青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第105話


「…で、私は生け贄になったと。」

「もうちわけない…こちらの学校内でも当てはまる人を探したのだが…見つからなくてな。
撫子さんならメイク一つで変わるし、仕事も早い。演技も出来る。さらには氷帝でお姉様と呼ばれているらしいではないか。
最強の人材だった。」

誇るように言い放つ。

「何故お姉様呼びを知っている!?」

流石にサイトにはそんなこと書いてないぞ。

「俺の情報網を甘く見てもらっては困る。」

「私の予定はガン無視かよ。…だから滝は許したのか?」

こんな面白そうなこと…。

「うん、そうだよ。
滝君って理解があるから助かるよ。」

「そか…。」

「撫子さん…ごめんなさいっす…。」

赤也が初めて口を開いた。

可愛いじゃねーの!!

「俺からも頼む。」

「マスター……言い方がダメ、もっと取引先に言うみたいに言って。」

「…一日だけ、立海のマネージャーになってください。」

「っしゃー!!流石マスター分かってるぅ!今のでテンションMAXになったから何でも任せんしゃい!!」

「椿崎…それ俺の口調じゃ。」

「良いじゃん、別に減るもんじゃないし。」

「あぁ、そうだ。撫子さん顔をにやけさせたりするのは止めてもらいたい。」

「な!?私のアイデンティティーの消失!!」

「いや、赤也がパーフェクトな人物だと伝えたために、にやけ顔を晒すのはどうかと思うんだ。」

「あー、やる気削げたー。にやけることが出来ないなんて…。」

「撫子さん朗報だ。」

「……何だい?」

「これから来る四天宝寺も俺達のように高クォリティーの奴らだ。さらに黒属性は居ない。」

「!?と言うことは!!」

「かけ算のし放題、やり放題だ。奴らの前でにやけなかったらいい。にやけそうになったらここに逃げ込めばいい。」

「キャーッ!!やる気満々メーターマックスDEATH★」

イスから立ち上がろうとするが柳生に阻まれる。

「椿崎さん今立たないで下さい。まだ終わってません。」

「あ…実にさーせん。」

メイクが終わるまでしばらくの沈黙。
幸村は撫子をガン見。

メイク中の顔を見られるのは少し抵抗があるが…逆らえる訳ねーじゃん。

「メイクは終了じゃ。後はヅラを…。」

被せ…。

「の前に、これに着替えてくれんかの?」

仁王が紙袋を差し出す。

「ん?分かった。」

受け取り、中身を見る。
その中には立海のレギュラーウェアが入っていた。

「!?これ…。」

「今日1日だけは椿崎さんも俺達の仲間だ。だからその証明にね。
仁王の予備のだけど…我慢してね?」

「う、わー。なんか感動して泣きそう…。」

「大袈裟だろぃ。」

「違うのですよ、ブン太君。
私、氷帝でマネージャーしてるけど…お揃いのジャージじゃないのですよ…。」

そうなんです。仕事をする時は体育の時に着ているジャージか、家で着ているジャージか。

「それはそれは…。」

「もう立海に転校してやろうかなぁ…。」

「それは滝君が許さないんじゃないかなぁ?俺は大歓迎だけどね。」

「あー…そだね。よし、着替えるか。」

撫子は外に出て着替えようとする。

「ちょっ撫子さん、何するんっすか!?」

「着替えようと…。」


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