青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第89話


球技大会が終わって家に帰って一息。

「長い一日だった…。
球技大会があって…男子達から慕われるようになって、跡部に告白されて…、プッ。」

いつ思い出しても面白い。

「プハーっ!!
あ、サイトからメール通知が…。」

何だろうと思ってメールを開く。

『こんにちは撫子さん。
仙人掌です。』

「仙人掌さん…だと…。」

『仙人掌』とは撫子が利用している素材サイト『シャッターチャンスは一度だけ』の管理人。
観葉植物の写真の素材が多い。
カメラアングルが神がかっている。

『いつも僕のサイトの素材を使ってくれてありがとう。
撫子様のコス写真を初めて拝見させていただきました。
僕も写真を撮るのですが、ぜひ撮らせて頂けませんでしょうか?』

撮影会のお誘いのメールだった。

「え?マジ?私なんかをモデルにしても良いんですかぃ!?
なんて…名誉な。
しますしますさせて下さい!!」

速攻OKの返事をする。

『本当ですか?
うわぁ、嬉しいな。
では何時にしましょう、僕は今週の日曜日、午後からがいいな?』

「……何時にしましょうって…仙人掌さん思いっきり日にち&時間指定してきてるじゃん。
何これ、なんか滝とか幸村君と同じにおいがする。
ま、良いんですけどね。」

『良かった。
撮影会は青春学園中等部の校舎で行いたいと思います。
キャラはそちらにお任せします。
では、楽しみにしています。』

「……ブン投げかよ!!
これ絶対、滝属性だ!!うわ、逆らえねぇ!!」

黒属性に逆らうほどの抵抗力を持っていない撫子。
理不尽と思いながらも従う。

「うーん…校舎…パンピが居るかもしれないからなるべく…個性の無いキャラで…あ、脱色の一護にしよ。確か昔卍解一護したことあるからウィッグはある。
あと制服は……カッターシャツに灰色のズボンで代用すりゃぁいいや。」



そして当日。
言われた時間に青春学園へとやってきた。
仙人掌さんを撫子の準備に待たせてはいけないと思い家からカッターシャツにズボンをすでに着ており上から上着を羽織っている、ウィッグネットを装着済みでキャップを被っている。
+メイク済み。
ぱっと見、男子だ。

正門で仙人掌を待つ。

「へーここが青春学園か…なんか田舎の学校を思い出すなぁ。」

「…撫子さん、ですか?」

撫子に声がかかる。
声の主を探してみると、これまた美人さんが居た。

「仙人掌さんですか!?」

「うん、そうだよ。」

茶色い髪の色をした青年が柔らかく微笑む。

「あ、の!!誘ってくれてありがとうございます。
そんで、いつも素敵な素材をうpしてくれてありがとうございます!!」

「いえいえ、こちらこそ誘いに乗ってくれてありがとう。
それ脱色の一護かな?」

「はい!!…まだウィッグ被ってないのによく分かりましたね。」

「うん、だって僕だからね分かるよ。
……ふーん、いい感じだね。」

撫子をじーっと眺めて呟いた。

「ありがとうございます?」

「じゃこれから校舎に入ろうか。」

「はい!!」

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