第08話 「では、撫子も雅治も分かっているようですし、 …参りましょうか、お嬢様。」 セバスチャンに「分かっているようですし」と言われた二人は別行動。 シエルたちより早めに子爵を探す。 「あーぁ、これからシエルはエリザベスとの接触イベントがあるのに直面できないのか。」 「仕方なかろう、さすがにあの人数で移動しよったら目立つからの。」 「ツマンネ。そういえば仁王はルカの『龍ノ啼ク箱庭拠リ』のコスしたからこんなドレスは平気でしょ。」 「……コルセットで死ぬ。」 グレルが占めてくれたようで、不手際な力任せに締められたらしい。 ちなみに撫子はマダムに締めてもらった。 「あー…でもそのコルセットのおかげでそんな素敵なくびれが出来てるんじゃないか!!羨ましいぞ畜生め!!」 「ドルイット…なんでロリコンだけじゃないんじゃッそしたら俺はこんな苦しい思いをせんでもよかったのに…。」 「いや、アンタも年齢まだ中三でしょ。シエルとそんなに変わんないじゃん。」 「………。」 「それに私たちには使命があるよ!!シエルを売り物としてオークションに出させることを阻止するんだ!! せめて客として参加できるように…。」 「じゃが…それも頭痛とかで邪魔されんのかの?」 少しでも原作が違ってくるようになったら容赦なく体調が悪くなっている。 そんな強力な謎な力の中で、シエルを助けるとこが出来るのか。 「やってみないと分からないじゃん?」 「…そうじゃの。」 「そこの麗しい瑠璃鳥、何を話しているのですか?」 ドルイット子爵本人から撫子達に接触してきた。 仁王は咄嗟に撫子の後ろへと隠れた。 畜生仁王、逃げたな。 って言うか瑠璃鳥って何。 「あ…初めましてドルイット様、このような私めにも声をかけていただき光栄ですわ。」 「そのように蔑む必要はありませんよ。…お二人はどのような関係で?友人ですか?」 「私の双子のお姉様ですわ。…お姉様、ほらドルイット様よ?憧れてるって言ってたじゃない。」 「ッ!?」 そんなこと言ってない、と言いたげに仁王は目を大きく見開き撫子を見る。 目があったところで撫子はザマァという視線を送った。 「おや、そのように私を…。」 「あ…いえ、その…お会いできてうれしいです……。」 顔を赤らめながら、仁王はたどたどしく言葉を紡ぐ。 流石詐欺師、やるときにはやりますな。 不覚にもこっちまで赤面してしまうじゃないか。 「本日は誰といらしたのかな?瑠璃鳥。」 「アンジェリーナ様の姪の友人としてこちらに招待されましたわ。」 「姪?」 「えぇ…ほら、丁度こちらへと踊りながら来ているピンクのドレスの…。」 シエルがセバスチャンと踊りながらこっちに突っ切ってくる。 駒鳥シエルがリアルに踊っている姿を見れて撫子は滾っていた。 「…可愛らしい…。」 丁度シエルがこちらまで踊りきり、床に手をついて疲れ切っていた。 子爵が手をパチパチと鳴らしながらシエルに近づく。 撫子達もシエルに近づく。 セバスチャンは飲み物を持ってくるという名目でその場を離れた。 「楽しんで頂けてるかな?」 「撫子達とも参加することが出来て、とても素敵なパーティーに感動しています。」 「ええ、ホント。」 そういえばコレ今子爵無双だね。 女子3人をはべらして、ハーレム!! 子爵そこ代われ。 [mokuji] |