青春デストロイ!? 第154話 7月の某日、 校内水泳大会の日がやってきました。 ルールは簡単、 一年から三年までが団結して速さを競う。 一チーム、一のA、二のA、三のAとなる。 クラスから代表三名決め、一人50mを担当。 リレーとなるため次の泳者にタッチする事。 「ハイ、今年もやってきましたこの季節!!校内水泳大会!! 本日実況を担当しますは今年からの転入生、椿崎撫子と。」 「解説はテニス部ファンクラブ会長の私がお送りします。」 プールの一角に設置されたテントに撫子と会長が待機。 そこに異議ありと言ったように同じクラスの忍足がやってきた。 「なんで撫子は出んのや!!」 「…………プィ。」 あからさまに目を逸らす。 「めっちゃ運動神経ええのに出んとか認めへんで。」 「イヤだって……水着こんな全校の前で晒したくないって言うか…。」 ぶっちゃけ、私は君らの肉体美を鑑賞するのを徹底するためにここに居るっつーか…。 「お姉様…出ませんの?」 隣にいた会長がウルウルと撫子を見つめる。 「うん、出るよ。よしアンカーは私だ。」 「よし、ならええわ。後で迎えに来るで。」 忍足は第一泳者だからすぐに合流する事になるだろう。 撫子はさっさと水着に着替え、その上から適当にジャージを羽織って再び放送席へ。 「さて!!やっと始まりますよ!! そして見て下さい!!観客席を!!本来登校するのは代表者だけで良いのですが、全校生徒が見に来るという人口密度がハンパないことになってます!! ぶっちゃけあの中に特攻しろと言われたら私は舌を噛んで死にます!!」 「ハイ、去年までは女子しか来なかったので観客はそうでもなかったのですが…今年は男子も来てますから大変なことになってます。」 「何故今年は男子が来ているんだい?」 「それはお姉様を一目見ようとしたからですわ!!」 「……やっぱ、出たくない。」 私目当てとか居なくなってしまえば良いと思うよ? 「無理ですわ。もう登録変更しましたから。」 「グ、行動が速いじゃないのさ……ハァ…。 お、ついに選手が登場する模様です。 お!トップで出てきたのは…我らがアイドル部活、またの名をホストクラブ、テニス部だ!!」 全員が刮目。 何時もより露出が激しい。 観客席を見れば何人かが失神。 その気持ち…分かるよ。 「ヒャッホー!!肉体美パネェ!!腹筋!!キャーッ!!」 「お姉様落ち着いて下さい!! あ…選手のみなさんは決められた位置へと移動をお願いします。」 指示により選手が移動。 「……取り乱したようで失礼。 第一泳者の紹介をしていきましょう!!(テニス部だけ) D組代表、制空権は譲らない!華麗に宙を舞う軽業師、向日岳人!! B組代表、寡黙に使命を全うする忠実な戦士、樺地宗弘!! H組代表、クールな瞳の奥に暑い闘志を忍ばせる氷帝きっての天才肌、忍足侑士!!」 誰だこの煽り文を考えだのは、 忍足なんてロリコン足フェチ残念なイケメンでいいのに。 「向日君は飛び込みに、樺地君は泳ぎに期待です。忍足君はッメガネしてないじゃない!!」 「おお!!会長ちゃん落ち着いて、 では、先生!!スタートの合図をお願いします。」 位置についてヨーイ…パァアン!! 「一斉に飛び込みました!! やはり見せてくれました!岳人のアクロバティックな飛び込み!!」 「ですがロスタイムとなってしまったようです。」 「しかし速い速い!!あの華奢な体のどこからあんなパワーが…可愛いよー!!」 (ほっとけー!!可愛いとか言ってんじゃねー!!) 「樺地君…サイボーグの様に無駄な動き一切無く進んでおります!!」 (…ウス。) 「速い速いエロい! 忍足エロ士はもう、あれだね。逮捕されれば良いと思うよ? 何あのフェロモン、殺人フェロモン? 息継ぎが一々エロくてたまらない。」 (エロ連呼しとるんやないで!!) 泳ぎ終わってすぐに忍足だけが文句を言いに来たがオールシカトをかました。 [mark] [mokuji] |