青春デストロイ!? 第159話 「……………何故こうなった。」 起きてみれば午後5時、 寝過ぎだ。 跡部とのいざこざがスッキリしたから、安眠できたという証拠か? 「いやいや、まだ直接謝ってねーよ。」 飛び起き、とりあえず学校へ。 部活は午前中だと聞いたからもう誰も居ないかもしれない。 居なかったらまた明日謝ればいいか。 コートを覗くと跡部が一人、壁打ちを続けていた。 「……跡部…。」 声をかけた。 「…なんだ?」 壁打ちを止め、撫子に向いた。 「関東大会の後…八つ当たりして……ごめん…。」 頭を下げた。 精一杯の謝罪のしるしだ。 「………。」 「…これでも足りないなら土下座でもジャンピング土下座からのスライディング土下座だって土下寝だってする。 だから、もう一回マネージャーをさせて下さい。」 「……ラリーに付き合え。」 跡部は一言言うとコートに入っていった。 ラケットはそこに転がっている物を使わしてもらう。 「「…………。」」 「「……。」」 無言のままラリーが続く。 「…お前、テニス上手かったんだっけか…。」 「…まぁ、ピークは小6の頃だよ。 今は球出ししてるからある程度打てるぐらいだよ。」 「大会に出たことも、あるんだな?」 「そりゃ…あるけど?」 「負けたことはあったのか?」 「もちろん…沢山。」 「そうか…。」 話しながらもラリーが続く。 「「………。」」 パシ…。 跡部の打ったボールがネットにかかった。 「……全国大会前なのにそんなショボいミスすんなって。」 撫子がボールを拾うためにネット際に、 跡部も拾うためにネット際に、 自然と向かい合った。 あー…。 こんなに跡部の顔をガン見すんのは久し振りだわ、 くー…ッ、整っておりますなぁ。 これだと…タイバニのバニーちゃん出来るんじゃね? うん、クールでイケメン……いける。 だったら私は…何しよう。 「……かった。」 「へ?何?」 「…ッ悪かった!!」 跡部はその言葉を言い捨てコートを去っていった。 一人残された撫子。 「…………跡部が私に謝ったぁあ!?」 天変地異の前触れだよ、ヤバいよ、 開催地枠貰ったから跡部も浮かれてるんだよ、きっと。 「…あ゛、あのッナルシストめ……。」 あることに気が付いた。 「コート整備、私一人かよ!!」 跡部が壁打ちをしていて転がしていたボールを拾ったり、 さっきまでラリーしていたコートを撫子一人で整備しなくてはいけなくなった。 「跡部…タナトスの声を聴けぇえ!!」 謝ってくれたのは嬉しいが、何という仕打ち。酷いよ!! あげて落とされたよ!! ブツブツ文句を言いながらも整備していく。 次の日朝、練習で出会ってすぐドロップキックを食らわしておいた。 そして、来る部員来る部員が半泣きになりながら撫子に声をかけていた。 「姉御に…もう会えないかと…ッ。」 「…いや、大げさだからね。 会えないかと…ってあのままマネ辞めたとしても新学期から会えてたからね。」 ジローと岳人は何故か撫子に抱き付いた。 理由はよく分からなかったが、 俺得だから良しとする。 滝には昨日来なかったことをオーラによって叱られたので土下座しておいた。 「よ、久し振り…忍足。」 最後の方で忍足が来た。 「おぉ撫子、おはようさん。 何で昨日は来んかったんや?」 「…単なる寝坊。 でも、昨日跡部に謝れた。」 「それは…良かったやん。」 「ま、ね。」 「じゃ、これから…言うても後もうちょいやけど、よろしく頼むわ。」 「おぅ、頼まれた。」 撫子はマネ業に励む。 そしてこの日がついにやってきた。待ちに待った、 [mark] [mokuji] |