Target 宍戸亮 04
「なら、さっさとこの状況を打開すべきだけど…、君はどうしたい?」
「俺は頭よくねーからな。その辺はお前らに任すぜ?ただ、あいつ等とは直接…終わりにしてぇ。」
「フーン、まぁ、今回は妥協しよう。君の発想も気になったんだけど、待つことにしてあげるよ。」
「稀奈、やったらもう俺らが四天宝寺でした感じのでええんちゃうの?」
「えー?使い回し?面白くなーい。」
「よう考え?四天宝寺は市民の学校、お金持ちなんて居らへんかった。
けど、ここはお金持ちの奴らが仰山通うとる。それが全国ネットに流れた時の反応は格段に違うやろ?
それに…この事実を隠そうとする企業がどれほどの金を出すのか…気にならへん?」
「…白石にしてはいい案じゃない。いいわ、のった。それにしよう。
宍戸これから少しだけ、もう少しだけその虐めに耐えてもらうわよ?勿論、この先は私たちが君の味方になるから、安心して?」
「シシッいいぜぇ?あいつらのバカな行為を間近で見る最後の機会だ。
…よりもお前らが俺の味方になるのは、俺のためじゃねーな?」
「…何故?」
「あいつ等の罪を重くするためだろう?
一人を虐めるだなんてそんなどこでもありそうなこと掛け合ってくれるとこなんて稀だぜ。
それならばお前らが俺に味方して、全くの無実の人を二人も虐めた。そんな話を、お前らは欲しいんだろ?」
「あら、バレた。君、頭が悪いなんてことないじゃないの。」
「よく考えな。俺は良くないと言った。けどな、悪いとは言ってねぇ。可もなく不可もなく、だ。」
「宍戸に上げ足をとられるなんて、予想もしなかった。」
「俺だってやられっぱなしじゃねーんだぜ?」
「やられっぱなしじゃないってことは私たちがした後、直接なにかしでかすんでしょう?」
「ったりめーだ。誰がやられっ放しにすっかよ。
まぁ、楽しみにしといてくれよ。提供者。」
「勿論、私は君の幕引きを拝むまで、最高の物語を提供しよう。」
「商談成立や!」
「御立合い御立合い、こちらの世界に堕ちてきた宍戸亮、初の舞台を開演するよぉ!!」
「初めて織りなす物語の終止符、どんな幕引きになるんやろうか!!」
「もちろんそれは、最高で最狂なストーリーに決まってんだろ?そんなことも分からねぇ奴は――」
「「「―激ダサだぜ?」」」
宍戸亮はこちらに堕ちた。
あちらにはもう戻らない、戻れない。
此処は底が無い。
一度踏み入れたら這い上がれない。
暗い
冷たい
誰も助けてくれない
こちらを嘆き
自分しかいない
あちらを嘲笑う
そんな空間
一名様 ご案内
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