青春トリップ!!?  | ナノ


よんでますよ、アザゼルさんの世界に行ってきた


「………あれ?」

「…え……佐隈さん?」

撫子の目の前には眼鏡をかけた大学生っぽい女の人が居る。
いや、知っている。だってよんアザの佐隈だから知ってる。

「芥辺さーん、なんか人間呼んじゃいましたぁ!どーしてですかぁ!?」

「…佐隈さん、こことここのスペル間違えてる。」

「え、…あちゃー……。」

「それよりも俺としては結界の中でも本来の姿をしているところが気になるな…お前らのグリモアは無いのか。」

「無いですよ。残念ながらね、本当にただの人間なのであるわけないですよ。
と言いますか、あっても出しませんよ。いともたやすく行われるえげつない行為を受けたくないですもん。」

「ほぅ、お前以外も人間か?」

「お前以外?…あぁ、精市君と真田君も居る…珍しいメンツだなぁ。」

「あ、これグリモアって言うんだ。へぇ、興味深いや。」

早々に幸村はこの部屋にあったグリモアに興味を持ち中身を見ている。

「む…幸村、他の人のものだぞ。勝手に触ってもいいのか?」

「いいのいいの、だって俺だもん。
えっとー、何々?ンサルゼザアヨスマデンヨンサルゼザアイコイコンサルゼザアレガヤキトトットンサルゼザアヨナルセタマーーー、あ?」

幸村が呪文を言ったと思ったら、そばにあった魔法陣が輝きだしてそれから登場しました。
やつが、

金髪の悪魔…じゃなくてアザゼル篤史。
犬だか何だかよく分らないマスコット的なファンキーな格好をした生物である。
その悪魔が卓袱台ごとこちらにやってきた。今日の夜ご飯は秋刀魚らしい。

「…ん?…なんや初めて見るメンツがおるやんか。お、女が居るやん。ワシと一発するんかぁ?」

「うわ…黙ってたら可愛いのに、黙ってたら、可愛いのに!!」


「え?芥辺さん、あの青髪の子アザゼルさん呼んじゃいましたよ!?」

「…何者だ?お前。」

いきなり現れたメンツの中の幸村がアザゼルを呼んだことに芥辺は警戒をして幸村を睨みつけた。
それに対し幸村はニコリと笑って自己紹介をした。

「俺は幸村精市。滝君のお友達ー。」

「あぁ…滝萩之介。」

滝の名前を聞いた芥辺は睨みつける表情から無表情へと元に戻った。
滝と言う名前は有名らしい。

「滝様マジ滝様……。」

「なんやなんや?ワシ空気かぁ?折角呼ばれたっちゅーのに用は無いんかい。アザゼルさんグレるでー。」

「グレるアザゼルさん萌えー。」

「姉ちゃん分かっとるやないか。なんや、さくよりもべっぴんやないか、どや?俺の契約主にならんか?
イケニエは[ピー]でかまわへブゲハァアア!!!」

「もー、初対面の人に下ネタ言うの止めてくださいよーアザゼルさーん。」

撫子にセクハラを行ったアザゼルがそれ相応の罰を佐隈から受けた。
見事に細切れである。

「わー!汚い花火だぁ。…俺もしたいなぁ……。
よし、他のも呼んでみよう。えっとー…ベルゼブブ―――――?」

幸村は悪魔に興味を持って他の悪魔も呼び出した。
そしてまたやってきた悪魔、ベルゼブブ優一。

「おや?私を呼んだのは佐隈さんではありませんね。誰です?このベルゼブブ931世ベルゼブブ優一を呼んだのは、」

「俺だけど、何?問題でもあった?」

「いえ別に?イケニエさえ下さったらそれ相応の働きはしますよ。よろしくどうぞ。」

「イケニエ?そんなの要るの?」

「ハァア?そんなの要るの、だとォ!?要るに決まっているでしょう!!それが契約の基本ですよ!?魔界のエリートであるこの私を使役するのですからそれなりの対価を要求しますよ!!今すぐ用意できないと言うなら魂を要求します!!」

「ねぇ、本当に、必要?」

ニコリとベルゼブブに微笑んだ幸村の笑顔は、単純に言って怖かった。
いや、微笑んでいるはずなのにそのオーラがあってはならない様なオーラを醸し出している。

「ッ!?芥辺氏の様なオーラを感じます!?そんな、芥辺氏の様なオーラを醸し出す人間がまだ居たなんて!!」

「べ、ベーやん、逃げ…や。」

「俺ね、君をアザゼル…だっけ?みたいな状態にしたいんだ。と、いう訳で有言実行!リナミカリビリビ!」

「ピギャァアアアアアアアア!!!」

「べぇえやぁああああん!!」

「おおー、こんな技もあるのかぁ…他にも無いのかなぁ?」

「くッ…この私をコケにしてくれましたね……脱糞死しくされぇええええ!!!」

「え?イヤ。」

復讐と言わんばかりにベルゼブブから放たれたビームはものの見事に幸村の手払いによってペシっと軌道を変えられ外へと消えて行った。

「べーやん…これではっきりしてしもうたな。この男…芥辺はんの後継者や…さくよりも凶悪やで……。」

「あー…精市君最強すぎ……べーやんマジかわいい。マジ天使。hshsしてぇ……。」

「おや、貴女も見かけない顔ですね。ベルゼブブ931世ベルゼブブ優一と申します。よろしくどうぞ。」

「ご丁寧にどうも…椿崎撫子です。ところでベルゼブブさん、抱き着いてもいいですか。もうhshsしてもいいですか。セクハ、ゲフゲフスキンシップを行ってもよろしいでしょうか!?」

「おやおや、これはまた珍しい行動を起こす人ですね。」

「ちょ!えっと…椿崎さん、それは止めておいた方が良いですよ。ベルゼブブさんここに来る前何を食べていたか分かりませんよ。ヤギの糞とかそんなの食べてる悪魔なんですから。」

「このビチグソ女ぁあ!!今私の高尚な嗜好を否定しましたか?ピギャァッシャアァアア!!![ピ―――――――――――――――――――――――]!!!!」

「騒がしいぞ!!ベルゼブブ殿!!先ほどから真田殿の言葉が聞こえぬではないか!!!」

放送コードに引っかかるギリギリの言葉を羅列していたベルゼブブを大きな声で一括したのは赤いトカゲの格好をしているサラマンダー公威。
いつの間にか幸村によって召喚されていた。
そして召喚した幸村を余所に真田と何かを語っていたらしい。

「マンダはん!?」
「……マンダ氏?」

「あ、サラマンダーさんだ。ビニール傘一本プリーズ。」


「うむ、先ほどの話を蒸し返すようだが男は男らしくないといかんな。
俺の部活では女の様に髪を伸ばし縛り実に男らしくも無い奴が居るのだ。校則からも反しているかな。俺としては早々にどうにかたいと思っているのだ。しかしそいつはそれは俺のアイディンティティであるとぬかし俺の言う事を聞かぬのだ。」

「男の癖に外見を女に似せているだと!?言語道断!!
男は男らしくあるべきであり、女は女らしく男の散歩後ろを黙って歩くと言うのが理想である!
そして男がその格好を容認することにより女が付け上がり、男子を支配したと勝手に勘違いを起こし男の立場が失われると言う想像いうる限りでの最低な展開になってしまうと言うもの。」

「サラマンダーの言う通りだな。
男女平等と言っても最近の社会では女子が男と平等だと扱われているが実際の所権利権利と主張するだけの女子が増えているように感じる。
男のなんたるかを何もわかっていない輩が増えているな。実に嘆かわしい限りだ。」

「実にその通りである!!
俺を召喚したそこの女!付け上がるのではないぞ!!この武士を従わそうなどと言語道断!!聞いているのかそこの青髪の女ぁ!!」

ビシィ!と音が出そうなくらい激しく指を幸村に向けて刺したサラマンダー。

「え?俺?」

「え…精市君……?マンダさん止めておいた方が……。」

「雌が男に指図するではないわ!無礼者ぉ!!」

「ATフィールド展開!!」

ぺっ、と唾を撫子に向けて吐き出した。
しかし予め構えていたビニール傘でガードで事なきを得た。

そして撫子としてもっとも恐れていた事態が起こってしまった。
そう、サラマンダーが幸村に向かって唾を吐きかけたのだ。
幸村は避けたのだが、勿論いい気はしていない。証拠にとても笑顔である。怒りの無表情を超え、さらに上のキレている様な顔。
撫子としてはその笑顔を直視したら石になるとかならないとか。

「先ほどからなんだ!?そこの雌!一人称が俺だと!?雌が男が使うためにある一人称を使っているでないわ!!その上その言葉はどうは以下目下の奴に対して用いられるもの。人間がこのサラマンダー公威に使うなどど笑止!!これだから雌は礼儀を知らんと言うのだ。」

「サラマンダーさん。」

「なんだ女ぁ!!」

「ご愁傷様です。貴方が罵っているその青髪のお方、残念ながら男です。刀を持っている立派な男です。」

「……こんな女々しい武士が居てたまるかぁああ!!!」

「おい、そこの爬虫類。」

「なんだ詐称女!!っ!?」

幸村は笑みをひっこめてサラマンダーの両頬を片手で掴み上げ宙に浮かした。
それから見せている表情は絶対零度、と言っても生ぬるいような表現できない様な表情になっている。青筋も確認できる。
撫子は目をつぶり、さらに耳を手で覆った。
完全に回避体制である。
他の佐隈、芥辺、アザゼル、ベルゼブブも同じように行動し、今後の展開を待った。
しかし真田だけはサラマンダーに味方をするべきか幸村に味方をするべきか迷ってそのような行動を一切取らず、これはもう巻き込まれる決定である。

そして片手でサラマンダーのグリモアを操作し、それから呪文を唱える。

「ンサーダンマラサイマシオデレコ、ンセマシルユンサーダンマラサ、ンサーダンマラサルスニナゴナコ、ルスニャシグャシグンサーダンマラサ、…スロコンサルユ。」

「ぎゃぁあああああああああああああああああああああ!?!?キモッキモチ、あ――。」

幸村が呪文を唱え終わってサラマンダーの断末魔が響き渡ったらしい。
撫子が目にしたのは清々しい笑顔になっている幸村の顔。
それからサラマンダーだったもの。サラマンダーのこの状態を記すにはモザイクが必須である。

「あー…暴行を受けることに悦びを感じると言うちょっと特殊な性癖を持ってしても耐えることは出来なかったか…。
しかし、勉強になっただろうサラマンダーよ。さて精市君そろそろ帰ろ…う……ってなにしてんの!?」

話も決着がついたし、帰ろうと幸村に提案した撫子だったが幸村の方を向いた際、今度は別の犠牲者を生み出そうとしていた。
次の犠牲者と言うのは真田であるが…。

「え?あのトカゲの意見に賛成してた真田への制裁だけど?」

「いや、待て幸村…俺はサラマンダーの考えには賛同したが、幸村の事に関しては何も!」

「良いわけするなんて武士らしくないぞ、真田ぁ。」

「キッキェエエエエエェェェ!!!」






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500000hit企画第47弾
武蔵様リクエスト「青春のトリップで、『よんでますよ、アザゼルさん』に青春主+0〜2名で。個人的には真田、マンダのやり取りが見たかったり」でした。

真田とマンダさんのやり取りがあまりなくてすみません…マンダさんの喋り方が謎すぎて…アニメしか見ていなかった練詠が悪いのですけれど←

と言いますか主が物凄く空気になってしまった。
多分魔王三人衆の誰かが主の近くに行ったら主は空気になると言う特殊装置を…←


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[mokuji]