青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第289話


ご機嫌な桃城と共に撫子はリョーマ他が待つ教室へ。

「あ!撫子さんお帰りなさい!!お礼参りは済みましたか?」

「うん、済んだ済んだ。
さて、一段落したし、次はどこに行こうかな?」

「撫子さん、そろそろ不二の弁論が始まる時間だが行かないか?」

「え、そんな時間なの?行くに決まってんじゃん!」

「では体育館に行こう。」

撫子一行は不二の出番を見に体育館へ。
その移動中、撫子はあることを疑問に思った。

「そう言えば、なんで周助君は代表に選ばれてて、二人は選ばれてないの?選ばれるべき人種だよね?」

「あぁ、その事なんだが俺は予選会の時欠席してしまってな。」

「俺は万人受けする弁論を書かなかったからな。」

「へー、じゃあ結構この学校の弁論大会はレベル高いんだ。」

「そうなるな。」

「周助君すげぇな!
因みに周助君のテーマは?」

「『イジメといじりと遊びと付き合い』だ。」

「ちょっと待てそれ物凄く重いテーマ出はないのかい!?」

「しかし内容的には興味深い物だったぞ。」

「周助君に不可能なしか!」

「撫子さん、今更っすよ。」

「……。」


「さて、体育館だ。」

一歩入ってしまえば体育館は静寂と、不二の声に占められていた。
校舎側はとても活気が溢れ賑やかだというのに、ここはとても静かである。

撫子達は静かに空いている席に座り、静聴する。

不二は相も変わらずなトーンで原稿を読み上げていった。
撫子達もすぐに聞き入るようになった。

「―――僕はこれからもこのテーマは続いていくと感じました。
以上で代表、不二周助の発表を終わります。」

弁論が終わり、不二が一礼。
本来ならスタンディングオペレーションをしたいところだがKYになるため自重。ちょっとパッション抑えていこうぜ。
代わりに拍手を懸命にした。

それから不二の姿を求めてステージの方へ一行は向かう。

「周助くーん!」

「あぁ、撫子さん達、来てくれたんだ。」

「うん、来ちゃったよー!とても訴えかけられる弁論でした!!素敵!!」

「フフッ誉めても何も出ないよ。でも、ありがとう。」

「その弁論って全国大会とかつながるヤツ?」

「多分、繋がるんじゃないかな?取りあえず都代表に選ばれて、関東代表になってかな?全国大会は。」

「わー…道のりは長いねぇ。」

「でも、テニスで全国制覇出来たから、僕にとっては不可能じゃないよね。」

「ソーデスネ!」

「そうだ、撫子さん。そろそろ外部からの訪問者は帰る時間なのだが。」

「え、もう?……誰か制服貸して!」

「止めておいた方が良い。バレる確率79%。
点呼があるからな。」

「グハッ!?
………仕方ない、来れただけでも良かったことにしよう!リョーマ、悔しいがここでお別れだ!!達者で生きろよ!!」

さらばだ、と言わんばかりに撫子はリョーマと言う誘惑を断ち切って駆け出した。

「撫子さーん!」

リョーマは断ち切られたくないように、撫子の名前を切なく叫ぶ。

「ッ後ろ髪を引っ張られる!吸引力マジパネェ!!」

クルリと体を再びこちらへ向けた。

「撫子さん、真っ直ぐ前を向いて帰ると良い。越前のことは心配するな。」

振り返ってみるとリョーマの口を手塚が押さえている姿。

「ッッリョーマ、さよーならぁあ!!」

「もがもー!!」(撫子さーん!!)

ごめんリョーマ、もっと一緒にいたかったけど、バレるの怖いし。
その上、手塚君×リョーマ…御馳走様でした。
口塞がれるってどういう事さ!?毛根が無くなってしまうではないか!息切れ動悸!!お医者様は居られませんかぁあ!?

撫子はテンションが高いまま帰宅し、サイトでの暴れっぷりは凄まじかった。と、柳と白石が語っていた。

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