青春デストロイ!? 第119話 「撫子さんここどうぞ。」 財前が自分の隣に空間を作り撫子を手招きした。 「ありがとう。」 撫子は言われたようにそこに座る。 「(ヤバっ撫子さんが隣に居る。え、これなんて嫁?間違えた、夢? なんかええ香りがしてきたな。さすが撫子さん。俺の嫁や。)」 と財前が俺の嫁宣言をしている間撫子の脳内では準備運動をしていた。 さって、脳内の腕?がなりますなぁ!! 二人はゆっくりと試合を観戦した。 忍足君…シングルスやってるけど…なんかなれてない感じなプレーだな…。 「ねぇ財前さん…忍足君、いつもはダブルスだったりする?」 「はい、そうっすわ。いつもはおr…光(ひかる)が組んどるわ。」 「なっ!?…そうなんだ。どうりで…。」 私の萌えレーダーが中途半端にしか反応しないわけだ。 財前君どんな男子なんだ? 財前さん教えてくれないんだもんなぁ…あ、他の人に聞けばいいな。 うん、後で聞こう。 「千歳君キラキラしてるね…。」 何?セルフキラキラ?背中にバラor百合とかのあれ? 「そっす…才気煥発の極みっすわ。」 「ほー…。」 最近、中学のテニスレベルあがったな。 すげ、 あ…小春さんと一氏君……。 うおー…!!スモールスプリングwithカッパが現実世界にいる。うわー!!ヤバすヤバす!!ホントにいるんだぁ!! さっすがエクスタさんリアリティの神!! 「フフフッみんな動きが悪いよ。」 対戦相手だったブン太とジャッカルの動きがピシリと止まる。 「ゆ、幸村君!?」 一氏から幸村の声が聞こえてきた。 「あぁ、一氏先輩の声マネっすわ。」 「そうなんだ…。」 「小春〜、やったでぇ!!」 「ユウ君流石やぁ。」 「当たり前やろ!!笑顔動画にうpした動画で批判コメ0を叩き出してるんやし!」 ほぅ、笑顔動画か。フムフム…で、うp…してるのか…………へーー。 「ハァ!?笑顔動画ぁ!?」 「そうっすよ撫子さん、一氏先輩はうじうじっつーHNで活動中の歌い手っすわ。」 「な!?うじうじさん!?うっそ…え、え……ま、ちょ。」 思わずベンチから腰を浮かべた。 どうしよう、落ち着けない。落ち着けないよぉ!!あの、あのうじうじさんが…そんな。 まって、心の準備がッ…あぁ、どうしよう…とりあえず結婚の申し出…じゃない!! そうだ、部室に駆け込んで発散してこよう。うんそうしよう。 では財前さんちょっと失礼、 「おっきい姉ちゃん避けてやぁ!!!!」 「撫子さん、危ないッ!!」 「え?」 立ち上がっている撫子の顔面をめがけてテニスボールが飛んできた。 どうやら金太郎の打ったボールがコントロールを失いこちらに飛んできたようだ。 「ッ!?」 とっさの事で頭が追いついていかない。 撫子は飛んでくるボールを見つめることしかできなかった。 強い衝撃と共に撫子の意識はぷっつりと途絶えた。 [mark] [mokuji] |