青春デストロイ!? 第107話 鏡の中にはユルフワなカールの髪型をした、少々垂れ目の姫カワ系の人物が居た。 「え?だって目つきの悪さが緩和されすぎてキモい。私整形でもした?」 「メイクだけぜよ。」 「おいおい、仁王…いやペテンさんよ。何お前、性別男やってんだよ。 お前実は女じゃないのか?あーん?」 不良が絡むように仁王に絡む。 「そんな訳なか。」 「このメイクスキルで男っていうのがもったない…。」 まじまじともう一度鏡を覗く。 「ねぇ、椿崎さん。こっち向いてよ。」 「ん?」 撫子は振り返り幸村を見る。 ……………。 メンバー絶句。 「いや、あんたらさっきメイク中の顔見たでしょ。」 「髪型が…さ。なぁジャッカル。」 「あ、あぁ。」 「へー…。」 そんなにも違うのか……フッ。 撫子がとても悪い顔をした。 仁王に耳打ちをする。 「ねぇ、仁王。この中で一番単純な人って誰?」 「そうじゃのー…赤也か、真田ぜよ。」 「そーか、そーか。」 「なにする気じゃ?」 「そりゃぁ、悪戯に決まってるっしょ?」 「おまんはホンマ面白いことを考える奴じゃな。」 「……褒めても何も出ないぞ☆」 撫子は仁王から視線を移し、真田と赤也を見つめる。 「赤也君と真田君、ちょっと一歩前に出てくれるかな?」 二人は頭に?マークを出しながらも指示に従った。 撫子はその二人の前まで歩いて行き座り込む。 ちなみに男子には出来ないあの座り方だ。 そして両手を両足の間に入れ床に手をつく、少し猫背。 少し首を傾げ、顎を引き、上目遣い。 「セクシービーム(笑)」 ピロリーン―― 「たたた、たたるんどる!!」 「な!?撫子さん!?」 二人の慌てようが物凄く面白かった。 「アハハハハ!!最っ高!素の私がやってもガン飛ばしてる風にしか見えないのに。 仁王、後でこのメイクの仕方教えてよ。」 「いいぜよ。」 「つか今、誰が写メ撮った?今すぐ消せ。」 セクシービーム(笑)のポーズを誰かが写メった音がした。 流石にあんなものを第三者に見せられると思うとたまったもんじゃい。 「え?何?俺に命令?」 「ゆゆゆ幸村様でありましたか!?できれば消していただきたく…。」 「イ・ヤ☆」 「ですよねー…。」 「そうだよ、だって面白い写真を撮ってくれるなら貸してくれるって滝君が言ってたもん。」 「ああああああ、そのデータは滝様に行くのですね!?」 「うん、もう送っちゃったー。」 送信完了画面を撫子に見せつける幸村。 「アハハハハホントだー…。」 部室のドアが開く。 「失礼します。部長、四天宝寺のバスが到着しました。」 立海の後輩が報告に来た。 「あぁ、ありがとう。…みんな行こうか。」 「「「「「イエッサー!!」」」」」 「あああッちょっと待って!!私鞄しまえてない!!あ、iPodがッ。」 鞄は隅に置くことができたが、乱暴に扱ったためにiPodが鞄の中から出てしまった。 「椿崎さん、行くよ?待たせちゃ悪いじゃないか。」 「イ、イエッサー!!」 机の上に落ちてしまったiPodは後から回収しよう。 [mark] [mokuji] |