第05話 「ふとんがふっとんだ!!」 …どうやら劉が得意げに親父ギャグをかましているところまで来たようだ。 「下手な洒落はよしなしゃれ…。」 「コンドルが地面にツッコンドル…。」 「電話にでんわ…。」 「オラウータンが自己紹介します。オラ、ウータン…。」 「坊主が屏風に坊主の上手な絵を描いた…。」 「ジョーズが障子にジョーズの上手な絵を描いた…。」 「パクリかの?」 「て言うか、早口言葉じゃね?」 撫子と仁王がポソポソと同じ系統の親父ギャグを言った。 「君たちなんだいそれは!?新年会の眠れる虎と呼ばれた我も知らないよ!!もっと教えてくれるかい!?」 変なとことに食いついてきた。 「仁王後よろしく。」 「…俺かよ。」 「私、マダムの話が聞きたい。仁王は…聞きたい?」 「いや…遠慮しとくぜよ。」 仁王は大人しく劉に親父ギャグを教えていった。 その間の劉の顔と言ったら…まるで少年の様だった。 「仕方ない、社交界の花形このマダム・レッドがとっておきの話を聞かせてあげるわ!!」 マダムがズイッと前に出てきた。 同じく撫子もマダムの横で聞き入り体勢万全だ。 「でねーっそいったらピーッがピーッだったの!!さらにブーッがバキューン☆だったワケ!」 「マダム!!それってもしかしてピーッがピーッのバキューンだったんじゃないですか!?」 撫子がマダムの話の内容に反応する。 「そうなのよ!!撫子あなた分かってるじゃない、でねそれってピーッがブーッていうこともあったのよねぇ。」 「だったらそこはバキューンって考えれば面白くないですか!?」 「話があうわね…撫子、ウチで働かない?」 「そうですね、それも楽しそう…。」 「マダム、撫子…いい加減にしなさい。」 セバスチャンから再び鉄拳を食らった。 声にならない悲鳴を撫子は上げていたが、殴った本人は格好つけて「仕方ありませんね」と葬儀屋の前まで出て行った。 そしてシエルを含むすべての面子を外に追い出し葬儀屋にだけ自分の持ちネタを披露した。 「…仁王、今だけは葬儀屋になりたい。」 セバスチャンによる理想郷が見てみたいよ。 少しの間が空き店からはけたたましい笑い声が聞こえてきた。 「…のう……跡部が爆笑したらこんな声になるんかの?」 仁王が何の気なしに呟いた。 想像してしまった撫子は再び笑いの渦へと巻きこまれた。 入っていいということで入ってみると葬儀屋がカウンターで腹筋崩壊を起こしていた。 葬儀屋の笑いも収まりつつあったので、やっと切り裂きジャックの情報を提供する。 長い道のりだった。 「そうだなぁ、まず…鋭いエモノで首を掻き切り、次に腹を切り裂いて、大切なものを奪うのさ。」 そう言いながら葬儀屋はシエルに近づいて首に手を当て腹に手を添え顔を耳元に近づいて説明する。 不覚にも萌えてしまった撫子。 葬儀屋×シエルktkr!! 王道じゃないけど、これもいいかもしれない。 むしろ完璧に有りだわ。 だってここについた瞬間言っていたじゃないか「小生の棺に入ってくれるのか?」って…それって愛の告白でしょ? 婚約指輪、結婚指輪みたいなものでしょう? シエルもツン気にしてるけど、ここの棺桶はクォリティーも高いし、何よりデザインが独特でシエル好みではないのか? あ、そうだ。セバスチャン×シエル前提の葬儀屋×シエルって良くない?葬儀屋が嫉妬に狂って自らシエルの命を奪う。その上で自殺って…、 そんでセバスチャンは復讐からか葬儀屋の魂を食べるの!! あ、葬儀屋は死神なんだっけ?セバスチャンがシエルの魂を食べる前に死神界の優秀な成績を残す葬儀屋に先に回収さちゃってって展開どうよ!! 「撫子何をしているのですか?行きますよ?」 「あ?…あ、はーい。」 妄想をしていたらいつの間にか対談が終わっていたようだ。 [mokuji] |