたらイケメンでさっさと彼女ぐらい作れるだろうが!!」 「黙れ!!イケメンの辛さが分かってたまるかい!顔で惚れられて付き合う位なら独り身で居った方がええわ!!」 「黙れ!!それを宝の持ち腐れと言うんだバーカ!!」 「黙れ!!デカ女!!自分、手塚君よりも体重あるんとちゃうか!?」 「なっ!?」 「忍足…撫子さんの悪口を言うのはそこまでだ。」 「「「「手塚(君)!?」」」」 「部長!?」 会話の渦中である手塚が満を持して登場。 「撫子さん、待たせてすまない。」 「待ってない待ってないよ!?急かしたようで私の方こそ謝りたいよ。ごめんなさい。」 「いや、謝ってほしくない。」 「おうおうおう、手塚クン、俺達の…いや、俺の撫子さんとデートやなんて冗談やんな?残念やけど、大阪人の俺でも笑えへんよ?」 「そうっすわ、撫子さんは俺の、嫁なんすけど?」 「部長、俺に青学の柱になれ言いましたけど、部長が柱になりますか?物理的に。」 三人が不良の様に手塚にからんでいく。 ドスを利かせた声と泣く子も黙ってしまうような目つきで、 「……三人とも、落ち着け。」 「「「落ち着いてたまるかぁ!!」」」 「自分何しとるか分かっとるんか!?」 「そうっすわ!手塚サンのしとることは俺らに対する挑戦状っすわ!!」 「部長権限すか?部長権限でマネージャーと言う逆らえない立場に居る撫子さんを束縛したんすか!?」 「越前…俺は説明したはずなのだが? 俺と撫子さんは数か月前から交際を―――。」 「「「あーあーあーあーあーあー!!聞こえませんんんん!!!」」」 三人とも耳を塞いで、手塚から発せられる言葉をかき消した。 そして今度は撫子が言う。 「あー…三人とも、私…手塚君と付き合っちゃったりしたりしてます……。」 「「「嘘だ!!!」」」 「三人とも諦めぇ…ホンマに付き合っとるらしいから。」 忍足は全てをあきらめた様に呟いた。 「撫子さんの純潔がぁあ!!」 「俺の嫁ェエ!!」 「じゃぁ、俺を養子にして下さいっす。」 「「おい待てや。」」 「何を言い出すんだ白石。 俺と撫子さんは清い交際をだな。」 「そうそう、手繋ぐことぐらいしかしてないよ。」 「手塚クンはホンマに男か!?」 「さぁ、撫子さん時間が勿体無い。行こう。」 「おおぅ!行こうかな。じゃぁ忍足に蔵さんに光君にリョーマまた後でね!」 「「「「リア充爆発しろぉお!!!特に手塚ぁあ!!」」」」 「すまない、俺が爆発したら撫子さんが悲しむから無理だ。」 「「「「ウゼェエエエエエ!!」」」」 手塚の無表情から微妙に醸し出される雰囲気はドヤァア…としたものであったりなかったり。 そして手塚ぶっ潰し隊爆誕の瞬間だった。 ぶっ潰し隊:活動内容。『生放送ニ乱入シ、邪魔ヲスベシ』 そしてその日の夜、撫子と手塚は皆が大浴場に行っている間、泊まっている大広間にて「【部員が大浴場に行っている間に】カゲロウデイズ【踊ってみた】」を生放送することに。 「今回は踊るって言うよりも表現するって感じかな?」 「ああ、そうなるな。」 「表現力が問われるのか…できるだろうか?」 「撫子さんなら出来る。出来なくとも俺がカバーしよう。」 「手塚君ッ!…いや、舞長さんステキ!!」 「時間だ。油断せずに始めよう。」 手塚は馬の被り物を被り、パソコンを立ち上げた。 撫子はマスクを装着。 それから踊りだす。 そして…サビに入った瞬間だった。 トラックの代わりに手塚ぶっ潰し隊のメンバーが乱入。 「「!?」」 「邪魔したるわァアア!!」 「舞長さん、覚悟や!」 「部長!!その変な被り物、写メりましたから!!」 「撫子爆発しろぉお!!」 今回初めて舞長の動画に乱入者が発生。 しかし撫子と手塚はお構いなしに踊る。プロ意識が高いものだ。 部隊も最後まで画面内にログインしていた。 ぶっ潰し隊、初の活動。初の任務成功に思えた。 しかし、 乱入したタイミングがよかったのか、悪かったのか、 「トラック=人間」「これは新しい表現」などと言ったプラスなタグがついており逆に高クォリティな動画となってしまった。 任務、失敗である。 「「「こんな筈じゃなかった!!」」」 ―――――――――――― 500000hit企画第24弾 那岐様、鳴海様リクエスト「IF夢主が手塚と付き合ったら」でした。 あまり手塚と主が絡んでいなくて申し訳ないです…。 しかし、主が誰かと付き合ってるだなんて想像できなかったんです← それに…手塚って、彼女作るようなキャラじゃな(ry [mokuji] |