もしも主が誰か(モブ)に本気で恋をしたら 「ハァア………。」 撫子が深いため息をつきながらケータイをさっきからパカパカとしている。 「なにを…しとんや?」 忍足が隣で聞いてくる。 「ん?んー……内緒!」 「なんや、俺と撫子の仲やん。教えてや。」 「えー、仕方ないなぁ教えてやんよ!」 「おお、教えてくれや。」 「うふふふふ、私リア充になるかもなんだ!!」 「………ハ?」 信じられないことを聞いたと忍足の反応が薄い。 「だーかーらー、私彼氏できそうかも!」 「二次元で?」 「いんや、三次元で。」 「……妄想?」 「not妄想。」 「………………………ッ。」 忍足の胸がズキンと痛くなった。 「もーねー、この前のイベント帰りに会ったんだけどさ。私の前々からのファンだったんだって! いい人でー、恰好よくって、もーメール楽しい、こんな感情初めて!」 「そう、か。そりゃ撫子は腐っとるけんな。そんな相手現れんやろ。」 「んふふー、正にブリ天の奇跡だよ!」 メールト、溶けてしまいそー♪ 「あ、メール!」 撫子はウキウキとその人からのメールを開いて内容を見る。 少し前の撫子からは想像できないオーラが見え隠れ。 そんな様子を見ている忍足。 「……おもんないなぁ…。」 そんな言葉を忍足は呟いた。 さっき撫子の口から別の男の話題を聞いたとき胸が締め付けられるような感覚に陥ったことと言い、 その相手方から届いたメールをウキウキとした様子でチェックしてるときだって鈍い痛みが胸のあたりを刺激してくる。 これが何だかわからないから心を閉ざしてやる。 「…あん?何?」 速攻で返信して忍足と再び向かい合う撫子。 「おもんない言うたんや。 男の話を聞いて面白がる男なんて居らんわ。」 「えー?そこはリア充爆発しろとか本間充とか言うべきっしょ。」 「撫子は付き合っとらんやろ。」 「チッ、忍足の癖に生意気だ。」 「生意気ついでに言ってやるわ。なんでそんな一回しかあったことも無いような奴にそこまで惚れこむことが出来るん? なんで俺と話すより楽しそうなん。 そいつに会う前にずっと前に会ったんは俺やろ。俺の方が撫子と先に出会っとったやん。 ファンやったら俺かて撫子のファンやったやん。 なんで撫子の近くに居る奴が俺やないんや。」 …あぁ、そうか分かった。 口に出して理解したわ。 とても単純な、人間が持ちやすい感情を自分は持っていただけじゃないか。 「…アハハハハ、何忍足…嫉妬?プゲラww」 撫子は忍足の妙な空気を読み取ったのか少しちゃかした。 「そうや、言うたら…どうする?」 「え?」 「嫉妬や嫉妬。俺が今抱いとる感情はそれや。なぁ撫子、俺じゃあかんのん。俺がそいつの位置に居ることは出来んのん?」 ―――――――――― 300000hit企画第13弾 610号様リクエスト「青春デストロイで主人公が本気の恋をしてキャラが嫉妬」でした。 短くてスミマセンでした! でもこれ以上行くと…ヤンデレになってしまったと言う…いや、ホントこの続きも何となく考えたんですが…BADENDに…ね。 それにヤンデレはまた別に書こうかなぁって思ってますしね! キャラは一番主の被害にあっている忍足さん。 でもあれで本当に惚れてたら忍足は本当にドMさんですな! キャラ達となっていなかったので、一人だけ。実にすみませんoyz [mokuji] |