青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第100話


「分かった!無理はしないさ、次のテストからはしないよ。」

ちゃんと授業は受けるようにする。

「し、宍戸さん。俺やりましたよ!!椿崎さんを説得しましたよ!!」

褒めて褒めて、と言わんばかりに長太郎が宍戸に近寄る。

「忍足、どうしよう。私…鳳に犬耳と尻尾が見える……。」

「安心しぃ…俺もや。」


「あ、あぁ長太郎よくやった。」

「はい!!」

「あのよ…激ツッコミてぇ事があんだけど。」

「はい、なんでしょう。」

「俺ら半裸なんだが?」

そう、メンバーは着替えるために部室に戻っていた。
即ち撫子が覚醒したときには皆さんお着替え なう。

「「「「あ……。」」」」

「あらホント、目の抱擁。」

「それを言うなら目の保養や。」

いつも通り平常心の撫子と忍足。

「撫子が騒がなかったから気付かなかったC。チョー自然体だった。」

「いやー…今更男子の半裸見て騒ぐほどじゃないし…。」

「…それ女子としてどうなんだ?」

「撫子やもん、そんな常識通じんで。」

「やだ、テレるじゃない。」

「別に褒めとらんで。」

「ブー…いや、だってさ私の元学校普通に男子と混合でプールの授業あったし…。
まぁ…でも、君らみたいな筋肉無かったけどね…残念だ。だから君達には期待してるよ!!」

「撫子何言ってんだ?氷帝のプールの授業は男女別だぜ?」

「な、ん…だと!?」

「逆に混合だったって言う方が驚いたC。」

「絶望したー!!えー、たかが中坊なんだからそんな分けなくても良いじゃんかよー!!
そりゃあ跡部みたいに中学生に見えないヤツもいるけどさー!!」

「アーン?それはテメェ…まぁ、いい。
それより帰って勉強しなくても良いのか?」

「あ!!そうだった。
くっそ目の前に素敵な腹筋達が居られるのにっ…クゥッ。
テストが終わったらまた見せてねー。」

「誰が見せるか。」

そして嵐は去っていった。

「なぁ跡部、お前帰国子女やろ?英語教えてやっても良かったんとちゃうん?」

「…俺様が敵に塩を送るような真似すると思ってんのか?」

「…聞いた俺がアホやった。」

「ふん、まぁでも…椿崎が俺様に『教えて下さいお願いします。』って土下座するんなら教えてやっても良いがな。」

「………いや、それまたお前の声で言われるんじゃね?」

宍戸の言葉に跡部は顔を強ばらせる。
思い出してしまったその他のメンバーは笑いを必死で堪えながら手をせかせかと動かし部室から退却しようと頑張る。

「せやなぁ…しかも土下座て…絶対撫子のことや、跡部のヅラも用意してやらかすで…。」

見てみたいと思った一同。不覚にも想像してしまい、笑いに拍車がかかる。

「プっ……。」

ジローが吹き出してしまった。
連鎖が起こるのは簡単だ。
しかし、阻止しなければ…確実に跡部の怒りのバーストストリームが炸裂する。

みんなの心が一つになる。
幸いジローは着替え終わっていたようで後は脱いだ物を鞄に突っ込めば帰えれる状態だった。

比較的免疫のついた忍足がジローを抱え。
岳人が荷物をかき集め、日吉が鞄の口を大きく開け受け止め万全の状態に、
荷物が入った鞄を宍戸に渡し宍戸は鞄を抱え部室の外へ。

「「「「跡部(さん)(部長)、じゃ!!(さいなら!!)(お疲れ様でした。)」」」」

脱兎の如く逃げ出した。
そして樺地と共に残された跡部。
跡部の耳には部室の外から聞こえてくる、大きな笑い声。

「…くそっ、あいつら聞こえてるぞ。なぁ樺地。」

「ウ、ウス。」

樺地も笑いを堪えていたため声が震える。
しかし、言葉が短かったため跡部には聞き取られなかったようだ。
一安心だ。


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