青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第145話


氷帝が…負けた。

試合が終わって相校ともに挨拶。
重い空気、重い足取りで戻ってくる。

宍戸が戻ってくる。
メンバーの中で一番暗い雰囲気を背負って。

「ア…アハハハハ!!
宍戸、君最高だよ!!最高にかっこよかった!!攻受の下剋上を果たすような試合運びだったよ!!
新たな萌えをありがとう!!
攻に挑む受戸カッコ良かった!うん!!」

重い空気を吹き飛ばす勢いで陽気に撫子が宍戸を茶化す。

「っるせえ!!!
テメェ、どっか行け!!俺に構うな、近寄るな!!
テメェに何が分かる!!気安く声かけんな!!無駄に励まそうとすんな!!ウゼェんだよ!!
アドバイスがなんだ、忠告がなんだ!!意味わかんねぇ暗号使って説明したくせに、
俺のスタイルに口出すな!!」

宍戸が怒鳴る。
怒鳴るついでに撫子の胸ぐらを掴み威嚇。

撫子は甘んじてその行為を受け入れる。

「っ…やっだぁ、宍戸そんなに怒らないでよ。
確かに君は負けたさ、負けた。
勝負の世界だもん勝ち負けあって当然だし?
予想通りに試合が展開するわけないよ。
まぁ、私の予想はある意味で当たったわけだが…。
さて宍戸、私はさっきアンタのプレイスタイルにはいっこも口出していない。
自分がそれをわざわざ口に出したって事は君自身疑問に思ってんじゃないの?」

「っマネージャーのくせに知ったか決め込みやがって、ふざけんな!!」

思わず握り拳を作る。

「…マネージャーですよぉ?アナタの部活のマネージャー椿崎撫子たんですぉ?」

「っ!!」

ガッ、

「ってぇ…。」

殴られた。
思いっきり、
殴った本人は驚いている。

「……驚いた宍戸の顔hshshs…」

殴られたことなんか気にしてない素振りを見せる。

「っチィ。」

舌打ちをして宍戸は帰って行った。
撫子も帰ろうと控えに戻る。
そこには跡部と樺地だけ、他のメンバーはさっさと帰ったようだ。

「…残念だったね。」

荷物をまとめながら跡部に声をかける。

「あぁ…だがコンソレーションがある。」

「うん、」

「次は宍戸を下ろしジローを入れる。」

「そか…。」

「騒がないんだな。お前なら何故だ、と騒ぐと思ったが。」

「氷帝テニス部は実力主義って知ってるから…負けたらレギュラー落ちが当たり前、でしょ?」

「あぁ。…帰るぞ。」

「うん…。」

ドリンクや救急セットなど部活の備品を跡部の車に乗せる。
ついでに自宅まで送って貰えるようだ。

車の中で跡部、樺地、撫子が無言のまま外を眺めたりしている。

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