青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第236話


「で、出来たぁ!!」

仁王と柳生のショートコントをしている間に撫子は何とか修理することが出来た。
ちなみにショートコント『医者』は柳生の黒歴史になることは間違いない。

「おー!流石撫子さん、早いっす!!」

「ハハ、褒めても何も出ないよ。
それにこれ…直せはしたけど、赤也君入らないもん…。」

「…確かに、ちょっと小さくなっちゃったすからね…。」

どうしようかとみんなで頭を抱える。

「あ、だったら俺にいい案があるよ。ちょっと待ってて。」

幸村はそう言って舞台袖から姿を消した。
少しして戻ってきた時にはリョーマと桃城を携えていた。

「えッちょ、幸村さん。マジでやるんすか?」

「当然だよ。冗談なんかで他校生の力借りるわけ無いだろ?」

「越前ー、幸村さんの依頼頼まれてやれよ。
幸村さん達の熱意聞いたらもう…他人事じゃいけねーなぁ、いけねーよ。」

何やら幸村と桃城がリョーマを説得しながらやってきた。

「え…精市君…まさかリョーマにこのドレスを着さす気?」

「うん、着さす気。だってこの位の身長じゃないと着れなくなっちゃっただろ?」

「…うん。」

「だったら代役は赤也よりも小さい越前君に頼むしか無いじゃないか。
ホラ、椿崎さんも頼んだら?
椿崎さんの直し方にも問題があったんじゃないかなぁ?」

濡れ衣にもほどがあるが、幸村は若干イラついてるっぽい。
反論するだなんてそんな…。

「!?…リョーマ…お願いします!!着てやって下さい!!
私が変な風に繕っちゃってリョーマにしか着れなくなっちゃったのさ…頼む!
私の尻拭いにつき合わせちゃうけど!!私は下賤で汚らわしい便所虫です!高貴で気高い越前様どうか救いの手を差し伸べてください!!」

「そんな、撫子さんが悪いんじゃないっす!!……着るっす。着るっすよ!」

「本当!?」

「フフッそう言ってくれると信じてたよ。
さぁ、時間が無い。越前君向こうで着替えようか。」

幸村はリョーマの肩を掴み、ドレスを受け取り別室へ。
達者でな…。

「さぁ、桃尻お前は元の席にシッダウンして来い。」

「えー!?なんでっすか!」

「続編をキャメラに納める為さ!!
戻らないというなら…今着てる服をひん剥いてステージセンターに向かって全裸のお前をブン投げる。あ、股間に薔薇いる?」

「迅速に席に戻らせていただきます!!」

桃城は目にも止まらぬ早さで舞台袖から消えていった。
あれは本気で怯えていた。

「…冗談なのに……何もそこまでビビらなくても。」

「残念だが撫子さん。無表情であんなこと言われたらあぁなるに決まっている。」

「アラ嫌だ。表情筋を動かす練習しないと。」


「あぁ、越前君。衣装が入って良かったよ。似合ってる。」

「……別に嬉しくないっす…。」

リョーマがドレスを着終わったようで幸村と共に出て来た。
物凄く、可愛いです。

「さぁ、越前君。さっき言った通りだ。台詞は無いが、行動はある。
柳他、真田以外と先にステージに出てその中心に君は立つ。
そこで祝言をみんなから貰う。雰囲気が最高潮になったら真田が出て来るから。」

簡単に幸村が説明する。

「ウィーッス。」

「では行こうか、シンデレラ?」

「…ウィーッス。」

柳のエスコートでリョーマはステージ上へ。
続いてジャッカルや仁王が出ていって祝言を言う。

一方袖では撫子が冷静に且つ情熱的にリョーマのドレス姿に萌えていた。

「…ねぇ、精市君。
リョーマ…マジ天使じゃね?」

「そーだねー。」

「え、マジで…リョーマは俺の嫁…。」

「そーだねー。」

「嫁の唇が真田君に…。」

「そーだねー。」

「む、そろそろ俺の出番か。」

真田が自分の出番だと、ステージ上へ出て行こうとした。
が、しかし撫子がその真田の肩をガッシリ掴み行動を制限。

「真田君…脱げ。」

「な!?ま、待て椿崎ッ早まるな!!キ、キェエエエ!!」

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