青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第95話


「え…ここって保健室じゃね?」

鍵がかかっていたようだが不二がカチャリと開錠した。

撫子はリョーマの手をふりほどきリョーマの前にディフェンスのポーズで立ちふさがる。

「ダメよリョーマ!!ここは心に決めた人と一緒に来て!!そん時は私も見学に行くから!!
出来れば…あー……桃城君と?」

いや、桃城君は受けの…はず。クッ情報が欲しいですッ!!マスター!!もしくは臨也さーん!!

「え、ちょっ!?」

リョーマは撫子にじりじりと近づいていく。
撫子は後ろ歩きで下がっていった。

「仙人掌さーん、リョーマが暴走してるー。たっけてー。」

「見てるこっちはかなり楽しいから続けて?」

「ヲイ、ってぅわ!?」

撫子は何かにつまづき後ろに倒れた。
幸い背中にはベッドがあり背中を床に打ち付けることはなかった。

「いててて…。」

リョーマはそのまま撫子に覆い被さるポーズをとる。
ついでに撫子の長い髪の毛を一房握り髪にキスをする。

ポカン顔の撫子。

「不二先輩。」

「うん、分かってるよ。
撫子さんこっち見て?」

「え?」

カシャ、

「越前撮れたよ。撫子さんからどいて?」

「ウィーッス。」

リョーマは撫子から退く。

「…リョ、リョーマ…アンタって子は。」

「記念だし…いいっすよね?」

俺女装までしたんで、とニヤリと笑う。

「いや…まぁ、…うん。
つか仙人掌さん助けてよ!!あなたの後輩なんか凄いよ!?ビックリダヨー。」

「だって僕も撫子さんのポカン顔カメラに納めたかったしね。
ほら僕ってスクープ写真撮るの好きだし。」

「おぉ、味方が居なーい。
…………ん?あ、そうだ!!リョーマそこを動かないでね。」

撫子は自分の鞄の中から再び一護のウィッグを取り出し装着。
そしてベッドの横に立ってるリョーマをベッドに押し倒す。

「え!?」

「さぁ仙人掌さん!!撮って!!
絵の資料にしたいから色んな角度で!!」

「うん、いいよ。」

不二は言われたように写真を撮る。
何枚か撮って撫子は満足したようだ。

「そうだね!!絵の資料に写真を撮るのも良いね。
私とリョーマの身長差だったらいい感じの物になるじゃん、ね!!」

「フフフッそうだね。」

「仙人掌さん今日は誘ってくれてありがとね!!リョーマも!!楽しかったよ。」

撫子は保健室を去ろうとする。

「あ、撫子さん今日撮った写真なんだけど、僕が撫子さんの学校に持って行ってあげるよ。」

「ん?本当!?」

「うん、滝君って言う人に会ってみたいしね。」

「あー…………うん。」

「なんすか、その間は。」

「分かってるよ!!ホント何から何までありがとう。」

「いいよ、ほら早く帰った方が良いんじゃないかな?」

「そだそだ、ではサイナラー。」

撫子は青学を後にした。
見送った二人もゆっくりと帰る支度をし始めた。

「ねぇ、越前?」

「……なんすか?」

「撫子さんを本当におとそうとしたでしょ。」

「……………。」

「僕は優しいから教えといてあげるけど、撫子さんは越前の事好きになんてならないよ。
友達以上恋人未満が良いところだよ。」

それ以前に萌えの対象なんて言われてるし。

「…そんなの撫子さんが恋愛に興味ないって言ってるんすか?」

「え?越前って撫子さんのサイトって見たこと無いの?」

恋愛よりも萌えの方を優先するのに。

「サイト?……見たこと無いっす。」

「ふーん。」

不二は心の中でほくそ笑む。
面白い展開になりそうだと、

「ま、頑張って。応援はするから。」


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