青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第125話


一段落してやっとまともな会話をし始める三人。

「……お待たせしてしまったようでさーせんした。」

「いんや、こっちこそ変なもん見られてもーたな。」

「ホンマっすわ。部長が大人しく生け贄になっていけば万々歳やったのに…。」

「なんや財前、お前今日おまけやr「それよりも撫子さん、その服似合っとります。」

「え?…そうかな…。」

「おん、めっちゃ似合っとります。俺と同じ系統やないですか。」

「私これ以外ジャージしか持ってなくて…ね。もっとイタイタしいものなら有ったけど。
ジャンル被っちゃったねごめん。」

「そんな、むしろ被って嬉いっすわ。ペアルックみたいやん?
どおっす?このまま俺の嫁になりません?」

「光君が私の嫁になってよ。」

「ちょっと待ちぃ!!なに俺を置いてけぼりにしてんねん!」

「なんすか部長。爽やか歌のお兄さんはその辺で歌でも歌っといて下さい。」

ザマァ、と言いたげな表情で財前は白石を見下す。

「俺めっちゃアウェイや!!ちょっとその辺の店でゴシック調の服買ってくる!!」

「ちょ蔵さん!!そこまでしなくても!!」

そのままどこかに走り去ってしまう勢いの白石を呼び止める。

「チッ。」

財前は静かに舌打ち。

「せやかて俺も撫子さんとおそろがええ!!」

「そんな金があるなら軍資金にしなさいよ!!これから遊ぶのに!!」

「やから買うんや!!二人がゴシックで俺だけこれとか耐えれへん!」

「あー…あ、蔵さんちょっとこっち来て。」

何か思いついたようだ。

「これかしてあげるよ。」

肌寒いからと羽織っていたコートを白石に渡す。

「え!?ええんか?」

「いいからいいから、早く袖通したら?サイズ大きいから入ると思うよ?」

「お、おん。」

「で、サングラスをかけて…後は…。」

撫子がつけていたブレスレットやシルバーリングを少しずつ白石に分ける。

「まぁこれでいいでしょう。光君どう?」

「さ、流石撫子さんや。女子力ありますやん。」

「いや、このコーデはヲタ力だ。」

「おおきになぁ!!」

ドヤァ、と財前を見下す。

いいやろ、撫子さんの服着れてんでぇ。
と目線で訴える。

「クッ羨ましい…。」

「え?光君なんか言った?」

「いいえ、何も…ほら行きましょうよ。時間は限られてるんやし。」

「あ、そうだねー。
では…とりあえず池袋のメイト行きましょ。」

東京と言えばもっと有名スポットがあるだろうに、何故そこをチョイスしたし。
そしてそれが自然だと言うように二人は無反応。

このメンツ、ツッコミ隊員が不足しています。




池袋のメイトに着くなり撫子は別行動を促す。

「じゃ、後で!!」

「「ちょ、待ちぃ!!」」

撫子の服を掴んで動きを遮る。

「なっなんだよ!!」

「いやいや、なんだよってこっちのセリフっすわ。なんで着いた瞬間別行動なんや。」

「…だって…私もここのメイト初めてだから…無敵に素敵な薄い本(BL)を探しに行きたいんだよ…流石に光君は腐ってないし…。」

「そうっすけど…。」

「やったら俺撫子さんと行くぅ。
財前はその辺でキャラグッズを漁っときゃええやん。後で待ち合わせしようや。」

ここぞとばかりに白石は別行動の案をごり押しする。

「そうだねぇ…蔵さんは腐ってるからいいかぁ…効率的だし…。」

「……っ撫子さん…。」

撫子が最終決定を下そうとした瞬間財前が撫子の目の前に移動、そしてどこぞのチワワのCMの様に撫子を上目遣いで見る。

「っ!?」

「俺…撫子さんと一緒に居たいっす。」

「財前がプライドを捨てた…やと…!?」

白石にも予想外だったこの行動。

「そうだね!!三人で一緒に今日はこの中探検しよう!何も今日見なくちゃいけないって事はないんだしね!!」

三人は中を探検することになった。

「(しゃぁ!!計画通りや!!)」

「(撫子さーん!今、今の財前の顔見たってぇ!!ものごっつ悪い顔しとるでぇ!!)」

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