最終話 「っ……。」 しかし、灰崎の言葉に桃井は唇を噛み、屈辱に耐える。 なんて健気。 「灰崎テメェ!」 「大ちゃ、止めて!」 幼なじみを侮辱され青峰が灰崎を殴ろうとした。 しかし、桃井本人が止めに入るため青峰に抱き付いた。 「さつきッ!?」 「私は大丈夫だから…暴力沙汰起こしたら赤司君が……。」 「…っ。」 「青桃ぷめぇ、といつもの私だったらhshs言ってんだろうが…真ちゃん、今日のラッキーアイテムを貸せ。」 緑間に向かって手を差し出した。 「…何をするつもりなのだよ。」 渡すことを躊躇している緑間。 撫子はそんなこと知ったことか、とラッキーアイテムを奪おうとする。 「あ?灰崎をフルぼっこにするためだよ。みなまで言わせんな、恥ずかしい。」 「何言ってんスか椿崎っち! 緑間っちの今日のラッキーアイテムは金属バットっスよ!?」 「尚更じゃん。左手には金属バット!っつってパンダヒーローに俺はなる!!」 「思いとどまって!!」 「椿崎さん、流石に金属バットは止めて下さい。」 「………黒子っちがそう言うなら…。」 黒子の説得で撫子は金属バットで攻撃することを諦めた。 しかしまぁ、腸は煮えくり返っている訳だが。 撫子は天を煽りながらブツブツ呟いた。 「ビッチ、ビッチ、クソビッチ。…雌○アバ○レ○乱女ー今日もどこかでヤ○マン女ぁ。」 「え、ちょ…椿崎っち?」 なんで禁句ワードをポロポロ言ってんだ。 「黄瀬ぇ…ちょっと鞄持ってて。」 撫子は鞄を黄瀬に預けて灰崎の方へと歩いていった。 途中、ポニーテールに結んでいた髪を解き手櫛で整えながら。 「ふ…うふふふふふふふふ。」 灰崎の目の前に立ち、挑発するかの如く妖艶に笑う。 両手を灰崎の顔に伸ばして少し背伸びをしてニヤリと笑う。 「あ?ヤンの?お前こそビッチか。」 満更でも無さそうな灰崎。 撫子の腰に手を回して灰崎自らも顔を近づける。 「―――よ。」 「あ?」 撫子は思いっきり背中をブリッジの如く反らして、 「ビッチ、ビッチ言ってんじゃねーよクソ野郎がぁあ!!」 「グッ!?」 元の位置に顔を戻す反動を利用しヘッドアタックを華麗に決めた。 とても良い音が響き渡った。 覚悟を決めていた撫子はあまり痛くはなかったようだが、思いっきり油断していた灰崎は額を抑えてよろめく程のダメージを受けた。 だからと言って撫子の怒りは止まらない。 「さっきのはお前に食われた哀れな子猫ちゃん達の分。 それから、」 次は局部を狙って思いっきり蹴り上げた。 「「「ヒッ!?」」」 「あーッッ!!?!?」 「これはさつきちゃんの分。」 灰崎以外の悲鳴も聞こえたが、気にしたら負けだ。 「それから室ちんとアレックス姐さんの分だぁああ!!」 と、ジャーマンプレスまで流れるような動作で決めて、撫子はすっきりした表情になった。 対象に灰崎はちょっと大変なことになってる。 その様子を呆然と見つめる黒子ご一行。 「ふぅ…。賢者タイムなぁう☆ いやー、前々から嫁の技は決めてみたかったんだよねぇ!! ねぇねぇ、灰崎今どんな気持ち?お前が散々罵ってきたクソビッチにやられるってどんな気持ち?ねぇねぇ、…答えろよ。ヤリチン野郎。性病に感染して爛れて死ね。」 「お、い…椿崎サン。」 「ん?何かね。青峰。いつまで股間押さえてんの?」 「あ、や…うん。」 「あー、スッキリィ。 では帰ろうか、さつきちゃん!」 「あ、はい撫子さん格好いい!!」 「ありがとう! さつきちゃんも極めてみる?簡単な護身術。簡単な割にエグいやつとかあるから技の試しには青峰か黄瀬を使ってやろうね!」 「はいっ!」 「「おい馬鹿止めろ!!」」 「だが断る。 さぁさ、早速教えながら歩こうか。明日一個試そうねー。何がいい?」 「ジャーマンプレスを大ちゃんにやってみたいです!」 「あ、それなら僕もやってみたいです。それをやったらみなさん身長縮みますかね…。」 「さぁ?やってみたことないから実験してみようかね!」 [mokuji] |