青春トリップ!!?  | ナノ


キューティクル探偵の世界に行ってきた


「先生ー。ちょっと良いですかぁ?」

ここは因幡探偵事務所。
仕事の依頼はなく暇を持て余している探偵メンツ。
そんな中、ユウタが因幡に声をかけた。

「どうしたんだい?ユウタ君。」

「僕って何しても出来ちゃうじゃないですか。だから出来ないことを見つけようと黒魔術に挑戦したんですけど…。」

「ははーん、何か呼び出しちゃったかな?凶悪なのだったらヤギに送りつけてやろうぜ。」

「僕は荻さんに送りつけたいですね。着払いで。
だけど…凶悪じゃないんですよね。多分中学生を呼び出しちゃいました。」

「キューティクル探偵因幡やぁあきゃああああ!?宍戸が禿じゃない!?」
「あ?ふざけんな!元から禿てねぇ!!」
「ロリ成分がないやと!?」
「残念、ショタも居ない!!」

第一声、撫子。それから宍戸に忍足。
召還云々は全く気にとめてないようだ。
とめるはずも無いがな。

「あっちゃー、四人も召還しちゃうなんて流石ユウタ!」

「えへへー。褒められちゃった。ノアに写メ送ろう。」

「お前らなんて名前だ?
俺は因幡ヒロシだ。よろしく!」

「椿崎撫子でっす!」
「宍戸亮だ。」
「忍足侑士や。」

「僕、ユウター!」

「ツッコミが追い付かない!!」

ほのぼのと自己紹介をしていたらやっとツッコミが飛んできた。
ツッコミ不足、ツッコミ募集である。

「あ、圭君だ!いつもツッコミ役乙ー。」

「頑張れやー。ツッコミ役はツッコミをアイデンティティとされ、ツッコミをしなくなったら駄眼鏡と言うレッテルが貼られてまうからなぁ。」

「だったらツッコませて!!魔法陣から人間って!!なんで慌ててないの!?因幡さんもユウタ君も!!ねぇ!?僕の反応っておかしいわけ!?」

「圭君、ツッコミが長いよ。」

「辛辣!!」

「まぁ、圭のツッコミ病は放っておいて…そこの茶髪長髪男子君!」

因幡は圭を宥めるようにして宍戸に話しかけた。

「お、おぉ。」

「その髪触らせてー、イジらせてー、採取させてー、含ませてー!」

手をワキワキさせながら、よだれを垂らしながら因幡はジリジリとにじり寄っている。
その様子からドン引く様に宍戸は逃げる。

「おい、最初の言い分は分かるが採取ってなんだ。含むってなんだ。」

「そのまんまの意味だぜ!
お前みたいに髪長くてキューティクルの凄い男子って居ないんだよぉお!!ミラ蔵見しら知らねーんだもぉん!!」

「やだね。人に触らせるようなもんじゃねーし。」

「宍戸、いいじゃん別に。お前、髪に愛無いんだからさ。けじめだっつって榊監督の前で断髪式?ホント私がびっくりしたわ。」

撫子がついでに私にもイジらせろ、と言う邪念を含めて因幡の味方をした。

「ぅん?断髪式って…?」

因幡は撫子の言った断髪式という言葉にキョトンとした表情と何とも言えない冷気を纏って聞き直した。

「因幡さん、聞いて下さいよぅ。こいつ私らの世界ではすげぇ禿なんですぜ?その辺の文房具のハサミでバッサリ。全く、自分の髪の希少価値を知らない奴はこれだから…。」

「撫子、テメェ…。いい加減にしろよ…俺は禿げてねぇ!!」

いい加減に禿げ表現に嫌気がさしてきたようで宍戸は叫んだ。
が、しかし。

「いい加減にするのはお前だ!宍戸亮君!!
なんて強がりをしていたんだ!髪の傷みは心の痛み、髪の喪失は心の喪失だぞ!!泣いたっていいんだからな!!」

ブァっと感情を高め、宍戸に訴える。髪に対する情熱を因幡×宍戸÷2すれば丁度いい気がする。
あら、×だなんて素敵。

「因幡さんやっちゃってくださいよぅ!二週間ぐらい拉致監禁してケアしちゃってくださいよぅ!」

「二度と自ら断髪しないように教育してやる、任せとけ!!」

「俺の意志は無視か!!」

「「無視だ!!」」

「ヒロシ。ちょっといいか?」

事務所の扉が開けられて入ってきたのは荻。

「荻ぃ!」
「荻さんだぁ!!」

「普通の奴かッ!助けてくれ!!」

撫子は新たな登場人物にテンションを上げ、宍戸は助けてくれ、と訴えた。

「……助手、説明してくれ。」

いきなり助けてくれだとか、初めて見る顔ぶれで少々驚いた荻は圭に説明を要求。

「えっと…ユウタ君が黒魔術でそこの人達を召還した…らしいです。」

「召還……おい、ヴァレンティーノを召還することは出来ないのか?」

「え!?荻さん利用しちゃうの!?」

「えー?荻さんの為に僕が揚力を使わなきゃ駄目なの?勘弁してよー。」

誰が召還するか、ケッ!と言いたげなユウタ。

「ユウタ、ユウタ!だったらハルカ召還できない?」

「先生の為なら喜んで!!」

先程の荻と同じ様な要求をしたというのにユウタの態度が180°変わった。

「おい、コラ助手。」

「えっとー…これをこうやって…書いて、と…それから……あれ?」

順序よく魔法陣を書いていたのだが、疑問文と共にその手を止めた。

「どうした?」

「この魔法陣で何かを呼び出すには対価が必要って…書いてあるんですけど、僕払った覚えはないよ?」

「へ?」

どうやらトラブルが起きた模様。
しかしそのトラブルは速攻で解決である。
何故なら、対価と言うのはきっと滝から下される指令書のことで、撫子達が払うことになっているだろうから。

「なぁ、撫子…。」

「みなまで言うな、だいたい展開は読めた。」

「は?どう言うことだよ。」

「宍戸、お前は一番気張っとけよ。」

「は?」

撫子は自分のポケットを探り指令書を取り出した。
書かれてある文は『因幡ヒロシが気の済むまで髪をイジらせる(宍戸限定)』

「なんで俺限定なんだよ!!」

「さぁ…強いて言うならレギュラーのあれ、まだ怨んでんじゃないの?」

きっとそうだ。
トリップさせたいだけならオタク組しか飛ばさないだろうし、宍戸の髪を伸ばす必要性を感じない。
他人に嫌がらせをさすなんて策士だな。滝様よ。

「激ダサだぜ!!」

「まぁ、今すぐイジらせなくてもいいよ。私まだまだこの世界で会いたい人居るし。」

「せやな。梓ちゃんに俺は会いたいわ。後ノア。」

「お巡りさんコイツです。そして私はゆずキングとステラと頭が春になりたい。」

「俺とステラを呼ぶ声が聞こえたので!」
「たので、来たー!」

「ヒャッホー!!ビバ地獄耳!!」

人数がハンパない事になった。
決して広いとは言えない事務所でこの人口密度である。

「……激帰りてぇ…。」








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500000hit企画第65弾
亜衣様リクエスト「ヒロインと髪の長い宍戸さん+αでキューティクル探偵へのトリップ」でした。

丁度アニメ開始されましたね^^
タイミングがとても良かったですw
ドラマCDからと言うとかなりキャストさんも変っていましたが、とても素敵ですねw

ちなみに練詠は野良組が一番好きです←


※リクエストを書き終わったのは大分前だったので因幡さんがまさかべ様が担当するなんて思ってもみず…声ネタを入れることがでいませんでしたorz
一生の不覚ッ!!!

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[mokuji]