青春デストロイ!? 第110話 「まぁ、なんでもいいすわ。お…私もうちの分のドリンクを作りに来たんや…。」(なんで俺がドリンク作らなあかんのや。) スルーしてくれた。ありがとう財前さん。 しかし財前さん顔色がテラ悪い。 赤くなったり青くなったり。 証拠に仕事が速いというマネージャーなのに手元がとてもゆっくりだ。 「…財前さん…顔色が悪いけど大丈夫なの?手元もおぼついて無いようだけど…。」 「…………実は熱っぽくて…。」(せや、コイツに押し付ければええんや。) 「え?何故練習試合に参加を?」 「……マネージャーの義務やから…。」(俺、選手やけど。) 「ッ!!」 なんてマネージャーの鏡なの!? そんなとってもいい子がこんな無理をするなんて、私耐えれない!! 「財前さん部室で休んでいて、私が全部するから。」 「…やけど。」(計画通りや。) 「無理して倒れたら元も子もないわ。 私から言っとくから、ほら行きましょ。」 「ぅわ!?」 撫子は財前をいきなりおんぶをした。 軽々だ。 「ちょっ、椿崎さん!?」(女におぶられるなんて、ちょっ!!) 降ろしてもらおうと少々暴れる。 「暴れないで、大丈夫。落とさないから。」 ニコリと話しかける。 顔は見えないが…。 諦めたのか暴れるのをやめ大人しくする。 「……………。」(そういう問題とちゃう。) 二人は部室にたどり着き撫子はテキパキと簡易ベッド(長いすをくっつけただけ)を作りここで横になっておくようにと財前に言う。 断る理由も無いので指示に従う財前。 「じゃ、私は部長達に伝えてくるから大人しくしてて。」 「…はい。」 撫子は部室を出て行った。 「ッ……ハァーー…。 なんでホンマに立海にはマネージャーが居るねん。 しかもなんや?ホンマ、ハイスペックやんあんなん二次元にしか居らんやろ。しかも俺より身長高いってあり得へんわ。 居らんかったら俺もこんな事せんと試合できたんに…ハァ。」 ブツブツと文句をたれる。 ふと机の上を見てみるとiPodが置かれてあった、興味がある。 人が戻ってくる前に元あった場所に戻せばいいと思い中身を見てみることにした。 「あ…これめっちゃイタいiPodや…。」 机の上に放置されていたiPodを手に取りいじり始めた。 入っている曲はアニソン、キャラソン、ボカロ…。 「これ誰のやろ。 あ…俺の作った曲がめっちゃ入っとる……。 これ相当ヲタクやな…誰のやホンマ、」 いじりまくっていたら動画も入っていることに気づく。 あれよあれよと出てくる腐向けなウフンな動画たち。 まぁ、自分しか見ないものだからその辺は自重しませんよね。 「……これ、持ち主腐っとるわ…女子のか? 女子って言うたら椿崎ちゅー人しかおらんよなぁ。 …もしかしてそいつ腐女子なんか?何が完璧なクールビューティーやねん。女子として腐っとるやん。 腐っとっても許せるんは撫子さんまでや。あんな万能人間に惚れん奴は居らへんやろ。 ……撫子?そういやぁ椿崎さんも撫子つっとったな…。いやあり得へんやろ。本名で活動てないない……よな? え?ちょい待ち撫子さんもアイツも身長170オーバーで…。 もしかして本物の撫子さんなんか!?え!?ホンマどうしょう!!ホンマもんやったら俺…ッ!! 次ここに来てくれたとき聞いてみよ。」 決意を表明し手に取ってあったiPodを見つめる。 「……撫子さんの私物…。」 撫子は部室を出てウォーミングアップをしている部長コンビに話しかける。 「幸村部長に白石君。伝えたいことがあるの。」 「なんだい?」 「ん?なんや?」 「財前さんの気分が優れないようだったから部室の方で安静にしてるってこと。」 「お、おぉ…すまんな。」(財前…さぼったな。) 苦笑する。 「はい、ですので四天宝寺のマネの仕事も私の方で担うわ。」 「…おおきに。」 「では、ドリンクの味はどうする?皆、普通が良い?薄目が良い?濃いめが良い?」 こんなサービスめったにしないんだからね。 「えっと…一本だけ濃いめで後は薄めにしたって下さい。」 「分かったわ、部長失礼。」 一礼をしてドリンクを作るため去る。 [mark] [mokuji] |