Belly black 第13話
次の日、二時間目が始まったあたりにPTA会長がやってきた。
怒り心頭、職員室にまっしぐらだ。
白石と稀奈は部室にて雑談。
「さて、もう来ちゃったし私たちも死のうか?」
「おん。で、インスリン自殺ってのはなんなん?」
「インスリンは知ってるよね?」
「おん。」
「それを接種して無理やり低血糖状態を作るわけだ。こん睡状態になって運が悪ければ死ぬね。
ま、大丈夫。この量だと死にはしないから。」
「…………そうか、自分よう知っとるな。
経験者か?」
「……前世でのね。だからこの量では死なないっていう証拠がある。」
「前世、辛いことがあったんやな。」
「…それなりにね。
もう前世なんてどうでもいいよ。
さっさと死のう?あいつ等真実知ったら速攻で私たちのこと探すと思うよ?」
謝るために、ね?
「それもそうやな。
まぁ、謝ってきてもさらさら許すつもりはないし…さっさと死のか。」
「じゃ、」
「また、」
二人はインスリンを接種した。
だんだん意識がなくなって
最後に見たのはお互いの顔。
妖艶さも黒さも何もない白い安らかな柔らかい笑顔―――。
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