第07話 「『医学・解剖学に精通する者』『事件発覚前夜にアリバイのない者』そして『秘密結社や黒魔術に関わりがある者』この条件を満たしているのはただ一人。 ドルイット子爵、アレイスト・チェンバー様だけです。」 パーティーの裏では親しい者だけが参加できる秘密のパーティーが催されている、 そして本日も19時よりドルイット子爵邸で最後のパーティーが行われると報告。 「ねぇ…仁王。」 お茶を配りながら小声で話す。 「なんじゃ?」 「私さ…『こしゃく』結構好きなんだよね。でもさ…舞台の時の『こしゃく』のキャラの豹変っぷりには正直ひいた。」 「…あぁ、確かに鞭は…の。」 「ねー、原作の方で駒鳥シエルを愛でているのは激しく同意するんだけどね。」 「椿崎…これから駒鳥シエルが登場するが…自重するんじゃぞ?」 「……………………っ努力する。」 下唇を噛みながら、血の涙を流しながらの決意表明。 「どんだけ努力せんといかんのじゃ。」 「マダム・レッド、そういうわけだ。なんとかなるか?」 シエルがマダムに頼む。 頼むというか命令する。 マダムはマダムでうっすらと笑い妖艶な表情を見せる。 「舐めないでくれるかしら?私結構モテるのよ。 招待状の一つや二つどうにでもしてあげるわ。」 「きゃー!マダムかっこいい!!」 「シエル、頑張るんじゃぞ? 俺らは屋敷で成功を祈っとるからな。」 「そうだね。」 食われないようにしろよ。食われるならセバスチャンな、 と撫子が不純に祈る。 「あなた達も参加するのですよ?」 セバスチャンが信じられないことを言った。 「「え?」」 ――――― ――― 「割と盛大ねぇ、やっぱり今夜が今年の社交期最後なのかしら?」 真っ赤なドレスに身を包んだマダム・レッド。 「楽しい夜になりそうじゃないか。」 執事の服を身に纏った劉。 「一度警戒されれば終りだ。いいか、遊びに来ている訳じゃない。気を抜くな!」 とピンク色のモスリンたっぷりフランス製ドレスを身に纏い、髪をツインテールに結っている。 そんな可愛い恰好をしていながらも発する言葉には力強さがあった。 が、やっぱり…。 「「可愛いぃいぃぃいい!!」」 シエルの右にマダム、左に撫子が抱き着く。 むしろ纏わりつく。 「駒鳥シエルktkr!!hshshshshshs…。」 「離せっ!!なんで僕がこんな恰好を…。」 「おやおや、レディがそんな大声を出すものではありませんよ。」 家庭教師の格好をしたうえでメガネまでかけているセバスチャンが登場。 「ッきゃー!!メガネ!!伊 達 メ ガ ネ !!忍足よりも数億倍かっこいいぃいぃい!!」 興奮MAXな撫子、誰も止められない。 「セバスチャン貴様…。」 シエルがげんなりとした様子でセバスチャンを睨む。 「そーよー設定通りちゃんとやってくれなきゃ…。 劉は私の若い燕役。シエルは田舎から出てきた私の姪っ子役。セバスチャンはその姪っ子の家庭教師。グレルはいつも通りだけど…。 そして撫子が姪っ子の友達で一緒に遊びに来た子で、雅治が撫子の双子の姉ね。」 一通りの役の説明をするマダム。 「だからッなんで僕が『姪っ子』役なんだ!」 「私、女の子が欲しかったのよね。ふわっふわなドレスの似合う可愛い子!」 「そんな理由で…!?」 今にも怒りに身を任せ暴れそうな口調でマダムを起こる。 「……シエルは…まだ理由があるからええじゃろ…。」 仁王が力弱く、シエルに言葉をかける。 「あ…。」 「俺なんて…椿崎の『え?何となく』って理由じゃぞ…ハァ。」 仁王も何故か女装をする羽目となっていた。 撫子と同じコンセプトのドレスを身に纏って、での参加。 「…いいじゃん、別に……憎たらしいぐらい似合ってるよ。お 姉 様 !!」 「…プリ。」 「シエルも雅治もこっちの方が都合がいいのよ。 ドルイット子爵って守備範囲バリ広の女好きらしいからそっちの方が都合がいいって!」 「わー、忍足みたいー…。 シエルに仁王、頑張って誘惑してきてね!!」 「「お前もだからな!!」」 仁王とシエルの鋭いツッコミが入った。 [mokuji] |