青春デストロイ!? 第252話 なるはずだった。 「おや?何故氷帝の生徒が学内に居るのですか?」 顧問のような人が撫子に話しかけてきた。 「えっと…南君には許可を頂きましたけど…。」 「おや、感心しませんね。 南君、何故見学を許可したのですか?偵察を許したのですか?」 「え?偵察?」 偵察は何の事だと、南がキョトンとした。 「そんなバカな!!私は純粋に見学を、と言いますか私は引退した身でしてですね!!」 「え、撫子さんって中学生…だったんですか?」 「もうそんな反応は見飽きたよ!!千石君、皆には言わなかったのか!?」 「え、俺のせい!?俺だって一々ナンパした女の子をみんなに紹介してるわけじゃないし!」 「その情報が後輩に行くのではないですか?可能性は0なのですか?」 ネチネチとねちっこい粘着力抜群な語りで撫子は窮地に追い込まれる。 「っ…。」 0ではないと思う…多分絶対アンソロ書いて配布して布教活動をして、それがもしかしたらテニス部男子の手に渡るかもしれないし。 …居辛い。 「南君、亜久津様、壇君、…千石君、今日は帰りますわ!!またいつか町などで!アスタラビスタァアア!!」 撫子は逃げ出した。 先生らしき人からの精神的攻撃には慣れませんな。 後ろからバイバイと言う声がちらほら聞こえて嬉しかった。 あと亜久津の「ジジィ!!テメェ!!!」と言う叫び声が聞こえたが、耳にふたをして…聞こえない聞こえない。 山吹中から自宅へ。 そもそもが布を買いに町に出ただけの話だったのにとても濃い一日だった。 「さって…と、型紙作るか。」 ハロウィンの衣装作りに取りかかる。 久々に自分で作るものだから凝った物が出来そうだ。 「trick and treat。」 「なんやねんそれ。」 ハロウィンの日がやってきた。 撫子はやっとの事で衣装を完成させて、着用なう。 テニス部のマネージャー室を借りて着替えさせていただきました。 そしてテニス部室へ行って他の人のを見てやろうと企む。 行ってみたら忍足しか居なかった。 だからとりあえず忍足にハロウィンの文句を言うことにした。 「え?お菓子をくれても悪戯するぞって意味だけど?」 「いやいや、それはもう言われることは予想ついとった。 俺が聞きたいのはその仮装の意義や。」 「何か当ててみ? 忍足はー…白衣に丸眼鏡つったら無免許医か!!ブラックジャックリスペクトか!!でも白衣萌え!!」 「なんで無免許医なんや!! もっとよく見てぇ!?それに今日はハロウィンやぞ!!マッドサイエンティストや!!」 「え?マッドロリコンティスト?逮捕される前に逃亡しろよ。」 「誰がロリコンやぁボケェ!!」 「お前だ。セオリー的な反応しかできないお前は失格だ。」 「なんの失格や!!」 「で、私の仮装…お分かり?」 「えー…?………そんなイメージのモンスターって居る?」 「居るよー。正解はサキュバスでしたー!!」 「あぁ!確かに言われたらそうやな。右から見ると男っぽくて左から見ると女っぽいな。」 「そうそう、コンセプトはどっちつかず!!ぬーべー読んで、サキュバスは男にも女にもなれるって知ってさ、こんな感じにしてみました!!」 ばっと衣装を見せびらかす撫子。 右半身はマントなどを駆使して露出を控え男っぽく。つけまつげをしない代わりに目の周りはペイントをしている。 左半身は露出を多くし、体のラインを強調させる。目元はフッサフサなつけまつげをつけて女らしさ倍増。 髪型はウィッグらしく斬バラに着られていても艶やかな黒髪、そしてピンクの髪色とまぜこぜになっておりV系である。 「しかしまぁ…その技法、よう漫才とかで見るやつで、間抜けに見えるはずなんやけど…なんやろ、撫子のは造形的に素晴らしい言いたいわ。」 「んふふ、レイヤーの本気なめんな!しっかし女側の目ムチャクチャ重いわ。」 「やろうな睫毛バッサバサやん。まッ子猫ちゃんも舎弟もそれなら満足やろ。気合い入れてお菓子でも集めぇ。 あ、Happy Halloween!俺からのお菓子な。」 「おお!メルシー。 さてさてここで待機してみんなのコスを拝むぜ!!」 舌なめずりうへへへ、 みんなの衣装が物凄く気になる。 [mark] [mokuji] |