青春デストロイ!? 第111話 「…えらいクールやなぁ椿崎さんは。」 「うん、そうだね。あれでもましになったんだよ?」 少し顔をしかめる幸村。 「どういうこっちゃ?」 穏便な空気ではないことを読みとったのか白石が真面目に聞く。 「実はね、椿崎さん…昔…いじめにあっていたんだ。 詳しいことは省くけど、今はいじめも無くなったし平和になったんだけど…当分の間感情がなかったし、向こうから話しかけてくることもなかったんだ。」(まぁ、嘘だけど。) 「そう…なんか…。」 「うん、だから椿崎さんと関わるときは気をつけてね?何が地雷か俺達も完璧に把握してないんだ。」 「分かったわ…みんなにも言っとく。」 「ありがとう。」(これ凄く面白いことになるんじゃないかな?) 魔王降臨満往時して。 撫子の迷惑なんて知ったことじゃないんですね、分かります。 撫子が居ない間に壮大な過去が作り上げられた瞬間だった。 水道場に再び。 「よっ…し、作るか。」 ぺぺぺぺぺぺーッと作っていく。 「オワター!! …ってまたやったぁ!!運ぶ物が無いー!!仕方ない…その辺の平員使うか。」 撫子は適当に部員を呼び持って行くのを手伝ってほしいと伝えた。 部員は快く引き受け平員分を持って行ってくれた。 「ありがとう、少年。」 撫子も四天宝寺とレギュラーにとドリンクを持って行く。 すると丁度休憩に入ったのか集まり話し合っている四天宝寺メンバーを発見。 ただならぬ真剣さが伝わってきた。 そんな空気に入っていくほど度胸がなかったので撫子は先に立海メンバーにドリンクを配ることにした。 立海側も何か話し合っていたようだが、撫子にとっては関係無い。 「ドリンクだよ。」 「ありがとう椿崎さん。」 「おい仁王…と言うより全員…何?何か私ヘマした?」 幸村以外は肩を震わせて、口に手を当て何かに対して笑いをこらえていた。 「やーのぉ、椿崎…頑張るんじゃぞ。」 「は?」 「椿崎さん、もの凄く面白いことになってるからね。期待してるよ。」 「何が?」 「撫子さんには壮大な過去が作られたということだ。」 「いや意味わかんねぇよ。」 「とりあえず四天宝寺にドリンクを配りに行くと良いよ。ネタばらしは後で教えてあげるよ。」 「……ハァ、分かったよ。」 教える気が幸村に感じられなかったので撫子は今理解することは諦めた。 「そうだ撫子さん、午前中はマネにさせる仕事は無い。部室で俺達が呼びに行くまでゆっくりするといい。」 「マジか!?サンキュー。」 ドリンクをジャッカルに手渡し撫子は四天宝寺の所に向かう。 話は終わっていたようでとりあえずは普通の空気が漂っていた。 「四天宝寺の皆、お待たせ。財前さんが作ったものじゃないけど私が作ったものを飲んでくれる?」 「了解したわ。」 代表で白石が言う。 「濃いめを頼んだ方は誰?」 「あぁ、金ちゃんや。 おーい金ちゃん、ドリンクや取りおいでぇ。」 「わーった!!」 トテチテターっと駆け寄ってくる金太郎、マジ天使。 「おっきい姉ちゃんありがとな!!」 「…おっきい?」 「わ、アホ!!」(地雷か?これ地雷なんか?) 白石の焦りは金太郎には通じなかったようで何事も無かったかのようにドリンクを飲み始める。 「…すまんな、椿崎さん。」 「何が?……あぁ、全く気にしてないから。」 身長のことか…別に気にしてないし、むしろこの身長によって金ちゃんが小動物に見えるし。 GJ俺の身長。 [mark] [mokuji] |