青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第103話


「あー…今日は立海に行かなきゃならんのか…。」

ついに土曜日、幸村の呼び出しを食らっていたので早い時間に起きた。

起きて、着替えて、ご飯を食べて…。

「行くか。」

電車に乗って立海駅に到着。

「…普通に行っても面白くないよなぁ……。」

鞄からおもむろにケータイを取り出しそして非通知設定に、
アドレスから一人の人物の電話番号を選択し、かける。

「あーぁーあ゛ーぁ、」

声を変える。撫子が一番怖いと思っている声優さんの声に、

『…誰じゃ?』

今、あなた一人かしら?

『…………今はな。』

おいおい、知らないヤツにそんな事言うのかよ。
警戒意識が低いのか?

私、今立海駅に居るの。会いに行くから待っててね?
私からの電話出てくれないとイヤ、だからね。
」ブチ

そう、仁王に電話をかけた。
そして『私、メーリーごっこ』を始めた。

「うん、マンネリ化って良くないと思うんだ。」

立海大を目指し歩く、

今、コンビニの前に居るの。
今、公園を横切ったわ。
今、痛車を見かけたわ。

等々、実況中継をしながら進んだ。
なかなか楽しい物がある。

仁王の声がだんだん近づいていくうちに上擦った声になっている。
ヤベ、可愛いなオイ。

今、立海大の裏門のところについたわ。
今、あなたの居る部室の前まで来たわ…開けて?」カリ…カリカリカリカリカリカリカリ

ドアをひっかく。

ガッ!!

「ヴガァ…!!」

扉を勢いよく開けられて撫子は扉で頭を強打しその場に倒れた。

「誰じゃ!!俺怖くないけんな!!幽霊なんか信じとらんぜよ!!」

「涙目…言い訳……萌え、」

痛みを耐えながらの感想。

「………椿崎!?なんでおまんがこんな、倒れとるんじゃ!?」

「いや、テメェのせいだよ。」

痛みを通り越して、怒りが生まれた。

「あんたね、ドアはゆっくり開けないとダメだろが!!頭かち割れるかと思ったわ!!」

「…椿崎が悪いんじゃ、そんなメーリーさんのマネなんてしよってからに。」

「…登場のマンネリ化って良くないと思うんだ。」

「あれ?椿崎さん。なんで敷地内に入ってるの?」

後ろから声がした。
振り返ってみると、仁王以外の立海レギュラー陣が立っている。

「俺達正門まで迎えに行ってたのに…。」

無駄だったじゃないか。

と怒りの声が聞こえない気がしなくもないが、聞こえなかったことにする。

仁王が一人部室に残された理由は前回撫子が立海に来たときに、柳生の怒りに触れ「今回は行くな」という命がくだっていたそうだ。

命令に従順なイケメン萌え。


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