青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第96話


帰ってから撫子の猛勉強が始まった。
部活がテスト前だからと言って休みにならないことを知ってしまっていたからなおさらだ。
腹いせに忍足のメガネを叩き割ったことは記憶に新しい。
ならば何故撫子がテスト週間だと忘れていたのか、

目の前に沢山の萌えがあったからだ。

子猫ちゃんや舎弟を学校にて相手をし、さらに部活では観察するのが楽しすぎて、家に帰ってからサイト更新フラッシュで、
すっかり忘れていたのだ。

今は授業も真面目に受けだし、10分休みも無駄にはしない。
部活には参加し、最低限の準備をしてからマネージャー室に引きこもった。

レギュラーメンバーは何時もガン見してくる撫子の視線がないことに気づき同じクラスの忍足にどういう事か聞く。

「なぁ侑士、撫子はなんでいきなり勉強し始めてんだ?」

「あー…撫子ってなんかのプロジェクトで氷帝に来たやん?」

「おぉ。」

「なんでもその条件に明日から始まる定期テストでは10位以内に入らんとあかんらしい…。」

「え!?10位以内!?」

「それホントなの!?」

「おぉジロー、ホンマや書類見せて貰ったんや。
…ついでに言うならテスト前でも部活があるっ言うたときなんて…メガネ、叩き割られたわ…。
伊達やって分かってからのメガネの扱いが酷くなっとるで…。」

「まぁ、侑士のメガネは放っておいても問題ないとして…撫子…頭良かったんだなぁ…。」

「俺、撫子は…頭悪いかと思ってたC…。」

「ジローそれは酷いな。」

「しっかしよー、いきなり詰めても意味あんのか?」

「俺もそう思ってなぁ…ちょっかい出したら…メガネ二号が宙を舞ったで…。」

「……長太郎、説得してこい。」

「え!?何でですか!!俺そんな椿崎さんに関わりたくないです。」

「せや、お前ら撫子に無理すんなって説得してや。
俺は撫子の萌えレーダーに引っかからんけん、岳人らで気を紛らわせてやってや。」

「なんで俺が!!」

「俺席隣やけん知っとんやけどな…休憩時間もずっと勉強しとるんや…。」

「でもテスト前って他の人も同じ様な事してるC。」

「そうだぜ、トップ10のメンツは大体がり勉してるぜ?
まぁ、跡部は…まぁ跡部だしよ。」

「せやけど!
目の前に現れる会長さんや、舎弟のかわい子君が現れても、何時もなら暴走して頭撫で回してるのに、今日はいっこも反応せんかったんや!!一大事やで!!」

「なっ、それは本当なの!?忍足!!」

「ジロー!!分かってくれるか!?」

「分かるC!!
だって撫子から暴走しなかったら炭酸の抜けたコーラ+真夏、クーラーをかけてない車の中にコーラを数時間放置したようなもんだC!!」

「……ジロー…お前の撫子に対するイメージ酷くね?
車内コーラとか殺人並。」

「岳人!!俺らの出番だよ!!今こそ撫子を助けるんだ!!」

ジローが岳人の腕を引っ張りマネージャー室に向かおうとする。

「ちょっ助けるんだって何から!?」

「……岳人ー、そこはノリでのってよー…。」

「考えてなかったのか…ま、助けてやらぁ!!これ以上平均点が上がったらたまったもんじゃねーし!!」

岳人とジローがマネージャー室にダッシュ。

「そんな呑気なこと言ってますけど…皆さんは平気なんですか?」

「お!ピヨシート、俺らの成績の心配してくれるんかぁ?」

「いえ、ただ頭の悪い先輩の後輩なんてしたくないんで、
椿崎先輩ぐらい努力してほしいですよ。
あとピヨシートってなんですか?俺の名前は日吉です。先輩は人の名前もろくに言えないくらい頭が弱ってたんですね。」

「…日吉…何時にもまして毒舌のキレが増しとらへん?」

「こちらも勉強と部活のストレスがあるんですよ。目の前で勉強する人の邪魔をする計画をされたら、より苛立ちが増すだけだったんで。」

「…なんか…すんません。」

「謝るくらいならその馬鹿らしい計画を止めてあげて下さい。」

「なんだよ日吉、やけに椿崎の肩もつじゃねーか。」

「宍戸先輩はバカですか?
椿崎先輩の参加してるプロジェクトはまだ成績を残してませんから、先輩が10位以内に入らなかったら…プロジェクト失敗ってことで椿崎先輩、岡山に帰りますよ?」




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