Belly black U 第18話
「……仁王…ッ。」
「!?」
幸村が屋上の入り口に立っていた。
そしてこちらにまっすぐ歩いてきて仁王を思いっきり殴った。
「ありがとう…遠野。俺の味方だって言ってくれて…。」
「フフッだって私の可愛い玩具なんだもん。味方に決まってるでしょ?」
幸村は一言稀奈にお礼を言ってから仁王を睨みつけた。
「……最悪だよ仁王!
信じようとしてたのに!やっぱり嘘だったんだね、俺の事なんてどうでもよかったんだな、すっかり騙されたよ。
流石悪魔をも騙せる男。信じかけた俺がバカだったッ…!
俺の今の居場所までも奪おうって言うのか…ッ。誰の計画なんだ?柳なのか?やっぱりグルだったんだ!!」
「違ッ!」
「言い訳なんて聞きたくない!!
二度も裏切られるこっちの身にもなってみろよ!最低だよ仁王!!絶対許してなんてあげないからな!!」
幸村はそう言い捨て、屋上から去って行った。
再び二人だけになった空間。
さっきの出来事が本当に一瞬で、一瞬で仁王は取り返しのつかないような状態に一転さした。
「あーぁ、どうするの?幸村をあんなに怒らせて。」
「ッ、なんで!幸村がここにッ。
…どうしょう、どうしょう…幸村をあんなに怒らせてしもうたッ折角、折角幸村と近くなれた思うたのにっ、
謝ることも、許されることもッ出来んくなってしもうた!!」
「……フフッ、君は忘れてるみたいだね。」
「何をじゃ?」
「君はなんて言って私の玩具になったんだっけ?」
「……?」
「忘れちゃった?
君は幸村に許してほしいから、その手助けを私がするって形で、君は私の玩具になったんでしょ?」
「…じゃったら、おまんが俺と幸村の間を持ってくれるっちゅーんか?」
「うん、君が幸村に許されるように、してあげるよ?」
「ホンマか!?」
「うん、私、嘘はつかないよ。
でも、この方法はなぁ…あんまりお勧めできないけどねぇ……。」
「なんじゃ、どんな方法なんじゃ!?あるんなら言ってくれ!!」
「んー……それは、ね?――――――――――――。」
稀奈はその方法のすべてを仁王に話し終えた。
仁王はその方法を聞いて眉間にしわが寄る。
「ッ……。」
「ね?お勧めは出来ないでしょ?」
「…ッでもそれで幸村に許してもらえるんなら、幸村の無実が証明されるんなら俺はやるぜよ。」
「フフフッ仁王、男らしいね。」
「いつ、それをするんじゃ?」
「いつがいいかなぁ?もう証拠も揃ってるしなぁ。
んー、バラすなら派手にしたいな…よし、3日後。3日後テニス部部室でこの物語の終焉を飾ろう!!」
「……分かった。」
「うん、そういう事。へま、しちゃダメだよ?」
「………プリ。」
物語の終焉に目途はついた。
それがHappyEndなのかBadEndなのか、それともTrueEndなのか、
それを知ってるのは、
稀奈だけ。
「………遠野?」
「何?」
「俺、君の事もう止めない。止めないから…。」
「止めないから?」
「あいつ等に、地獄をッ!!」
「可愛い玩具の願いだ。その願い、叶えてあげる。」
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