青春デストロイ!? 第279話 撫子はイモジャー特有の手首足首を絞ってある構造に注目して、片方が七分の所まで捲り足首を見せる形に。 そして靴はハイカットスニーカーのサイケデリックな物。 腕にはミサンガやらなんやらごちゃごちゃと。 それからウィッグはKAITOの物ではなく金髪のツンツンした物に変え、地味なジャージを派手さでカバー。 「…撫子……ほんまにジャージか?」 「あぁ、ジャージさ。私の何時もの部屋着だ。」 「なんやねんその着こなしは!!」 「ジャージソムリエとは私のことだぜ!!」 撫子が豪語するようにジャージソムリエのセンスは上々だった。 他のメンツも頑張っていたが、ダサい服には無縁の者が多くてダサくはないがコーディネート的に謎な物が出来上がったようだ。 「では二次審査! 学力チェック!!…ですが、ここでやっても絵的に地味ので事前にやっていただいたものをここで公開という形にいたします。 ハイでは結果から!!」 一位跡部、二位撫子、三位忍足、四位滝、五位宍戸、六位向日、七位芥川。 だいたい予想通りの結果である。 「ついでに珍回答も発表しておきましょう。 第7問の解答は『桂小次郎』でした。そしてその珍回答は『桂小太郎』でした。一文字違うだけだったので実に惜しいですねー。」 「…なぁ、これ撫子か?」 「違う違う。一回書いたけど消して書き直したよ。」 「一回は書いたんかい。」 「おうよ! …しかし、誰の答えだ?絶対にシルバーソウル読者だよ。」 撫子は回答者が知りたくなったので周りを見ると下を向いている輩が一人。 「…もしかして、岳人?」 「……ッあぁそうさ!俺が書きました!!俺の回答です!!クソクソ、漫画をあてにするんじゃなかったぜ!!」 「自分の知識をあてにしようぜ…。」 「では次の珍回答は第19問、解答は『平等院鳳凰堂』でした。その珍回答は『平等院鳳長太郎』でした。まさかの二年の名前が登場しましたねー。」 「誰だぁああああ!!誰が書いた!宍戸か!!宍戸なのか!!私は宍戸を所望する!!」 「ちげーよ!!」 「チィ!!」 「あー、それ俺だCー。 後で消そうと思って忘れてたCー、テヘヘ。」 照れくさそうに頭をかくジロー。マジ可愛い。 「あぁあん!ジローマジ天使!!」 「最後に第36問目の答えは『奥州藤原氏』なのですが、珍回答で『奥州筆頭伊達政宗』とありました。時代が少し違いましたね。」 「…撫子?」 「………あぁそうさ!奥州ときたらダテムネだろうが!! 私はここでこう答えないと負けた気がしたんだ!!」 「ん?ちょう待ち、俺は二問間違えて三位らしいけど…撫子まさか一問間違えて二位になったんか?」 「そうですけど、なにか? 何か問題でも?」 「お、男や!」 「男気1000%!!試合に負けて勝負に勝つ!!」 「アーン?その勝負にはお前しか参加してねぇだろ。不戦勝だろうが。」 「…………跡部のくせに生意気だ!!」 「はーい、椿崎さん落ち着いて下さい。 次は最終審査です!!ミスコンの時のように水着審査では今回絵的にむさいので、スーツ審査です!!」 控え室にてスーツが用意されているようだ。 撫子は一人女子更衣室へと向かう。 「さてさて、どんなウィッグにしようかなぁ?今はパツキンのー…スーツにパツキンはどこぞのホストになるからー……………………え、何これ。」 控え室の扉を開けて中を見るとそこには一通り荒らされました、と言う状況があった。 特に氷帝学園から借りていた短髪のウィッグがざんばらに切り刻まれ、見るも無惨。 生き残っているのは長髪のウィッグだけ。 呆然としていると、後ろから羽交い締めにされた。 「!?」 「うわ、ぶっざまぁ!」 「……誰?」 ホント、誰? マスクしたりサングラスしていたりと、完璧に顔を隠している女子が数名。 「跡部様ファンクラブ、銀華中支部。」 「アイツは他校にまでファンクラブがあんのか!?」 「跡部様をアイツ呼びなんてサイテー。」 「…で、君達はウィッグをボロボロにして何がしたいのかね?」 「跡部様の勝利の絶対よ。 女のくせにミスターコンに参加するなんてキモい!」 「……フーン、君達は跡部がこのままだと私に負けちゃうって思ってんだ。」 「「「!?」」」 「生意気なのよ! …まぁ、いいわ。そのカツラもボロボロにしてあげるわ。地毛で出て恥をかきなさい。」 撫子が被っていたウィッグを取り上げブチブチと毛を毟っていき放り投げた。 その後で撫子を解放し、女子達は逃げる。 「……カツラじゃない…ウィッグだ…!」 [mark] [mokuji] |