青春トリップ!!?  | ナノ


デュラララ!!の世界に行ってきた


「ねぇ、撫子。デュラララ!!って好き?」

さてこれから部活だ。着替えなきゃというときに滝が聞いてきた。

「!?滝からその単語聞くとは思わなかった!
勿論好きだよ!!愛してる!!特に臨也マジウザカッコカワイイ。」

「そう?
だったら丁度いいね。ちょっと試したいことがあるんだ。」

「え?何?」

「ん?所謂二次元トリップってやつ?」

「……………は?ぅお!?」

撫子に重力が感じられなくなった。

「え、え?ちょ。は?」

「じゃ撫子頑張ってねー。」

「いったい何をー!!?」

撫子の意識はログアウト。


そしてログイン。

「…………イテテテ…。ここドコだ?」

撫子は辺りを見渡しここがどこだか確認。
今は午前7時で、
どこかのビルの屋上にいるようだ。

「…このビル…見覚えあるぞ?…二次元で…。」

「おやおや?君はどこから現れたんだい?」

「え…折原臨也!?」

撫子の目の前には眉目秀麗、
話しかけられた声は、青空から直接声をかけられたような錯覚におちいるような美声。

「本当に臨也の外見からひろCの声がする…!!」

「俺の質問に答えなよ。」

ナイフを何処からか取り出し構える。

「おっと臨也さんは女子にも容赦ないねー。」

「へー、君女子だったんだ。そんなに身長が大きいから男かと思ったよ。」

「男子が女子の制服着るわけないでしょー!!」

撫子が氷帝の制服を臨也に見せつけるように裾を引っ張る。

カサ…

「ん?」

ポケットから紙が擦れる音がした。
何だろうと手を突っ込み紙を取り出す。

『撫子へ
ヤッホー、滝だよ。
これ見てるって事は無事にデュラララ!!の世界に行けたみたいだね。流石僕と、幸村君と不二君が力を合わせただけのことはあるねー。
今回は試運転みたいなものだから撫子一人だけトリップしてもらったよ。
楽しんでね。
あ、帰り方は折原臨也って人に謝罪してもらったら帰れるから。


そうそう忘れるとこだった今日中に帰らないとこっちの世界に二度と戻れないかもー。
頑張って謝ってもらってね?』

「ふ ざ け る な。」

「何、読んでんのさ。」

「あ!?」

臨也は撫子から滝の手紙を奪い取り目を通す。

「へー…だったら君は所謂トリッパーか。」

「そうです。
つーわけで私に謝って下さい。もうあなたに会えただけで私はお腹いっぱいです。」

「んー、いや☆」

臨也はとても厭らしい顔をした。

「俺がそんな無様な行為をすると思ってんの?するわけないじゃん。
それに、君。撫子って言うんだっけ?
撫子チャンにそんな事をする義理はないね。
精々無様にこの世界を生きたら?



今調べてみたけど、撫子チャンに戸籍はないみたいだし?ホント困ったね。」

「困ってんのは私だよ。」

「俺が困ってないんだからいいんだよ。」

「あー!!うざ!!このうざや!!」

「もう絶対に謝ってやんないよ。
君が土下座して頼んだって謝るものか。」

「謝れって言ったら謝れよ!!心ない言葉を吐くのは得意技だろ!?」

「うん、得意だよ。けど撫子チャンが困ってる姿を見てあざ笑う方が得意だよ。」

「ぅわ、万年厨2病がなんか言ってる。これだから新羅にも匙を投げられるんだ。」

「新羅も知ってるんだ。」

「知ってるに決まってんだろ!!デュラララ!!ファンなめんな。
九巻ではアンタと新羅の甘酸っぱい青春が描かれてるんだ!!まさかの新羅×臨也だよ!!
静雄×臨也を期待してた私が馬鹿みたいだよ!!
でも新羅×臨也に禿げ萌えることが出来たので良しとする。」

「君の言っていることがよく分からないよ。×なんて使ってさ、意味分からない。」

「ぷぷ、情報屋の癖に分かんないことが有るんだ、だっせぇ!!」

「………君、後悔すればいいよ。」

臨也が屋上を後にする。

「誰がするか!!この万年厨二の人ラブ男!!」

撫子は臨也を見送る形に。




冷静になって考えた。

「……あ゛…。」

臨也を怒らせた…生還フラグをへし折ってしまった…。

「あー!!帰れねぇ!
ダメ、まだあきらめちゃダメ!!
考えろ、考えろ…思考を止めるな…
どうやったらアイツは謝罪をしたくなる……私だったら…………あ、ンフフフフ…良いこと思いついた。」

今度は撫子が厭らしく笑った。

「とりあえず、臨也のコスをしよう。
金は……ねーよ。身一つで飛ばされたよ畜生。
だったら…ストリートで……いけるか?
臨也っぽい服と、臨也っぽいウィッグを売ってるところは…メイトと、服はその辺探せばあるだろ。」


撫子は人通りの多い道まで出て行った。

こんな風に金を稼ぐのは初めてだ。
集まる…かな?

とりあえずアカペラで申し訳ないが得意の曲を歌う。

マイクが無いから、声を張り上げなければ…
唸れ俺の複式呼吸。


そして耳を傾ける人々。
足を止める人々。
撫子の前に座り聞き入る体勢万全の人々。

あっという間に目標の額に達した。

足を急がせる。
臨也っぽいウィッグと臨也っぽい服を購入。
速攻で着替える。
コスメイクはデパートのメイク売り場のテスターで済ます。

そして静雄を探す。
さぁ見つけれるか。




「ぃいざぁあやあぁああ!!」

「………見つけた。臨也も一緒とか、マジついてる。」

撫子は円になって野次馬っている人々の間をすり抜ける。

「はい、すみませんよー、通して下さいよーっと。」

人ごみを抜け視界が開けた。

「ウホ、本当に自販機投げてる。」

とりあえず写メに収める。

「よし、我が生涯にいっぺんの悔いなし。」

テポテポと戦争をしている二人に近付いていく。

「やぁやぁ、臨也さんさっきぶりだね。」

「ぁあ?なんでノミ虫が二人も居やがんだ?」

「シズち…静雄さんは初めましてですよ。撫子って言います。撫子って一回でも良いんで呼んで下さい。」

「………撫子?」

「っ、エクセレント!!」

「なーんで撫子チャンが俺みたいな格好してんの?
コスプレってやつ?」

「そうそう、ぱっと見臨也っぽいでしょ。
この格好は君に謝って貰うためにしてみました。」

「謝らないよ。」

「いいえ、あなたは謝るね。そんな状況を作ってやんよ。
だからこんな格好と…………こんな声するのに。

「!?」

「ではでは……シズちゃん!!今まで悪さばっかしててゴメンね!!俺、友達とか居ないからどういう風に接したらいいか分からなくて…。

撫子がいきなり静雄の前で土下座。
まるで臨也が土下座しているよう。

「な、ちょっ!?」

流石に慌てる臨也。

本当はシズちゃん…ううん、静雄さんの事が好きなんだ…。

撫子が静雄の腕に自分の腕を絡ませる。

「あああああ、何て言う視覚の暴力!!」

シズちゃんラブ!!俺はシズちゃんが好きだ愛してる!!

「きゃーー!!止めてぇ!!」

「うん、君がするべき行動は分かってるよね?」

「わかった。わかったから!!
謝るから、ごめん!!ごめんなさい!!意地悪して申し訳有りませんでした!」

「うん、ならばよし。
あー、良かった帰れrうわ!?」

再び撫子は無重力を味わう。

「では臨也にシズちゃん、お幸せにー♪」










撫子は滝の目の前に落ちる形での帰還となった。

「あ、撫子おかえりー。楽しかった?」

「うん、まぁとっても。」

帰れないかと思って焦りはしたものの、臨也や静雄に会えたので楽しかった、という感想が適切だ。

「良かった。だったら次はどこ行く?
BASARA?ひぐらしのなく頃に?うみねこのなく頃に?戯言シリーズ?NARUTO?ブリーチ?
どれがいい?」

「え、なにそれ、死亡フラグしかたたないような世界ばっか。」






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50000hit企画第四弾
刃鬼様リクエスト『デュラララ!!の世界にトリップ。臨也と言い争う』でした。

主人公ちゃんは口だけでなく行動までしちゃいましたね…。
でもあの臨也には口だけで勝てない気がしたので…忍足みたいにピーーー音炸裂の会話でもしでかそうとしたのですが。臨也、大人じゃん!!別にダメージうけなくね?と思ったので…。


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[mokuji]