第03話 「………女子が下ネタに走ってんじゃねーよ。」 「いい時だけ女子扱いすんじゃねーよ!!大丈夫。私中身はおっさんだから。君と猥談だってできるぜ?」 「え?マジで?」 「青峰、何目を輝かせでいるのだよ。椿崎先輩ももっと婦女子としての慎みを持つといいのだよ。」 「腐女子ですから尚更じゃないかね?女子が下ネタを言ってはいけないと言うのは男女差別なのだよ!!私だって皆と馬鹿したい!!」 「そうっスよ!緑間っち!今更椿崎っちにお淑やかにって言う方が無理難題な話っスよ!」 「他人に言われると腹立つ!!お前がちょっと私よりデカいからって!190あるからって!!縮め!!今すぐにだ!!」 「嫌っス!身長も俺の武器なんスから!!」 「ちーぢーめー、ちーぢーめー!!」 黄瀬に見下ろされているという点で既に腹立つ。 座って黒子に抱き着いたままである黄瀬の頭を全身全霊の力を込めて押さえつける。 「痛い!痛いっス!!頭押さえないで!!」 「ねー、椿崎ちーん。俺も縮まなきゃダメー?」 ドリンクは既に飲み終わったらしく今はまいう棒をサクサクと食べならが聞いてきた。 「いやいや、むっくんはそのままでいいのよ。もう、君は存在自体がフェアリー!だからまいう棒あげるー!!」 いつでも紫原にお菓子をあげれる様にポケットに仕込んであったお菓子を取り出し手渡した。 まいう棒を見た瞬間の紫原の表情はマジフェアリー。 「わー!ありがとー!! 椿崎ちん好きー。」 「あばばばばばばばばばばばばむっくぅぅぅううん!!」 思わず抱き着く。下心く行為を伝えるなんて紫原だからこそできる技だったり。 「なんか俺と紫原っちとの扱い違い過ぎねぇっスか!?」 「あ?んなもんデルモとフェアリーとの扱いが違って当たり前じゃん。」 「でも紫原っちの方が俺よりデカいのに!!」 「いーじゃんデカくて!!その分私が小さく見えてなんだか嬉しいよ!? ただしお前以外だ!!イケメン爆ぜろ!!」 「酷いっス!!俺がちょっとイケメンだからって…。」 「と言うかイケメンだから嫌いと言う訳ではないよ。」 「え?じゃぁ、なんで?」 「そう、それは君がまだ一軍になったばかりの頃。君はデルモだ。だから私は勿論見惚れた。あぁ、見惚れた。めっちゃ美形やな、と。」 「やだッすげぇ褒められてる俺ッ。」 「美形だ。だから是非ともコスをしてほしかった。イケメンでしかすることの許されないキャラを私はしてほしかった。 だが!テメェは俺を怒らせた!!私がコスプレをしてみませんか!!と誘ったときテメェなんて答えやがった!?『え?コスプレっスか?無いっスわー(笑)』と、テメェご丁寧にカッコ笑いをつけやがってよぉ!!」 「まだその時のこと恨んでるんスか!?もう水に流しましょうよ。」 「だったらして。」 「あ、無理っス。」 「滅べ。」 「さぁ、休憩は終わりだ。次はもうゲームをするよ。黒は俺と大輝と涼太。白はテツヤと敦と真太郎だ。足りない人数は自分たちで引き抜いて来い。」 「やった!待ってましたっス!!」 「えー?俺赤ちんとチーム違うのー?やだー。」 「敦、文句を言わない。」 今日は本当にゲームを主体として練習をするらしい。本来なら地獄のフォーメーション練習があるはずなのだが。 「撫子、ゼッケンを出してくれ。」 「あいよー。」 言われた通りゼッケンをそれぞれ渡す。 「ブハッ青峰お前黒、黒!!」 「るせー!白よりましだろうが!!」 「まぁな。お前って白の似合わなさ異常だよね。」 「引き抜かれなかった一軍の残りは二軍が居る体育館に移動し、そこでゲーム練をしろ。審判を立てて、試合の流れを全てメモをして提出すること。 それから撫子は今すぐドリンク、タオル、着替えを5分以内に準備をしてそれから此処での審判をしてくれ。ゲームは10分後に開始する。以上、皆動け。」 的確な指示のもと、部員は動く。 まるで統制された軍隊である。今なら立海特有の「イエッサー!!」も幻聴として聞こえてきてもおかしくない雰囲気である。 そして宣言通り10分後、ゼッケンを着て対面している黒と白のチームに分かれ、ジャンプボールを待っている。 ジャンパーは黒が青峰、白が紫原らしい。まぁ、妥当か。 撫子はトコトコとボールを抱えて真ん中へ移動。 「おい椿崎サン早くしてくれねーか。」 早く始めろと青峰が急かす。 「はいはい。私は二倍速で準備を終わらせてきたというのに、労いの言葉も無いのかクソ。 じゃ、まぁとりあえず、ティップオフ!」 ボールを高く高く放って、撫子は逃げた。 流石にあんな巨体たちを前にして立ち向かえないし、そもそも審判だからね。 [mokuji] |