青春トリップ!!?  | ナノ


銀魂の世界に行ってきた その2


只今、午前6時。
新しい朝が来たんだよ。

「武市さん、今日もあの第一声言っておきましょうか。」

「そうですね。言っておきましょうか。」

「大江戸青少年健全育成条例改正案反対!!」
「はんたぁあああい!!!健全な育成を妨げるだけだー!お前らも小学校位の時から道端に落ちてるエロ本読んでんだろうがぁあ!!」

「朝からうっさいっすよ!!ロリコンとショタコンがぁあ!!」

朝から元気よく叫んでいた撫子と武市。
その騒音で起きてきた人たちが数名。

「「ロリコン(ショタコン)ではない。子供好きのフェミニストです!」」

「武市先輩はアウトっす。年齢差的にアウトっす。撫子ちゃんは大丈夫っす。」

「よっしゃぁああ!!また子ちゃん愛してる!」

「バッ、簡単に愛してるとか言ってんじゃないっすよ。また財前の野郎が!」

「なんすか?また子さん、また撫子さんを誑かしたんすか?ホンマ、ええ加減にして下さいよ。」

また子に向かって財前が威嚇。
撫子の愛の言葉を受けるのは俺だけだとでも言いたいのだろうか。
しかし、また子にとってはたまったもんではない。

「ちげぇよ!!私が言ってって言ってる訳じゃねーし、撫子ちゃんが勝手に言ってることだっつーの!!」

「光君×また子ちゃんか…これはこれで萌え!」

「撫子さん止めてくださいっすわ。こんな染み女とかホンマ勘弁すわ。」

「私こそお前みたいなガキが願い下げっす!私は晋助様一筋っすから!!」

「そうだ、そろそろ時間か…晋助様起こしに行くかね?また子ちゃんよ。」

「あ、行くっす!」

そうそう、此処で説明しておこう。
ここには銀魂の世界。そして同行者は財前と赤也と日吉である。
そして今は鬼兵隊のお手伝いとして過ごしている。
と言うか今回の指令が『鬼兵隊のお手伝い(半年)』である。
誰得だ?と言われたら俺得である。
銀魂の世界念願の病院逃げて超逃げて、20代でありながら厨2男子代表、厨2ポエマー高杉晋助の鬼兵隊だよ!?
色気の塊の高杉晋助様だよ!?

しかも、今からお手伝いの一環としての皆を起こしに行くと言う係。
勿論率先して撫子は高杉を起こす係である。

それからまだ起きていない万斉を財前が呼びに行き、似蔵を日吉が起こしに行っている。

「また子ちゃん、えー、この扉の向こうに晋助様がいらっしゃいますよねー。」

「っすねー。この扉の向こうに晋助様がッ!!」

こそこそと扉の前にいる二人。
朝のドッキリみたいな感じである。

「また子ちゃん、準備はいいっすか!」

「イヤ、ダメダメダメッ、そんな晋助様の寝こみを襲うなんてッ私には出来ないっす!」

「いや、襲わねぇよ。起こすだけだよ…だが……普通に起こすのは面白くないので、スッパーンっ!」

と言いながら扉をこそっと開けた撫子。
見ればまだ高杉は寝ている。

「やっべぇえ!!高杉、やっべぇえええ!!色気パネェェエエエ!!!」

「はぁあああ!晋助様ぁ!おはようございますうぅうう…!!」

「また子ちゃん、気配を消して行くよ!
…皆さん見えますか?晋助様、まだ寝ています。いやー…寝ているだけでこの色気。その色気プリーズって感じっすわ。」

「いや…撫子ちゃんも私の着物着てるから色々ギリギリっすよ…。」

「…言うな。着替えが無いのだから君達のを借りるしかないのだよ。武市さんのは借りたくないし、万斉さんの服はなんかヤダし、晋助様のがよかったけど…流石に身の程知らずにはなりたくないわ…。」

「身の程知らずって…今更っすよ。」

「え、ホント?だったら今度から借りてやろ。
まぁ、それは置いておいて…しかし、とても気持ちよさそうに寝てますねー。私なんか今日貫徹だと言うのに…。」

「え?なんで?」

「いやー、ネトゲしてたらつい…。」

「………そっすか。」

「っん………。」

「「!?」」

ごちゃごちゃと撫子とまた子が雑談していたら高杉が呻いた。
起床してしまうのか!?と一瞬焦ったが、そうでも無さそうだ。寝返りをうっただけだった。

「ふぅ…よっこらせっく…。」

「えッ撫子ちゃん!?」

言葉だけでは伝わらない。
文字に表わすなら、撫子がこっそりと高杉の寝ていた布団の中に潜り込んだのである。

そしてパチッと、高杉の目が開かれた。
それに撫子は対して驚かず、普通に朝の挨拶。

「晋助様、おはよーございます。朝ですよー。」

「………フン…撫子。なんだ?夜這いか?」

「あら嫌だ、なんて素敵な考え。今からでも遅くないっすか?夜這いに来たってことで晋助様手籠めにしてもいいっすか?」

「それは逆だろうよ。女が男を手籠めにするなんて聞いてことねぇぜ。」

「私は型にはまらない女として生きていこうと思う。」

「ふん…。」

「アラ嫌だ。拒否反応は無いってことは私の嫁にぃいい!!――ヒィイ!?」

撫子が下品な表現で言えば高杉にがっついて行こうとしたらパンパンと鉄砲が鳴る音がして、その鉄砲は撫子の周りを象った。

「撫子ちゃーん、晋助様ぁ、冗談はほどほどにして下さいっすよー。誤って武市先輩以外に銃弾ブチ当たっちゃいそうっすよー。」

「ゴメンナサイデシタ。
じゃ、晋助様、そのドエロいはだけた格好を一枚写メらせていただいたうえで着替えてもらってもよろしいですかね?」

布団を捲ったらアラ不思議、高杉の着物はいつもの着物を着ているのだが、いつも以上にはだけている。モザイクをしたいぐらい存在がエロい。
白石が居たらこう言うだろう。「エクスタシー!」と。

「…着替えさせてくれっていたらどうするよ?」

「是非喜んでお手伝い――!!」

ドパン。

「撫子ちゃぁん?」

流石にここまでの冗談はまた子は容認してくれないらしい。
容赦なく発砲してきやがった。

「ウン、また子チャン、朝ゴ飯ノ準備デモシニ行コウカナ?」

高杉の部屋から二人は出て行って、それから朝ごはんを食べるために食堂的なところへ移動。
そこには既に皆が居た。

「おはよー、万斉さん。」

「あぁ、おはよう。昨日は遅くまで起きていたようでござるが…何してたでござるか?」

「ネトゲ。レベル上がったよー!」

「それは上々でござるな。今度、万斉名義を隠して『歩香炉』Pとしてデビューする予定でござる。」

「マジで!?」

「光が調教を教えてくれたでござるよ。結構上手いでござるよ。」

「いやいや、つんぽなんだから上手いに決まってるでしょうよぅ!!」

「そんで撫子さん、ただの『歩香炉』では面白くないんで、撫子さん、音声貰ってもええですか?自作のボカロ作っちゃいましょう。かなりの手間にはなるんすけど、そっちの方が純粋に万斉さんの実力を量れるんすわ。」

「あー………いいぉ!」

「ありがとございますっすわ!
っすけど…万斉さん、撫子さんに手ェ出したら容赦しませんっすよ。」

「光はずっとそればっかりでござるなぁ。大丈夫でござるよ。そんな気起こさないでござるよ。」

「そうでござるよ。この万斉、晋助とランデブーする方が楽しいでござるよ。」

声マネなう。

「…撫子、勝手に拙者の声を使って世迷言を言うのは止めて欲しいでござる。」

「いやー、そろそろフラグを立てておいた方が妄想しやすゲホゴホ…あ、赤也君は?」

「来とりません。グーグーまだ寝よるんやないですか?」

「そっかぁ、じゃ、起こしてくるわ。」

今度は撫子は赤也を起こしに赤也の部屋へ。
食堂に残された財前。

「…光、起こしてもらいたいからって寝坊するんじゃないでござるよ?」

「……。」

「撫子の起こし方、晋助以外にはボディブローでござる。」

「…大丈夫っすわ。俺らの業界にとってはご褒美っすわ。」

「………。」


「あっかやくぅうん!あっさでっすよー!!」

「あ、おはざーす!もう朝っすか撫子さん!」

お約束通りボディーブロー食らわせてやろうと意気揚々と撫子は向かったのだが、赤也の姿は寝ておらず、思いっきり起床しており撫子の挨拶に軽やかに返事した。

「…起きてたんだね。」

「つーか、寝てないっす!いやー、この世界のラブチョリスが昨日手に入ったんで、やってたら今っすよ!」

「…誰と付き合ってるのかね?」

「Pン子っす!俺らの世界ではありえないっすからね!」

「……銀さんの二の舞になるなよ?」

「そのつもりっす!もうご飯っすよね!じゃ、Pン子さん行きましょうっす!!」

「おい、赤也君テメェ。」

…もう手遅れかもしれない。

そんな残念なことになっている赤也と共に撫子は食堂へと戻っていた。
そうそう、撫子は一応似蔵に用事があったのであった。

「似蔵さーん……ってなんでそんなにボロボロ?日吉も……。」

「いえ、大したことは無いです。ただ…岡田さんが辻斬りを俺にしようとしたので反撃したまでです。」

「だってねぇ、最近暴れてないからねぃ、つい。」

「…似蔵さん、この世には一発だけなら誤射と言うぜ!だから日吉をヤっちゃいな!」

「殺る…ですか。いいですよ?正当防衛で岡田さんを殺りますから。」

「ヤダっ、日吉、似蔵さんをヤるだなんて大胆っ!!」

「ふぅーん、話が噛みあってないねぃ。」

「そうそう、私は似蔵さん、ちょっくらトラウマを刺激してもいいですかね?テレレテッテレー!」

と撫子が取り出したのは通販で買える木刀『星砕き』
銀さんとお揃いで買ってしまおうと、撫子が買ったものだ。

「それは…坂田銀時のと同じ型だねぇ…。」

「そうそう!しかも無料で言葉を入れてくれるっつったから、こう入れました『紅桜』と…。」

「それはそれは…ねぃ。」

的確に心を抉る組み合わせである。

「と言う訳で!喧嘩殺法の太刀受けてくれるかね!?」

「…御免被りたいね。
…武市、アンタ…子供好きだったよなぁ。」

「ええ、そうですが?」

「撫子も十分子供だろうねぃ。」

「ナッ!?似蔵さん、私を売ったッ!?自分が私の喧嘩殺法を食らいたくないからと言って!!」

「えぇ、確かに撫子さんは充分なロリ…いえ、子供ですが……。」

「…ですが、なんだよ。」

「…合法ロリは迎えられるものですが、撫子さんは、違法BBAです。」

「……………………………………………………………。」

とても長い沈黙。
撫子のオーラが半端ないことになっている。
スカウター爆発なう的な。

「武市さん、その言葉、流石に容認できんのぉ……咬み殺す。」

木刀を武市に構える撫子。

「ちょ、待って下さい撫子さん、私達は大江戸青少年健全育成条例改正案反対同盟を!!」

「破棄させるような言葉をたいてのはテメェじゃァア!!ボケェエエエエ!!!!」





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500000hit企画第55弾
羅奈様リクエスト「青春トリップで→鬼兵隊へ。同行キャラは赤也、日吉など2年生/岡田似蔵生存設定」でした。

高杉贔屓になってしまって?すみませんでした。
練詠大好きなんです…高杉……←


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[mokuji]