青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第132話


「やけど……。」

まだなんか言う気か?

「そういえば謙也さん。
俺、見せましたよね?撫子がうpしとる動画。
そんな素敵な方も居るんすわ。」

「…え?あの動画で歌ったり踊ったりしとる女性って椿崎やったんか!?」

「そっすわ。気付かんかったんすか?ハッ、ダサイっすわ。」

「知らんわ!!なんや椿崎凄いやん!なんかごめんな?」

さっきまでの険悪な態度はどこかに吹き飛び、ペカーっと笑顔になった。

「え、…え?
何この態度の変化、何?」

「あー…謙也はな、こういう奴なんや、めっちゃ流されやすいん。気にしたら負けや。」

確かに2chレスに惑わされる人だしな…。

「えー…。なんか諭す必要無かった的な?」

「なんでや?腐女子偏見救済計画とちゃったん?」

「私に、害がなければあのまま放置でも構わん。」

「…ズバッと言うんやな…撫子さん。」

「せやー、すごい再生回数やったよな自分の動画。
めっちゃ憧れるわ。
腐女子でもこんなすごい人居んねんなぁ。」

「あぁ、ファンのおかげですね分かります。」

「俺もな光に撮られとったペン回しの映像を投稿されとってな、結構再生回数多いんやで!!」

「へー…謙也君もうpを……え?…あーーー!!どっかで見たことのある人だなぁって思ってたらあの人か、ペン回しが速すぎてヤバい人!!通称スピンさん!!」

「知っとるんか!?」

「うん、ランキング入ってたし見たよ!!マイリスにだって入れました!
ファンなんですけど!!あー…だから昨日引っかかったのか…スッキリスッキリ。
え?四天宝寺マジ神じゃね?転校したい……。」

「撫子さんなら俺大歓迎ですわ。」

「俺もー。」

「ちょい待ち、撫子は変なプロジェクトで氷帝居るんやろが。無理やろ。」

「………知ってますー、言ってみただけですー。
ハァ、なんで他の学校にはそんなにスペック高いの?氷帝なんて全っ然、居ないもん、つかこっちの人種居なさすぎ。」

「確かに、それは認めるわ…。」

「「ハァ……。」」

撫子と忍足がとてつもなく深いため息をつく。

「そんな暗くなるんやないって、ほらメールとか色々、他の学校の奴らとも連絡とりやすい時代になったんやし、ええやないか。」

励ますように謙也が言う。

「謙也君…いいこと言うね…ありがとよ。」

「そや、撫子さんリレー小説っつーかコラボ小説せーへん?
俺と撫子さんの一次創作のキャラで。
相互記念や。」

「え!?良いの!?」

「もちろんや!!」

「やったら俺も撫子さんの為の曲、作るから歌ってください。」

「私の為の曲!?
そんな、名誉すぎる!!いいの!?こんなしがなすぎる私が原曲的扱いの歌声になっても!?」

「良いに決まっとるっすわ。
むしろ承諾してくれて、俺の方こそ名誉っすわ。」

「あー…何て言う幸せ。幸村様、お誘い下さってありがとうございました。」

(フフフ、もっと感謝してもいいんだよ?)

「!?今、声が!?」

どこからともなく幸村の声が聞こえた気がした。

「ん?何も聞こえへんよ?」

うん、どうやら撫子の空耳のようだ。

「そか…うわ、ホント上京して良かった…。こんなに有名どころとリア友になれるなんて。」

「俺も、切原ってやつと言い争って良かった…撫子さんが氷帝から派遣とか、俺ホンマGJ。」

「ホンマ財前GJ。」

「そだったねー、元は光君と赤也君のそれから始まったんだっけー。」

「撫子さん…怒っとりますか?」

少し言い方に棘を感じたようで財前はおずおずと聞く。

「いんやー?むしろありがとう。氷帝の方の部活サボれたし、新しいCP見つけることが出来たし。収穫いっぱーい!!」


[ 133/392 ]

[*prev] [next#]
[mark]
[mokuji]