青春トリップ!!?  | ナノ


第08話


「全く…赤司様が怖くないのかよ…私、死ぬほど怖いぞ。ボクサカオヤコロズガタカスベスベネムレキだぞ。」

「それは滝さんと言う監視が入っているからではありませんか?赤司君自体は良い主将ですよ。」

「あー…うん、まぁ確かに。」

確かに魔王三人衆さえ居なければ怖くはないような…どうだろ。

「でないとあの時、椿崎さんも口答えすること出来ないと思いますけど。」

「あー………へ?私、口答えしてた?」

「してたっスよー。黒子っちが倒れたときに。」

「なん…だと!?」

「度肝抜かれたっスよ。まさか赤司っちに口答えするなんて!
まぁ、それなりの焼き入れを覚悟した方がいいんじゃないっスか?」

ザマァと言いたげな、シャララとした笑顔で言われた。
黄瀬が無駄に勝ち気である。
めっちゃ腹立つ。

「…ッ黒子っちぃい!!犬が、犬がぁあ!!」

「大丈夫です。僕が守りますよ。椿崎さんは僕を庇っただけですから。」

「黒子っち…トゥンク。」

「ぁあ!?」

どさくさに紛れて撫子は黒子に抱きついた。役得である。
その場面を見た黄瀬が何だか悔しそうな声を上げた。
何でだろうねー。

「おい、帰るなら帰ろうぜ。」

茶番を見飽きたのか青峰が発言した。
確かに、帰るなら帰ろう。

「あ、じゃー帰ろうか。
君ら着替えてこいよ。折角だから一緒に帰ろ。」

そう言えばまだ着替えていなかった面子。
時間も遅いので一緒に帰ることにする。すでに着替えている撫子と桃井は先に門のところで待つことにした。

「しかし黒子っちの過剰練習はどうにかならないかねー?熱心なのは感心するけど。」

「そうですね…確かにテツ君の体力はみんなに比べて無いですけど…いきなり体力が付くわけじゃないから。」

「んー…もっと重いペナルティー課すか…いっそペナル茶…。」

「え?ペナル…?」

「私の友達作、ペナル茶ー。その味は、飲んだ物を地獄に突き落とすと言う…あ、でも食える物しか入れてないから大丈夫。死にはしないよ。多分。」

「そんなものがあるんですね。」

「他にも色んな種類あるんだよねー。よし、今度作って黄瀬に飲ませよ。」

やっぱり標的はどう転んでも黄瀬だった。

「黄ぃちゃん…。」


「何だ、今帰りか?俺が送って帰ってやろうか?」

「「灰崎(君)!?」」

撫子と桃井が黒子達を待っていたら別にお呼びでない灰崎がやって来た。

「あ?灰崎テメェお呼びでねぇよ。」

撫子は灰崎から守るように桃井を背に回した。
女子を守るなんて男らしい。

「桃井を隠してんじゃねーよ。」

「私はお前から子猫ちゃんを守る使命が在るんだよ。」

桃井と言う目の保養を隠されて少々苛立つ灰崎。
一歩、また一歩とこちらに近づいてくる。
苛立たせたことにより灰崎は躊躇無く女を殴るだろう。撫子自身は自分の身を守ることは出来るが桃井も庇いながらは難しい。
なので撫子は桃井に目配せをしてここから去るように命じた。
桃井は従い、この場から去っていった。

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