第04話 「本日はジャクソンの『アールグレイ』をご用意しました。」 セバスチャンが紅茶をシエルたちの前で用意ししている間に撫子と仁王はケーキなどを机に置いて行く。 「にしてもシエル…なんでこんなに色男を連れているのよ。何度見てもその執事はいい男だし、新しく入った執事も色男じゃない。 ねぇ、田舎仕えなんて辞めてうちに来る気ない?」 マダムがナチュラルにセバスチャンと仁王にセクハラをしかける。 「「!!」」 「そう思いますよねマダム!!仁王はともかくとしてセバスチャンさんは半端ない色気がありますよね!!」 「あら、あなたもそう思う?気が合うじゃない。」 「ハイ!!思わずセバスチャンさんにセクハラしたくなる思い…ものすごく共感ですよ。 むしろセクハラしてなんぼ…。」 「撫子黙れ、マダムも少しは自重してください。話が進まない。」 シエルの一声により撫子とマダムが黙る。 そしてシエルは本題を語りだす。 そう「切り裂きジャック」の事件について――。 撫子と仁王は話を聞いていると、みるみる顔が青白くなっていった。 ただでさえ色の白い仁王は青い、といっても過言ではないくらいだ。 「あの…雅治さんに撫子さん?大丈夫ですか?」 マダムの後ろで控えていたグレルが二人に心配そうに声をかける。 「あー…元気です。もう…これでもかって言う位……。」 「プリ…。」 「でも…。」 「大丈夫です、この話が終わったら落ち着くんで……多分。」 「そう…ですか。」 グレルはまだ何か言いたそうな顔をしていたが、二人がまともな返答が出来ないと感じたのかそれ以上聞いてくることはなかった。 「そのまさかだ。」 二人の体調が戻った時シエルたちが交わしている内容に耳を傾けるとすでに葬儀屋に行く一歩手前まで話が進んでいた。 畜生、劉が一番かっこよにくなるシーンを見損ねてしまった。チッ、 雑念が撫子の頭を支配する、思考に余裕が出てきた証拠だ。 場所が変わり葬儀屋の店に到着した一向。 中に入って葬儀屋の登場を待つ。 「……ヒッヒ…そろそろ…来ることだと思ってたよ。 よぅ〜こそ伯爵…。」 と立てかけてあった棺からの登場だ。 表情を強張らせるマダムに劉。 グレルに至っては腰を抜かして床に座り込んでいる。 セバスチャンとシエルは「あぁ、またか…」と言いたげにひいている。 撫子と仁王は笑うのをかなりの勢いで殺している。 「どうした?」 シエルが怪訝そうに聞いてくる。 「や…ね……ッ仁王…助ッ!!」 「俺の方が…助けて、ほしいぜよ!」 「ね、もういいかな…空気ぶっ壊すけど……いいかな?」 「俺…もう無理じゃ。」 「「ギャーッハッハッハッ!!」」 二人は腹を抱えて笑い出した。 「べ様がッ、べ様だ!!」 「ホンマ…ッブフッ!!」 「跡部が…ッかなり変人キャラになったッ!!素敵!!録音して持って帰って跡部に聞かせてやりたいわ!!」 「俺はおまんが跡部がべ様の声に似てるって言わんかったらこんなツボらんかったんに…どうしてくれる。」 「や、どうにもできない…葬儀屋さん!!どうか一回でいいですので『俺様の美技に酔いなっ!!』って言っては下さいませんか!?」 「ん〜?俺様の〜美技ぃに酔いなぁ〜?」 「「グフっ !!」」 見事な『俺様〜…』をいただきました。よって完璧にツボってしまった二人、もうどうしようもないくらいに笑っている。 結局はセバスチャンの鉄拳が頭に入り収拾がついた。 悶絶中の二人はシカトしシエルたちは切り裂きジャックの情報収集を続けている。 「私は理想郷を見たよ……頭痛いけど。」 「同じく。」 [mokuji] |