青春トリップ!!?  | ナノ


薄桜鬼の世界に行ってきた


「…撫子さん。例のあれっすか?」

「……はい。」

「椿崎先輩、どういうことですか。」

「……滝と幸村君と不二君のせいです。」

「それはもう、知っています。俺が聞きたいことはなんで縄で縛られて、和室に転がされていることですよ。」

手を体と共に縛られと足首同士を縛られて和室に転がされている状態。
実にシュールだ。

「私だって聞きたいよ!!指令書見たいけどポッケに手がツッコめない!!て言うかなんなのこのメンツ!!なんで赤也と日吉と光君な訳!?みんな年下、俺得キャッホイ!!」

今回のトリップしたメンツは赤也に日吉と財前。

「緊縛、緊縛!撫子さんの緊縛!誰かは知らんけどGJっすわ。」

「光君、空気読もうか、それにただ縛られてるだけじゃ拘束だよ。元の世界に戻ったら亀○縛りにしてやろうか!!」

流石に撫子もテンパっている模様。
だっていつものようにネットサーフィンして部屋でくつろいでいるところをいきなり眠気が襲い、目が覚めたら縛られてるわ、此処がどこなのか分からないわ、皆も同じような状況だわで収拾が全くついていない。
それに滝達からの指令が時間制限有のものなら限りなくアウトだ。こちらに来て何時間気を失っていたのか、それすらも分からない。

「え?撫子さんがしてくれるなら是非!」

撫子の言葉に否定ではなく、肯定した。

「…財前、お前マジかよ……。」

流石にどん引く赤也。

「なんや、切原羨ましいんか?」

「んなわけねぇだろ!!」

「それより、ここ本当に何処なんですか?どうせ椿崎先輩絡みなんですから心当たりはあるはずでしょう。」

「…どうせって…私もある意味では被害者だからね!!日吉のその言い方語弊があるよ!!」

「言い方なんでどうでもいいじゃないですか。」

「ッ…口の減らない後輩だな、オイ。
でも…本当に分かんないわ、此処和室だし、日本っぽい作風のものだとは思うけど…和風のアニメもゲームもめっちゃ知ってるから…お手上げでっす。」

「…はぁ。使えませんね。椿崎先輩頭いいんですよね。少しは策立てれないんですか?」

「うわーッ日吉からの風当たりが厳しいよー!!」

「撫子さん泣かんといて下さい。俺が後からしめとくんで、」

ここぞとばかり財前はいい格好をする。

「でもホント、何処なんでしょうねー。」

「うーん………どっこいしょ。」

撫子は持ち前の運動神経を駆使して、立ち上がりバランスを取りながらピョコピョコと跳ねて襖まで跳ねて行った。

「撫子さん!?」

「私、ちょっと外に出て様子を見てくるよ。」

「そんな危険っす!!」

「…そうだね赤也…けど、この世界は多分私の知ってるジャンルのはずだから…私が一番に動かないと……。」

「でもッここで縛られているっちゅーことは、ここの主は俺らを不審がっての処置なんすよね。やったら出て行ったらホンマ危険やないですか!!」

「光君…もし私が命を落とすようなことがあったら…あとは頼む。」

「撫子さん!!」

二人にスポットライトが当てられている雰囲気だ。

「茶番はそこまでにしてくださいよ。ホラ先輩、行ってくるんだら行ってきてくださいよ。」

「…チェー、色々台無しだよ。空気読め、空気!!」

撫子はブツブツ言いながら襖を開けようとした。

シュン――

「ぬぁあああ!!?」

「「撫子さん!?」」

襖を開けようとした瞬間に何か鋭利なものによって襖が斬られた。目的は撫子の首を狙っていたようなので刃が撫子の首ギリギリに引かれた。
瞬間的に転ぶようにしゃがんだ。

「あれー?避けられちゃった。」

そう聞こえた声は赤也にそっくりな声。

「な、おッ沖田総司ぃ!?」

「僕のこと知ってるんだ?」

「先輩、何の世界か分かりましたか?」

「うんうんうん、ものすごくよく分かった。薄桜鬼の世界だ。間違いない。」

「へーっこれが薄桜鬼の登場人物なんすね。」

「あれ?赤也知らなかった?」

「はいっす。乙ゲーはまだ、近々手を出そうとは思ってタイトルだけは知ってます。」

「それを実況するときは私を是非呼んでね。」

「ねぇちょっと、僕の話を聞いてくれない?じゃないと殺しちゃうよ?」

「キタ生殺すよ。赤也の潰すよよりも凶悪さ倍。」

「なにさっきから分からないことばかり言ってるのさ、本当に殺すよ?」

「あ?テメェ、さっきから殺す殺す言ってっけど何?そんなのじゅーとーほー違反なんだよ。アンタ、潰すよ?」

「ぅわ、赤也挑発しないで!つかここ日本だけどまだ銃刀法って無いから!それより平仮名発音マジかわいい。」

「何?まず君から殺されたいの?君、隊長っぽいし。」

日本刀の先を撫子に向ける。
撫子はその先を見つめて、沖田に話しかけた。

「…沖田…さんは私たちを…土方さんの所まで連れて行くように言われたんじゃないですか?殺しちゃったら私たちが何者で、何故こんなけったいな格好をしているのか分からないんじゃないですか?知りたくないですか?」

「別に?怪しかったら斬る、だけだし。」

「物騒だね。じゃぁ…新撰組…手偏の新撰組について知っていると言ったら?変若水?それとも羅刹?」

分かりやすく、この世界でのキーワードを言っていった。
かなりの賭けだ。
すぐに殺されるか、此処は生き延びれるか、
撫子は待ちうる限りの回避術を考えた。

「…君、何処まで知ってるの?」

「さぁ?
さて、ここまで知っている私は異常だろう、脅威だろう。ここで殺してしまっても構わないよ?」

「椿崎先輩!?」

撫子の発言に驚いた日吉が叫んだ。

「けど、私以外にも私位君たちのことについて知っている人がいるよ?そいつらも知っておきたくない?」

まぁ、全国の薄桜鬼のファンの方々のことだけどね。

「……それじゃぁ、僕の意思だけで君たちを斬れないじゃん。いいよ、今は斬らないであげる。さっき言ってたように土方さん達が呼んでるから来て、」

沖田は撫子達の足首に巻かれてあった縄だけを解いた。
そして自分の後についてくるように伝え土方達の待つところへと案内した。

「日吉、さっき取り乱して…かなり萌えたありがとう。」

「…いえ、先輩に死なれると、部長の困った顔が見れなくなるじゃないですか。」

「ちぇ、下心ありかよ。」

そんな話をしていると部屋についたようで幹部に囲まれるような位置へと撫子達は座らされた。

撫子は一番に薄桜鬼のショタっ子、藤堂平助を視界に中に入れてしまい暴走しそうになった。
しかし、生き延びるためにはまず土方さんとのコミュニケーションを図って斬り殺されるフラグを回避しなければならない。
それから服のどこかにあるポッケから滝の指令書を探さなければならない。
対先生用武器のいい子ちゃん仮面を撫子は装着した。

「おい、髪を結っている奴。」

「何でしょう?土方さん。」

「どこまで知っている?」

「どこまでも、勿論…綱道さんの潜伏先もね。」

鬼のとこですね分かります。

「「「!?」」」

山南以外のメンツが驚いた。

「それは…嘘でしょう?」

「…その根拠は?」

「私たちで新選組でさえも居場所を把握していないのに、君たちが知っている訳無いでしょう。」

「そうですね。あなた達にとっては私は一介の小娘であり、得体のしれない物ですね。しかし、得体のしれない物だからこそ、知っていると言うこともあるんじゃありませんか?
べつに信じなくてもいいですよ。ただ、私が言うことは真実なんで。」

そういうと山南さんが押し黙った。

「さて、教えるためにはちょっと手の縄を外してくれませんかね。服の…小袋の中にそれを記した紙が入っているんですけど、それを見ないと分かりませんし。」

嘘です、滝からの指令書が見たいんです。
もう、冷静でいるのは若干厳しいです。平助マジショタ、抱きつかせろこの野郎。

「手の縄を外すことは出来ねぇ。探らせて貰うぞ、」

「……どうぞ。」

「俺がやってやるよ。」

左之が立候補。

「……セロC男だけは勘弁してください。腐っていても私女なんで。」

少し空気が凍った。
またもや撫子は男と間違われていたようだ。

畜生、またかよ。もういいよ。へッ

と撫子がやさぐれているときに、新たなメンツが加わった。

「土方さん、隊士の方が……。」

薄桜鬼のヒロイン、千鶴だ。

「…雪村、この女の服の小袋から紙を探してくれないか?」

「え、ぇえ?…はい、分かりました。」

千鶴が土方に指示され、撫子のポッケを探る。

「ありました…けど。」

「千鶴ちゃんちょっと広げてくれない?」

撫子は千鶴に頼み、文章を読む。

そこには『千鶴にビンタすること』とあった。
覗き込んでいた財前他も困惑なう。

「「「「…………。」」」」

「…指定無いから誰か叩かれてくんね?」

「えッ!?俺嫌っすよ!!」

「私だってやだ!!千鶴ちゃんを叩くなんて絶対出来ない、したくない!!」

「何無責任なこと言ってくんですか、そんなこと言うなら俺が力いっぱい叩いてきましょうか?」

「ちょっ日吉マジ止めろ。俺がお前をぶん殴るぞ。」

「だったら早くして下さいよ。縛られてる腕が痛いんですよ。はい10ー9ー8ー76543――」

一気に早くなった日吉のカウント。

「ッダァアアアアア!!」

撫子は日吉がマジで言っていると感じたので思いっきり腕に力を入れて縄をちぎった。
そして刀を構える幹部たちを視界の中に入れながらも千鶴と向き合う。
斬られようと、千鶴ちゃんの顔を日吉の魔の手から守ることの方が先決だ。

「千鶴ちゃん!!」

「は、はい!」

「マジゴメン!!」

撫子は自分の手を千鶴の顔めがけて振り下ろした。

ヘチコ――

「っうっうっう…千鶴ちゃん叩いちゃった。」

「それ…叩いたうちに入るんすか?…ってぅお!?」

4人の体が宙に浮いた。
どうやらあれはビンタのうちに入ったようだ。

「あーっやっと帰れるよー!!平助に抱き着くこともできなかったし、萌えもあんま無かった!!次はもう少し考えてもらって飛ばしてもおう。」

「は!?なんでお前ら浮いてんだよ!!なんなんだよお前ら!」

「え?未来人。」




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180000hit記念
かぉる様リクエスト「青春シリーズ、薄桜鬼の世界にトリップ」でした。

とりあえず、森久保コラボがしたかったのです。
あと、真面目な主ちゃんを久々に書いてみたくなったのです。

リクエスト、とか言いながら練詠の書きたい物をブッコんでしまいました。実にすみませんでした。

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[mokuji]