青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第321話


「フン…樺地。」

「ウス。」

再戦するらしい宍戸。
そしてその言葉を聞いた跡部は樺地を呼んだ。
呼ばれた樺地の手には墨と筆。
それを受け取った跡部は筆に墨を付けて宍戸の顔に落書きをした。

『激ダサ』

「ふん、次は岳人の番だからな。お前は待ってろ。」

落書きをした跡部はそう言って岳人の相手をし始めた。
撫子は宍戸の落書きされた顔を見て吹き出してしまった。

「ブッハアハハハハ!今時墨をかけて羽子板する人等初めて見た!!アハハハハハ!!」

「黙れ椿崎!お前の顔にも落書きしてやるよ。」

ラケット基板を構える宍戸。
それに対して撫子一瞬戸惑ったが構えた。運動できるのだろうか。

「……フン、返り討ちにしてやんよ!」

「テメェの顔に『オタク』って書いてやる!!」

「残念だがそれはほめ言葉だ!!私が勝った暁には『love鳳』って書いてやる!」

結果、勝者撫子。
勝因は撫子のなんちゃってスマッシュ。宍戸は返そうとしたのだが、板の長さを見誤って空振り。
テニスラケットだったらヒットしていただろうに…。

「…ケッ!書きたきゃ書きやがれ!!」

「書きたいから書くわ!!love…鳳っと。」

ただしミミズがのたくった様な字だ。

「書くならもっと綺麗に書けよ。」

「黙れこれが今の私の限界だ。」

繊細な作業が出来ない。

「は?」

「鳳ー!見てぇ!!宍戸の愛の告白だよー!!」

「なッ!?長太郎勘違いすんなよ!椿崎が書いたんだからな!!」

慌てて繕う宍戸。
その言葉に長太郎がシュンとした。

「…宍戸さん、俺のこと嫌いなんですか?」

「バッ、嫌いなわけねぇだろ!?大切なパートナーなんだからな!!」

「ッ嬉しいです宍戸さん!」

「ったく…こんな事で喜ぶなんてちょいダサだな。」

「ナチュラルにボーイズにラブってんじゃねぇよ!!」

「ラブってねぇよバーカバーカ!!激ダサ!!」

「激ダサはテメェだバーカバーカ!!」

「自分らは餓鬼か!!」

「「るせぇ伊達眼鏡!!」」

「すまんかった。」

「…ん?忍足あんた、お年玉獲得したわけ?」

横やりを入れてきた忍足を威嚇し、その後目をやってみれば片手にはお年玉袋が確認できた。
しかしながら顔に落書きは施されていない。

「獲得出来たでー。流石俺、一発や。」

「「………。」」

忍足のドヤ顔めっちゃ腹立つ。

「宍戸…。」

「…あぁ、分かってる。」

「忍足、お前羽子板構えろや。フルぼっこにしてやんよ。」

「え、ちょ!」

宍戸が羽根を打ち、そして撫子は板を右手に三本、左手にも三本構えて所謂六爪流。

「Let's party!!」

「撫子それ打ち返す気ぃ無いやろ!!」

「フハハハハハ!宍戸、後は任せた!!」

正直、もう立ってるだけでも辛いです。

「忍足ぃ!お年玉寄越せぇえええ!!」

「自分で跡部に勝てやコルァア!!」

宍戸は案の定というか何というか、返り討ちにあってしまった。

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